エンジェル投資はベンチャー企業等に出資を行い、リターンを期待をする投資方法です。それでは、エンジェル投資では、リターンのひとつとして、配当金を狙うことは出来るのでしょうか?
今回は、エンジェル投資のリターンについて、どのようなものを期待することが出来るのかを、詳しくご紹介致します。
エンジェル投資とは、起業したてで資金を得ることが難しいベンチャー企業等に出資をして、対価として株式を入手する投資方法のことで、エンジェル投資家とはそのエンジェル投資を行う個人のことをいいます。
エンジェル投資家については、下記コラムをご参照ください。
一般的な株式の投資家は、株式を保有することによる配当と、株式を売買することによる譲渡益をリターンとして期待をして、投資を行います。
一方で、エンジェル投資では、配当よりも、売買することによる譲渡益をリターンとして期待を期待をする場合が大きいです、
配当における株式投資との違いをご紹介致します。
配当所得については、下記コラムをご参照ください。
一般的な株式の投資家が得られる配当金とは、企業が利益を出した際に、その一部を株主に還元するお金のことです。
配当金額や、年何回配当するかは企業により異なり、また配当金を出さない企業もたくさんあります。
基本的に配当金の原資は企業の利益剰余金であることから、業績の上下により配当金も上下する可能性があります。
一般的な株式の投資家が配当金をリターンとして期待をするうえで確認していることは、配当利回りです。
配当利回りとは、1年間でどれだけの配当を受け取ることができるかが分かる指標で、当期予想1株あたり「配当金÷株価×100」で求めることが出来ます。
例えば、株価が1,000円であり、1株あたり年10円配当金を出す予定の銘柄の場合、配当利回りは1%であるといえます。
配当利回りが高い、ということは、配当金に対する株価が安いと同意である、と考えることができ、配当利回りが高い銘柄ほど、少ない資金で多くの配当金を得ることが出来ます。
配当金を受け取る権利は、権利付き最終日に株を保有していることで発生をします。権利付き最終日とは、決算日の2営業日前です。
権利付き最終日時点の株の保有状況に応じて権利が発生するため、保有期間は配当金の受取においては影響を及ぼしません。
配当金を受け取ることの出来るタイミングは、多くは決算後に行われる株主総会で配当金の支払いが決議されることで行われます。株主総会開催日は企業によって異なりますが、決算後3ヶ月以内には開催されますので、おおよそ決算日から3ヶ月前後に受け取ることが出来る場合が多いです。
また、配当金の金額は、保有株数に1株あたりの配当金額を乗じた金額となります。
エンジェル投資では、上記の一般的な株式とは異なり、配当を期待することは難しいです。
上記のとおり、配当金は企業が利益を出した際に、その一部を株主に還元するお金であることから、企業が利益を出して、かつ利益剰余金を配分する能力が無ければ、配当が行われません。
エンジェル投資の投資先は、起業したてで資金を得ることが難しいベンチャー企業等です。企業が利益を出して、かつ利益剰余金を配分する能力がある企業であることの方が少なく、また利益剰余金が発生をしても、更なる企業の発展のために、事業に用いることが一般的です。
このことから、エンジェル投資では、一般の株式のように、配当金に期待をすることが難しいといえます。
上記のように、配当を期待することが難しいエンジェル投資では、その株の売買によって金銭的なリターンを期待することが出来ます。
上場前のベンチャー企業に投資をすることが出来るエンジェル投資では、その企業が将来的に大きな利益を得られれば、投資家にもそれだけの利益が還元されることが期待出来ます。
ベンチャー企業が成功することで得られるリターンは、一般的な株式の売買で得られる金銭よりも多額であるとされていて、エンジェル投資はハイリスクハイリターンの投資であるといわれています。
上場前のベンチャー企業の株式を売却する相手を自分で見つけてくるのは相当困難であり、かつ売却価格が低く抑えられがちです。
そのため、エンジェル投資の株式の売却は大半がIPOやM&A等のイベントが発生したタイミングで行われ、その際に譲渡益が発生をします。
IPOとは、株式の上場のことです。株式が上場すると、その上場した市場内で株式が自由に売買されることになります。
エンジェル投資家もその保有している株式を売却し、譲渡益を得ることが出来るようになります。
M&Aとは、事業会社によるベンチャー企業の買収です。M&Aにより事業会社がベンチャー企業の株式を買い取る場合、ベンチャー企業の事業を買い取り、ベンチャー企業がその受け取った対価を株主に分配して会社を清算する等、形態は様々です。
買収の対価が取得会社の株式である場合もありますが、取得会社が上場企業であれば、その株式を市場で売却し、譲渡益を得ることが出来ます。
配当以外にも、エンジェル投資家には投資を行うメリットがあります。
エンジェル投資のメリットのひとつに、投資先の企業を密にサポートし、事業の発展や成長を見届けられることを挙げることが出来ます。
投資家自身が起業するアイデアは無いが、ベンチャー企業の発展に貢献したい、と考える人は、エンジェル投資によって経営資金を提供する形で企業を応援することが出来ます。
ベンチャー企業を上場企業を成長させるには、エンジェル投資家のサポート量やスキル、時運等も求められますが、関係作りの家庭でビジネススキルや人脈を得られることにも期待することが出来ます。
エンジェル投資の投資先は、マッチングサイトやクラウドファウンディングによって探すことが出来ます。
マッチングサイトやクラウドファウンディングでは投資家が投資金額を決定して投資先を選択することが出来る場合が多く、少額から投資をすることが出来、リスクを少なくすることが出来ます。
エンジェル税制とは、未上場ベンチャー企業への株式投資を行った個人投資家に認められる税務上の優遇制度です。ベンチャー企業への投資促進や産業活性化を目的とした制度で、投資時点と売却時点の両時点で優遇措置が認められる点が特徴的です。
優遇措置にはAとBがあり、優遇措置Aでは、投資額から 2,000円を差し引いた金額を総所得金額から控除することが出来、優遇措置Bでは、投資額全額を株式譲渡益から控除することが出来ます。
エンジェル税制の詳細は、下記をご参照ください。
参照元:エンジェル税制の仕組み|中小企業庁HP
参照元:エンジェル税制の概要等|国税庁HP
上記のように、エンジェル投資の金銭的なリターンは、配当金ではなく、その株式の譲渡益に期待をすることです。
急成長が見込まれるベンチャー企業に出資をすることで、多額の譲渡益が期待することが出来るハイリターンと共に、ベンチャー企業だからこその企業の存続そのものが危ぶまれるハイリスクが、エンジェル投資にはあります。
投資には様々な手法があり、それぞれの特徴をよく理解することが投資家として成功をする秘訣です。ご参考になさってください。
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