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税理士の未来は明るい!人工知能(AI)に置き換えることのできない 本当の価値ある仕事とは

HUPRO 編集部
税理士の未来は明るい!人工知能(AI)に置き換えることのできない 本当の価値ある仕事とは

高校時代たまたま家にあった専門学校ガイドを通し簿記に出会い、簿記の面白さに魅了され税理士を目指した税理士法人CCube代表の清水努さん。30歳での独立を目指し、コツコツ実務経験を積まれてこられました。近い将来AIに取って変わる職業?と言われる税理士という仕事の魅力について、熱く!語って頂きました。

簿記との出会いにワクワクした高校2年生の夏

―まず、税理士を目指した動機や背景などを教えてください。

私は県立高校の普通科に通っていました。数学は得意でしたが、国語が壊滅的に苦手な学生で、10段階評価の「2」を取るほどでした(笑)。冷静に進学を考えると、国公立大学は国語がネックになって無理だろうから、進学するなら理系の私立大学しかないな、と思っていました。

進路を考え始めた高校2年生の1学期のことです。今思い出しても不思議なのですがが、なぜか家に「専門学校ガイドブック」があったのです。それをパラパラめくっていると「簿記」という字に目が留まりました。私は普通科の高校に通っていたので、初めて「簿記」という勉強があること、またその資格があることを知りました。

簿記は数字に関わることだろうから、それなら自分が得意な分野だと感じました。そこで夏休み期間中に、専門学校で開催される日商簿記3級基礎講座を受講してみることにしたのです。

―講座を受講されてみていかがでしたか?

それがとても面白かったのです。これは何にでも共通することですが、私は「入口で自分がどう感じるか」ということがとても大事だと思うのです。小学生の頃から数字を見るのが好きだった私にとって、簿記はとても楽しい勉強でした。

夏休みの講座を終えた時に、専門学校の先生から「清水君は良くできるから2級の勉強もしてみたら?」と声を掛けられました。そこで9月から週に2回、平日の夜間に専門学校へ通い始めました。そして11月の日商簿記検定を受験し、3級と2級に合格しました。

―勉強を始めて3カ月で3級と2級に合格されるってすごいことですね!

当時は若かったので、それで少し調子に乗ってしまいましたね。その後、専門学校の先生に「1級も受けてみたら?」と勧められました。私はこの調子で1級も行けるのではないかと思い、年明けの1月から勉強を始めました。

でも、日商簿記の2級と1級ではレベルが全く違いました。高校3年生の6月に1級を受験してみましたが不合格。少し甘く考えていたので、気合を入れ直し本気で勉強に取り組みました。そして11月の試験で1級に合格しました。

専門学校からの誘いを受けて税理士の道へ

―簿記に出会って1年弱で1級合格とは素晴らしいですね!そのことは進路に影響し
たのでしょうか?

有難いことに、専門学校から入学金と2年間の学費免除の条件で「うちの学校に来ないか?」と誘っていただきました。家庭の事情で、私立大学への進学は経済的に難しいと感じていたので、私はそのお誘いを受けることにしました。

―入学後は最初から税理士を目指されたのですか?
実は当時、公認会計士もいいなと思っていました。会計士ってかっこいいイメージがありませんか?それで、会計士学科に行こうかと考えたのですが、何と、会計士の一次試験に論文があったのです。お話したとおり、私は国語が壊滅的に苦手でしたので、これは無理だと思い会計士学科は諦めました。こうして振り返ってみると、とことん国語から逃げた選択でしたね。

―清水先生の勉強方法について教えてください。

高校卒業後は専門学校に3年間通いました。最初の2年間は本科生だったので朝から夕方までは毎日授業を受け、夜間にアルバイトをしていました。最後の1年間は単科生として昼間はアルバイトをし、夜間のクラスに通学しました。当時決めていたことは、何があっても休まずに学校へ行くということです。学校を休んでもビデオを借りて補習することができたのですが、それは避けるようにしました。

今の時代もオンデマンドで「いつでもどこでも勉強できる」という便利さがありますが、それは裏を返せば「いつでもどこでも勉強できない」ということだと私は思います。ですから、勉強する環境に身を置くために、絶対に学校には行くと決めていました。

そして土日のどちらかは朝から晩まで勉強しました。本番の試験と同じように、午前9時から11時までの2時間、過去問題を解きます。休憩を挟んでそれを1日に3回繰り返しました。そうやって体に試験のリズムを染み込ませるという訓練をしていました。

―就職されてからはどのように勉強されましたか?

私は21歳で就職しました。専門学校へは仕事が終わってから週2日通っていました。土日の過ごし方は学生時代と同じでしたが、平日の学校に通っていない3日間は勉強をしていませんでした。また8月に税理士試験を受け、9月から12月まではあまり勉強しませんでした。私は集中力がある方なので、年明けの1月から一気に追い込んで勉強するという方法をとっていました。特にゴールデンウイークは朝から夜中まで勉強していました。

でも正直に言うと、この私の勉強方法は全くおすすめできません。なぜなら会計事務所は1月から5月までが激務で、定時で帰れない日が続きます。そこに勉強の追い込みが重なるのは効率が悪いですよね。

私の事務所のスタッフともよく話すのですが、王道の勉強方法は、9月から年内までに一通りの勉強を終わらせてしまい、年明けからは苦手な部分に取り組むという方法です。そして夏に向けて模擬試験を受けて仕上げに入っていきます。絶対にこのやりかたの方が正解だと思いますので、私の勉強方法は参考にしないでください(笑)。

逃げずに王道で勝負することの大切さ

―簿記論、財務諸表論、法人税法、所得税法、相続税法の5つの科目をお持ちですが、なぜその科目を選ばれましたか?

私は将来独立をしようと決めていたので、お客様としては個人よりも法人を想定していました。そこで迷わず法人税法を選びました。そして経営上、事業承継も必ず発生してくると思いましたので、相続税法はやっておいた方がいいと思いました。あと1科目は不動産に興味があったのと、小さい科目だったので簡単に合格できるだろうという安易な気持ちで最初は固定資産税を選びました。

―固定資産税ではとても苦労されたそうですね。

そうなんです。簡単に取れると思っていた固定資産税で本当に苦労しました。専門学校3年目に固定資産税の勉強を始めました。勉強は大変ではなかったので、これはすぐに合格できると思っていました。

ところが1年目は不合格。就職して臨んだ2年目も不合格、翌年も不合格。最終値の計算は合っているのに、不合格の理由がわからなく、「もしかして字が汚いからか?」としか考えられないほどでした。

3年連続不合格になった時に、「逃げるな、王道で勝負しろ」という天の声が聞こえました。そこで所得税法に切り替え勉強し、やっと合格することができました。25歳の時でした。

サラリーマンスタート時に、独立の計画を立てました

―独立するまでのキャリア形成はどのようにされましたか?

私はサラリーマン生活をスタートする21歳の時に、独立する時期を30歳に設定しました。そこで30歳までの9年間、3年ずつ3箇所の現場で修行を積もうと計画を立てたのです。

私はスタッフに、「いつまでにやるの?そのためにあとどのくらいの時間があって、今何が足りないの?」と具体的なタスクの落とし込みをするようにアドバイをしています。計画を立てるということは目標達成においてとても重要だからです。そして私は30歳になる少し前の29歳で独立することができました。

―9年間の修行中に意識されていたことはありますか?

どんな仕事でも、会社にやれと言われた仕事は絶対に断らず、すぐにやることです。たとえ自分の仕事は後回しにしても、すぐにやるということが大切です。

すぐにやるという姿勢は、先輩や上司にとてもかわいいと思われます。そうなるとわからないことは教えてもらえるし、困っていたら助けてもらえます。頼りにされるようにもなって、レベルの高い仕事をもらえるチャンスにもつながります。はじめは難しいと感じる仕事でも、それを繰り返すことで力が付いていったと思います。

お客さまとの本気のぶつかりあいが楽しい

お客さまとの本気のぶつかりあいが楽しい

―代表として、現在はどのようなお仕事をされているのでしょうか?

現在、会社は銀座、池袋、立川、大宮の4箇所で支社展開をしています。今はマネジメント業務が中心になっていますが、メイン担当スタッフと一緒にお客様のところへ訪問もしています。

C Cubeでは経理担当者でなく、意思決定ができる経営者に直接お会いしてお話を聞くということをとても大事にしています。経営者が何を考え、どんなことをしたいと思っているのか、それに対して我々の意見を真剣に言う。私が伺った時には、経営者同士なので話がヒートアップして、傍から見ると喧嘩しているみたいに見えるようです。

―スタッフへはどのようなマネジメントをされていますか?

私が常にスタッフに言っているのは、「社長すごいですね!」というようにお客様を持ち上げたり、ゴマをすったりするようなことを絶対にするなということです。そして、多分こうだろうな、というように忖度してはいけない。お客様と腹を割って話し、真剣に向き合って意見を述べることが大事だと。

だからスタッフが真剣に考えてお客様に助言したことがわかってもらえず、契約解除になっても、それは仕方がないと言っています。スタッフには臆せず思いっきりやってもらっています。

―今後のキャリアに関して、10年後どのようになっていたいですか?

私は10年後の65歳でセミリタイヤすると宣言しています。それまで、人材を集めて5年後をめどに支社展開を再開し、若手の育成に力を注ぐつもりです。

今現在のお客様は私と同年代か少し上の方が多いです。そうなると10年後は70歳前後、人生100年時代に70歳前後の経営者は世の中的にはまだ若い。でも事業承継のタイミングとしてはそろそろ次の世代へバトンタッチしていい時期なのです。
そのことを誰かが言わなくてはいけません。その難しい役目を10年後に私が引き受けようと考えているのです。

―そう考えになるきっかけはありましたか?

かつて私が40代の時に70代の経営者に事業承継のお話をさせていただいたお客様がいました。すると「人に勧めておいて、おまえは辞めないのか?」と言われたのです。私はそれ以上何もいうことができませんでした。その時はできませんでしたが、65歳になった私なら「私も辞めますから!」と一緒に引退の花道を伴走できます。そうやって最後までお客様に寄り添っていたいのです。

また10年後には、今30代のスタッフが40代になり、おそらく次の事業継承者と同年代になっています。同年代同士で腹を割って話し合った方が、事業は活発になっていくと私は考えています。このように私のセミリタイヤ計画は、お客様のサポートとスタッフのサポートのために必要なことなのです。

今後もあなたに任せたい、そんな税理士に必ずなれる

―これから税務会計業界を担う方々へ向けてアドバイスをお願いします!

今後、人工知能(AI)に取って代わられる職業TOP10に税理士が入ってから、税理士を目指す20代、30代の方が減少している傾向にあります。税理士試験は簡単ではありませんが、一度合格した科目は半永久的に有効ですし、努力をコツコツ積み重ねて受験を続ければ絶対に合格できます。税理士試験は長期戦です。最初に税理士を目指した志を忘れず、諦めなければ必ずなれるのです。

そしてAIには絶対にできない、お客様との本気のぶつかりあい。これが税理士の醍醐味でありやりがいだと私は思います。どんな時代になっても経営者の頼れる伴走者として、税理士の仕事がなくなることはありません。お客様との信頼関係を築き「今後もあなたに任せたい」と言ってもらえる、そんな税理士にあなたも必ずなれます。

そのためには、手をあげたら「やってみろ」と言ってくれる職場など、環境を選ぶことが重要だと思います。わが社C Cubeのように!

―本日はお話を聞かせていただきありがとうございました。

今回インタビューさせていただいた清水 努先生の
C CubeのホームページはこちらTwitterはこちら

この記事を書いたライター

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