今回は、30歳でも大手監査法人に就職可能かという点についてお話ししていきます。実際に2021年3月末まで大手監査法人で勤務していた私の経験を基にお話ししますので、会計士受験勉強中だけど30歳で大手監査法人への就職に不安を感じていらっしゃる方やこれから勉強をはじめようと思っているけど年齢で大手監査法人へ就職できるか不安だなっていう方は是非最後までご覧ください。
そもそもなぜ、公認会計士という難関資格を目指されている方が、30歳というご自身の年齢によって大手監査法人への就職に対して不安を感じていらっしゃるのか。それは、公認会計士試験の合格者の年齢が若いからです。
公認会計士は税理士と違って受験資格がありません。そのため、18歳で合格する方もいらっしゃいます。公認会計士・監査審査会の発表によると、直近令和2年の論文式試験合格者の平均年齢は25.5歳です。
確かに、この平均年齢を目の当たりにすると、30歳の方はせっかく合格しても年齢のせいで大手監査法人へ就職できないのではないかと不安になるのも無理がありません。
それでは、本題の30歳でも大手監査法人に就職可能か?というテーマについて説明していきます。結論からお話ししますと、30歳でも大手監査法人への就職は可能です。
合格者の平均年齢が25.5歳なので、私がリクルーターをやっていてお話しする機会が多いのは大学生や20代前半の受験生の方です。しかし、30歳の方とお話しすると、前職経験もあり、しっかりしている方が多く安心感があります。
配属先やチームによっては、前職経験のある方を希望されている場合もありますので、30歳であっても問題ありません。
私の主観だけでは安心できないという方のために、各大手監査法人HPの募集要項ではどのように記載されているか以下にリンク先をまとめてみましたので、確認しましょう。
まず、EY新日本さんの募集要項には、年齢の文字は見当たりません。次にトーマツさん、あずささん、PwCあらたさんと各大手監査法人の募集要項を見てみても、どの法人の募集要項にも年齢に関する記載はございません。
また、新卒歓迎や優遇といった記載もありません。なので、募集要項を見ていただければ、年齢に対する不安はなくなります。
EY新日本 公認会計士定期採用サイト 2021
トーマツ定期採用サイト
あずさ監査法人 定期採用サイト
PwCあらた有限責任監査法人/定期採用
募集要項に年齢に関する記載がないだけで年齢制限がないと言い切るのは納得できないという方もいらっしゃると思います。なので、次は各法人の年齢制限に関するQ&Aをみてみましょう。(PwCあらたさんはQ&Aが見当たらなかったので割愛しております。)
EY新日本 公認会計士定期採用サイト 2021
トーマツ定期採用サイト
あずさ監査法人 定期採用サイト
Q&Aを見てみるとどの大手監査法人も「年齢制限は特に設けておりません。」という内容の解答を掲載しております。
どの法人のQ&Aにも漏れなく年齢制限について記載があるので、本当によく質問されるトピックなんだなというのがわかりますね。
これでもまだ、信じられないという方には実際の私の経験をお話ししておきます。まず、私が所属するチームにも毎年2名〜3名の新人さんが入ってきていましたが、新卒の方はあまりいらっしゃいませんでした。年によっては3人中3人が30歳以上という年もありました。また、リクルーターをしていて年齢が話にあがることも滅多にありませんでした。
このように30歳ぐらいであれば、あまり大手監査法人側は重く考えていないので、受験生のみなさんが必要以上に不安になる必要はございません。
ただ、だからといって楽観的に考えてはいけません。新卒ではなく30歳の自分を選んでもらえるようにしっかり準備して説明会や面接に臨むようにしましょう。そのための注意点を次にまとめておきましたので、是非読んで見てください。
私から1つだけ注意点としてみなさんにお話ししておきたいことがあります。
それはなんとなく周囲が行くから大手監査法人に行くという考え方をしない
自分なりの目標とゴールを持って就職に望まれた方が良いです。
もっと詳しく言うと、中小監査法人ではなく、なぜ大手監査法人がよいのかを考えておく必要があります。みんな大手監査法人に行くからとりあえず大手監査法人に行くという考えだと公認会計士試験合格後のファーストキャリアとしてもったいないです。
30歳から新人として大手監査法人で数年働くとその分年齢も重ねることになるので、次のキャリアも見据えて大手監査法人がよいのか中小監査法人がよいのかを考えてください。
大手監査法人は良くも悪くも組織化され分業化されています。効率的ではありますが、個々人が関われる幅は小さくなるので、実務を通じた成長スピードは中小監査法人より早くありません。
また、大手監査法人は業種別に事業部が別れていることが多く、担当するクライアントさんの業種が偏る可能性もあります。
例えば、金融事業部だと小売やメーカーなどのクライアントを担当することはありません。他方、中小監査法人では、業種を超えてクライアントを担当することも可能です。
幅広いクライアントを担当したいという人や、早く成長したいというお考えであれば大手監査法人でなくて良いというケースもあります。なので、30歳以降のこれからのキャリアを見据えて大手監査法人への就職を検討してみてください。
最後に簡単にまとめておきます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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