株式会社タクトコンサルティングで 代表取締役社長を務める、山田毅志氏。専門家には限界がなく、常に学び続けて進化し続けることが大事だと語る。20代〜40代までの時間の過ごし方で人生はもっと豊かに楽しくできる。そんな山田毅志氏にHUPRO編集部がお話を伺いました。
【ご経歴】
1992年 | 横浜国立大学経済学部 卒業 |
同年 | 安田信託銀行 入行 |
2002年 | 山田&パートナーズ会計事務所、株式会社ソニーを経て、タクトコンサルティング 入社 |
2020年 | 株式会社タクトコンサルティング 代表取締役社長就任 |
ー公認会計士になろうと思ったきっかけについて教えてください
最初から公認会計士になろうと明確な目的やきっかけがあったわけではありません。大学卒業後その当時就職先として人気のあった、銀行に入行。東北の支店に配属されてバリバリ仕事をしていました。充実はしていたものの、このままで良いのか?と考えるようになりました。これからの人生を考える中で、50歳・60歳と歳を経ても、自分の力で生きていけるような職業に就きたいと思い、銀行の退職を決意しました。
そして自分で道を切り開いていける仕事をすると考えた時に、「士業」に出会いました。弁護士か公認会計士どちらを目指すか迷いはしましたが、公認会計士の方が直感で向いていると感じ公認会計士に決めました。
ー勉強に苦労することなどはありましたか?
実は特段苦労に感じることはありませんでした。銀行勤務時代に、不動産鑑定士に4ヶ月間で合格したことから勉強の習慣が確立されました。それに比べたら、公認会計士試験には1年も準備期間があったことから余裕を持って勉強そして合格できたと思います。
ーその後会計士から税務の道に進まれていますね
そうですね。公認会計士になった後、監査法人で3年半働きました。大きな会社のクライアントを中心に仕事をしていたのですが、仕事に迷いを感じるようになりました。相手方は組織の中で経理の役割を担っているだけで、最終的な意思決定者ではないのがイマイチ腑に落ちなかった。私は、お客様に寄り添ってお客様のためだけに力を注ぎたいと気づき、会計士よりも税理士として働く方がいいのでは?と思いました。
公認会計士資格があれば、税理士登録ができるので勉強する必要はないです。しかし、会計士業務を行うための税務知識で税理士になるのは、あまり望ましくないと考えています。税務のプロとして活躍するなら専門の勉強をするべきだと考え、税理士科目の勉強をしました。そのため税理士法人に行くまでの10か月間に、法人税法、消費税法、所得税法、相続税法を専門学校で勉強し直した上で、晴れて税務の道に進みました。
ー株式会社ソニーへの入社。どのような経緯だったのでしょうか?
大手税理士法人で資産税業務に4年間取り組んだあと、今の自分がどれくらいの力を発揮できるのか、グローバル企業で挑戦してみたいと思うようになりました。知り合いの方にソニーの頭脳である財務戦略部を紹介して頂き、ソニーに転職しました。
当時ソニーで専務をしていた方が聡明で、かつ鋭い方で大変尊敬していました。専務とともにプロジェクトに携わり、今まで経験したことのない世界を見させていただきました。非常にやりがいを感じました。
ー充実した環境だったのですね!その後タクトコンサルティングへ転職された理由はありますか?
グローバル企業の財務戦略部での経験は充実していましたが、より自分が主体となり、お客様に価値提供をしたいと思うようになりました。この思いを当社の前代表である本郷氏に手紙で伝えたところ、快諾していただき、タクトコンサルティングへ入社する運びとなりました。
―代表にはどのような経緯で就任されたのですか?
自分の成果が認められたことが大きいと感じています。見せていないですが、結構地道な努力をしてきましたし、様々なことを学び続けました。社員が知っていることは全部自分も知らなければならないと思っているので、未だに勉強しています。
専門家であるなら、60歳になっても、70歳になっても、勉強はやっていかなければならない。資格取得時がピークであるべきではなく、常にアップデートする必要があると考えています。我々が学んだ知識とスキルは必ずお客様のために活かせるのでその気持ちを学び続け、成果を求めた結果今の立場に就かせていただいたと感じています。
―山田先生にとって仕事のやりがいを感じるときはどんなときですか?
仕事を通じて、自分では経験できないすごい世界を知ることができることに非常にやりがいを感じます。知らない世界を見せてくれるお客様一人一人が私にとっての大切な宝物です。
そんなお客様のために、自分の知恵でアドバイスや解決策を示すことができて、お客さんからありがとうと言ってもらえる。こんないい仕事が他にあるのか?と思います。
金融機関に勤めていた時の同期たちと話をしていると、仕事の話をしなくなるんです。それは歳を重ねる毎に感じます。ただ私は50代になっても楽しく仕事をしています。
そして仕事が楽しいと言い続けられる人生の方が絶対に幸せだと思います。タクトコンサルティングではそれが実現できます。
20代〜40代を先を考えずにそのまま流れにまかせて過ごすと、面白くない50代になると思います。今、仕事と人生が楽しいと実感できるのか否かは、20代〜40代にどれだけ頑張れたかです。学び続けることを止めず、自分の知識を増やしていくことを大事にした先に、楽しい人生と50代が待っていると思います。
ー山田先生が描くタクトコンサルティングの将来像
質の高いサービスを提供できる強い集団を作っていきたいと考えています。仕事をやるからには迅速に、しかし手間暇かけてしっかりと行い、貰うところは貰う、安さを売りにするのではなく、質の高いものを着実に届けるということを大切にした集団にしたいと考えています。
タクトは基本的に自由な組織です。そして自由に働くためには、お客様に価値を提供し続ける義務と責任があります。そのための人材の確保や育成には今後も力を入れていくつもりです。
そして定年制度というものを無くしていきたいとも考えています。年齢で制限をつけるのではなく、自分の能力が売れる間は70歳過ぎても自分が好きなだけ働ける環境を作りたいと思います。せっかく税理士として、専門家として働くことを選択したのなら、努力が報われるような仕組みにしていきたい。従業員への報酬が高くて、働きやすくて、やりがいのあるそんな組織を実現していきたいと考えています。
― HUPRO読者に向けてメッセージをお願いします。
会計士や税理士、士業人は、その資格一つで立派な職業です。だからこそどのように働くかを徹底的に考えてほしい。現状に迷いがあり、少しでも違うなと思ったら迷わず新しい環境を探すこと。そして変化を恐れずに挑戦することをお勧めします。税理士・会計士になって環境に不満を抱えながら1つのところにずっといるのはもったいない。士業として資格を取れて実力がついたということが証明されたのであれば、自分の納得のいく環境と働き方を探すべきだと思います。その選択肢の一つとして、独立するのも一つだと考えています。
何よりも専門家として学びをやめないこと。そして年齢などで自分の可能性を決めつけないことが重要だと思います。専門家に限界はありません。常に成長を止めず進み続けましょう!
ー本日はお話いただき誠にありがとうございます!
本日お話しをお伺いした山田氏が代表を務める
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