士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

32歳までに5社経験。「ビジョン」に基づき挑戦し続ける公認会計士・近藤敬吾さんのキャリアプランとは?

HUPRO 編集部
32歳までに5社経験。「ビジョン」に基づき挑戦し続ける公認会計士・近藤敬吾さんのキャリアプランとは?

早稲田大学 大学院会計研究科(通称・アカスク)卒業後、公認会計士として5度の転職を経て、現在はfreeeの支援実績全国1位・マネーフォワード支援実績全国6位(それぞれ取材日時点)のクラウド会計専門の会計事務所で活躍されている近藤さん。豊富な経験を生かし、SNSやYouTubeを通じた情報発信もされています。

今回は、そんな行動力溢れる近藤ケイゴ氏のキャリアを導く「公認会計士としてのビジョン」や今後の展望などについて、詳しくお話を伺いました。

【ご経歴】

</tr>
2012年 公認会計士試験 合格
2014年 早稲田大学 大学院会計研究科 卒業
2014年 有限責任監査法人トーマツ
2016年 KPMG税理士法人
2017年 税理士法人古田土会計
2017年 PwC税理士法人
2018年 有限責任監査法人トーマツ
2021年 税理士法人クラウドフォーカス

公認会計士資格取得までの道のり

―公認会計士を目指したきっかけを教えてください。
「公認会計士」という資格の存在を知ったのは2007年の高校3年生の秋でした。ある日、担任の先生がお休みで代理の先生がいらっしゃったことがあったのですが、その時に「今は公認会計士の時代や」というお話をされたのです。それで興味を持って調べてみると、やりがいもあり、安定性もあり、仕事上の選択肢も多くて、すごくいい資格だな、目指してみたいなと思いました。

ただ当時、自分は理系選択でした。「理系で進学すると資格勉強ができない」という風にその先生はおっしゃっていたので、その時に決心し、高校3年生の秋に文系へ文転しました。そこから大学は公認会計士とリンクする経営学部や商学部に絞って勉強し、無事合格できたという形です。

―大学時代、公認会計士の勉強はどのように行いましたか?

大学1年生の5月に簿記3級、その半年後の11月には簿記2級を受けました。そこまでやって周りをふと見たときに「せっかく東京の大学に来たのに、キャンパスライフを楽しんでいないな」と思い、1年間は大学生活を謳歌しようと決めました。そこからバレーボールサークルを立ち上げてたっぷり楽しみました。

そうして十分楽しんだ後、2年生の終わり頃から会計士に向けて勉強を再開し、Wスクールという形で専門学校にも通い始めました。そうして3年生のときに1次試験に合格。4年生に2次試験を受けましたが、このときはだめした。その後大学院に進学し、1年生のときにもう一度2次試験を受けて合格しました。

―大学院で公認会計士に合格されたのですね。院に進学されたのは資格をとりたかったからですか?

絶対に公認会計士の試験に合格したかったので、大学院は両親に無理を言って通わせてもらいました。
3年生のときに1次試験に受かって、2次の論文試験はそこからあと3回受けられますが、3回目で落ちるともう一度1次試験を受け直さないといけなくなります。1次試験の合格率が結構低かったので、もう1回受けるのはつらいなと思っていました。

大学4年生で1回、大学院1年で2回、2年で3回目を受けるというプランでしたが、もしそれ以上長引いても大学院を卒業したら1次試験の科目が一部免除になります。もしそうなっても、もう一つの科目が僕の得意な科目だったので、そこで絶対いけるなと考えていました。

―勉強する上で苦手な部分はありましたか?そしてそれをどのように克服されましたか?

丸暗記が苦手だったので苦労しましたね。対処法としては、まずは全体を理解し、暗記しないといけない部分はできる限りシンプルに覚えるところから始めるようにしていました。

例えば「資産の定義」であれば、まずは「資産とは経済的資源である」と覚える。その後は「どんな経済的資源か?」という風にどんどん自問自答するようにして詳しく覚えていくやり方だと、意外とスムーズに覚えられました。
あとは計算問題も、苦手というか、長時間勉強するのが難しかったです。だから「いつ計算問題を勉強するべきか」を考えました。結局一番朝に頭がスッキリしているので、「苦手なものは朝にやる」っていうのをルーティーンにしていました。

「ビジョン」を軸にしたキャリア選択

「ビジョン」を軸にしたキャリア選択

―大学院卒業のキャリアについて教えてください。5社経験されているとのことですが、仕事内容に異なる点はありましたか?
会計、監査、税務あたりを一通り、会社ごとに対象となるお客様を変えながら、という形です。今も中小企業向けの税務や、フェローのような仕事などをしています。

―最初から様々な会社を経験するつもりでしたか?
こんなに転職するとは思っていませんでした。最初あまり何も考えずに大手に行って、1年くらい経った時に「本当にこのままでいいのかな」と考えるようになりました。やはり「独立」っていうところと比較すると、全然近づけていないなという自覚がありました。1社にこだわって続けていれば税理士法人などへの「異動」もあるかもしれませんが、そんな機会を待っていたら何年経つかわかりませんし、自分で転職した方が早く経験が積めるなと思って。いろいろなご意見があると思いますが、僕はそういう考えでやってきました。

―転職を決意した理由はどんなものでしたか?また、経験豊富な近藤さんから見て、転職を考えるポイントなどはありますか?
僕はずっと「独立して中小企業の方や、個人事業主の方をサポートしたい」と思っているので、それをメインとし、念頭に置きながら行動してきました。
まず「自分がどうなりたいか」「どういう仕事をしたいか」とか「どういうお客さんと接したいか」というところを決めて、そこから考える方がいいかなと思います。

―「中小企業」「個人事業主」を対象にしたい理由を教えてください。
そもそも、友人や知り合い、飲み屋でふらっと出会った人が相談したくなるような雰囲気でありたいなと思っています。中小企業だと直接相手にするのが社長さんで、そうした方と身近にお話ししたいですし、スピード感を持って仕事に接していけるところも魅力です。

あとは僕の父親が個人事業主で、確定申告の時期に夜な夜な申告作業をやっているのを知っていたので、そうしたこともサポートできるようになればいいなと思ったのも理由としてはあると思います。この理由については父には言っていないです(笑)

―では、今現在のお仕事について教えてください。

―では、今現在のお仕事について教えてください。
「所属会計士」という立場で、記帳代行や決算申告の業務だけでなく、新規営業をしたり、会計ソフトの使い方をご指導したり、導入支援をしたりすることも担当しています。いろんな事務所を検索する中で、何かに特化している事務所で学びたいなという気持ちが湧いてきました。そこでこういう革新的なツールであるクラウド会計に特化するという選択肢も新しいなと思って、身を染めようと決めました。

また、営業についてはそれまで経験がなかったので、やってみたくて仕方なかったです。だから入社2週間で代表に「営業をやらせてください」と伝え、実際に契約もいただきました。

これについては、入社2週間だったから言えたこともあったと思っています。「自分がお客さんなら絶対この事務所と契約するな」っていう下調べがあった上で入社していたので、お客さん目線でどういったニーズがあるのかということを踏まえて、ご案内できたのではないかと自己分析しています。

―今のお仕事のやりがいはどんなところにありますか?
「最新のクラウド会計を導入はしたいものの、わからないところがある」というお客様が気軽に聞いてくださって、それに答えることで感謝されるのが嬉しいですね。自分が営業してご契約いただいたお客様をそのまま僕が担当することもあるので「まずはご契約ありがとうございます」とこちらは感謝しているのですが、そこからの関係性の中でさらにお客さんからも感謝してもらえる、というところにやりがいがあります。

その代わり、何でも知っていないといけないので、そこが嬉しい悲鳴になっています。お客様の知識レベルをまず理解した上で、説明をカスタマイズすることが求められる点において、今までにないスキルが重要になるなと感じています。

今後のビジョンについて

今後のビジョンについて

―今後のキャリアやビジョンについて教えてください。

基本的に公認会計士を目指したあの頃と変わらず、5年後も10年後も「公認会計士としてお客様をサポートする」というビジョンは変わりません。

それを実現するのに、この組織のままいくのか、独立して自分でやっていくのかという方法に違いはあると思いますが、「こうありたい」というのはずっと変わらないですね。
そこに向けて、クラウド会計のようなツールを駆使することを強みに、お客様の悩みにリアルタイムで答えていきたいなと思っています。

あと仕事は自分の時間を占める割合が大きいものなので、わくわく楽しく働けるようにしたいですね。

またYouTubeに関しては「身近なお兄ちゃん」的な感じで情報共有していけたらいいなと思っています。僕が勉強している当時、周りに会計士がいなかったので、情報が全然ありませんでした。僕が当たり前のようにやっていたことでも、知らない人にとっては情報の価値があると気がついたので、少しずつ情報提供ができたらなと思います。

―公認会計士としてのキャリアに迷っている方に向けてメッセージをお願いします。

僕は「年収が上がること」だけではなくて、やりたい仕事へ転職できた場合も「キャリアアップ」だと考えています。だからすでにキャリアを描けていて、その通りにいかないことに悩んでいるなら、キャリアがより実現できるところに移るのもひとつだと思います。

自分の組織内に目指すキャリアの人がいて、例えば海外駐在で今行っている人が何年目で、何年後に戻ってきて、そのころ自分はどれくらいの職位で、何人くらいライバルがいて…と考えていくと、自分がどう行動すべきかが少しずつ見えてくるはずです。

そもそもどんなキャリアを描こうかと考えている場合は、まずいろんな方の話を聴いてみるのが大事です。特に「なぜそのキャリアを積まれてきたか」「お客様にどういった価値を提供したいか」というその「思い」の部分を聞いて、そこに共感できる方のキャリアを参考にして考えてみるのがおすすめです。

―本日はお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

―本日はお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

今回インタビューさせていただいた
近藤敬吾先生のYouTubeはこちら Twitterはこちら

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINEを運営している株式会社ヒュープロ編集部です!士業や管理部門に携わる方向けの仕事やキャリアに関するコラムや、日常業務で使える知識から、士業事務所・管理部門で働く方へのインタビューまで、ここでしか読めない記事を配信。
カテゴリ:キャリア

おすすめの記事