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「ITベンチャーから税理士へ」「大手予備校講師から、税理士へ」異なる境遇の二人が語る税理士業界の魅力

HUPRO 編集部
「ITベンチャーから税理士へ」「大手予備校講師から、税理士へ」異なる境遇の二人が語る税理士業界の魅力

あいわ税理士法人で働く税理士の永沼氏と後藤氏。
商業高校出身で専門学校の講師経験もある永沼氏と、前職でITのベンチャー企業に勤めていた後藤氏はまったく違う経歴を辿って税理士になられましたが、今は同じチームとして一緒にお仕事をされています。今回はそんなお二人に、税理士を目指したきっかけや仕事のやりがい、あいわ税理士法人との出会い、将来のキャリアなどのお話を伺いました。

【ご経歴】

後藤氏

2009年 新卒でITベンチャー企業へ入社
2016年 あいわ税理士法人への入社
2019年 税理士試験 5科目合格 現在に至る

永沼氏

2001年 資格専門学校での講師を始める
2006年 税理士試験に合格
2008年 会計事務所へ入社
2019年 あいわ税理士法人へ入社 現在に至る

「最難関」だからこそ目指したい資格

HUPRO編集部(以下、―)

―税理士を目指したきっかけについて教えてください。

(後藤氏)
私は大学時代、あまり真面目に勉強に取り組まずに留年してしまった経験があります。その反動もあり、社会人2年目のときに「勉強して資格を取りたい」と思うようになりました。資格学校に行って税理士のパンフレットを見たときに「税理士は働きながら目指せる資格の中で最難関の資格」と書いてあったのを見て、どうせなら最難関を目指したいと思ったのがきっかけです。

また、税理士は社会的ステータスが高いイメージがあり、税理士の資格を取れたら単純にカッコいいな、という漠然とした想いも持っていました。

(永沼氏)
私は商業高校に通っていましたので、当時から税理士という職業は知っていました。簿記の勉強をしているうちに、会計の最高峰とも言える税理士を意識するようになり、本格的に税理士を目指すことにしました。税理士の「自分の力で仕事をできる」という部分にも魅力を感じていましたので目指してみようと思いました。

-本格的に資格試験の勉強を始めた時期と最初どんなお仕事につかれましたか?

(後藤氏)
社会人2年目のときに資格学校に通い始めてから、本格的に勉強を始めました。新卒当時は、ライブドアの堀江社長やサイバーエージェントの藤田社長がよくメディアなどで取り上げられていたのを見て、憧れを抱きました。新しいものを作る、若いうちから色々なことを任せてもらえるといった社風の会社を探していました。

ベンチャー企業であれば自分の成長スピードも早そうだと感じたので、新卒でITのベンチャー企業に就職することにしました。就職した当初は税理士という選択肢はまったく頭にありませんでした。

(永沼氏)
元々商業高校で学んでいたこともあって、その後は専門学校で継続して税理士を目指すことになりました。最初の仕事は、専門学校の講師。私が通っていた専門学校から講師として働かないか?とお誘いがありましたので、その学校で講師として働くことになりました。

-資格取得までどれぐらいの期間がかかりましたか?

(後藤氏)
私は、通算9年間かかりました。
先ほどもお話したように大学を留年してしまった経験もあり、どうしても頭を勉強モードに切り替えられず、最初の2年は勉強があまり捗りませんでした。

最初の2年間は不合格で、3年目に財務諸表論、4年目に簿記論、5年目は不合格、6年目に国税徴収法、7年目は不合格、8年目に法人税、最後に9年目で消費税法に合格したという流れです。合格できたときは、とにかくホッとしました。

(永沼氏)
私は通算8年間かかりました。
専門学校で講師として働きながら試験の勉強を続けて、残りの科目を受験していくような流れですね。

-資格試験の勉強で苦労されたことは?

(後藤氏)
やはり働きながらの勉強だったので、計画的に進めていくことに苦労しました。そのため平日は仕事と両立し、土日は学校に通って勉強をするというサイクルで勉強を進めていきました。また予備校でのテストは必ず受けるようにして常に自分の現状の把握を行いました。他にも雑誌の合格体験記を見て、そこに載っていた勉強方法を真似するなどやれることは全て行いました。

(永沼氏)
講師の仕事と自分の勉強のバランス配分が難しかったですね。講師業はあくまで受講生優先。教えることがメインなので、そこを疎かにすることはできませんでした。そのため、電車に乗っているときなどの隙間時間も欠かさず勉強して、メリハリをつけるように意識していました。

「自らの成長」を引き出す、あいわ税理士法人

-転職をするに至った経緯を教えてください

(後藤氏)
前の会社に在籍しているときに税法の試験を初めて受けたのですが、まったく歯が立たず「このままだと税理士試験に合格できない」と感じました。
IT業界は仕事が激務なうえ、仕事では会計業界の知識はまったく養われません。

また子どもが生まれたこともあって、生活を見直す必要があるなと感じました。ワークライフバランスも考慮し、思い切って会計業界に飛びこみ、本格的に税理士を目指すことにしたんです。

(永沼氏)
専門学校の講師として働きながら税理士の資格をとった後、老舗の税理士法人で10年間働きました。実務経験は全くありませんでしたが、入社直後からお客様を担当していましたので、苦労しました。しかし自然にお客様のために何をすれば良いか、自分に何ができるかを考えるようになり、良い経験になりましたね。
主に上場会社や中堅企業の税務顧問を担当させてもらっていましたが、税理士法人全体としては、記帳代行などの業務が中心でしたので、「自分の成長」という点では、次第に限界を感じるようになりました。

お客様の事業規模が拡大し、M&Aや海外展開などもしていくわけですが、それに伴って税務に関する問題もより難しく、金額的インパクトも数百万、数千万から数億円単位と大きくなります。このままでは、お客様の成長に私の専門家としての成長が追いつかなくなると強い危機感を持つようになり、環境を変えようと転職活動を始めました。

-あいわ税理士法人の魅力はどんなところですか?

(後藤氏)
まず、雰囲気が良いと感じます。
私は業界未経験なので他との比較はできませんが、面接を受けた際も、規模の割にアットホームだなという印象を受けました。

(永沼氏)
『税務通信』などであいわの人が書いた記事を読んでいましたので、面接の前から存在を知っていました。当時から専門性の高さは認識していました。
また、面接で代表の杉山と話した際に「あいわはIPO準備会社のクライアントが多く、あいわ自身も成長している。ここなら自分も成長できる」と感じました。

実際、クライアントも成長意欲が高い会社ばかりですし、あいわのメンバーも専門性の高い人、M&A仲介会社で働いていた人など他業種での経験を持っている人がいて、とても刺激的でおもしろいですね。個性的で魅力的な人が集まっているところがあいわの魅力でもないでしょうか。

税理士として自分の知識がお客様の役に立つ喜び

-どういった業務に取り組まれていますか?

(後藤氏)
現在、「シニアスタッフ」という職位について業務に取り組んでいます。上席の方と2名以上でチームを組んで、25社ほどのお客様を担当しています。私は永沼を始め複数の方とチームを組んで、会計帳簿のレビュー、四半期決算、本決算の申告書作成や日々の税務相談の対応などに取り組んでいます。

(永沼氏)
私は責任者として上場会社、IPO準備会社などの税務顧問を行っています。また、IPO準備会社に対しては、税務だけでなく資本政策の立案等も行います。資本政策の立案は、社長と上場に向けて、株主構成や取締役、従業員に対するストックオプションの付与をどうするかなどを検討します。資本政策の立案では、法務など税務以外の知識も求められます。その他にも組織再編スキームの提案、連結納税制度の導入支援などスポット業務を行うこともあります。

-どんなときに仕事のやりがいを感じますか?

(後藤氏)
やはり、お客様に感謝された時にやりがいを感じます。
私たち税理士が持つ税務の知識は学校では習わないので、税理士試験の勉強などをしないと身に付きません。その知識を提供して、お客様の代わりに申告書を作ったり、疑問を解決したりしたときに、感謝していただけるのは純粋に嬉しいなと感じます。

(永沼氏)
IPO準備会社などを担当しているので、お客様が上場できたときは私も嬉しいです。「私が関わったことで、多少なりとも上場に貢献できたのかな」と思えるところにやりがいを感じます。多くのベンチャー企業が上場を目指していますが、やはり上場できるのは、わずかな会社です。そのため、無事に上場できたときは、ほっとする気持ちも大きいです。上場する会社の総数が年間100社くらいという中で、あいわは5社~6社、10社とお手伝いさせていただいています。

-苦労されたこと、エピソードなどはありますか。

(後藤氏)
上場会社、上場準備会社は決算スケジュールがとてもタイトで、資料を頂いてから丸二日で税金計算をしなければならないこともあります。そんな中で他のお客様から質問などが来るとバタバタとしてしまうのが苦労する部分です。

3月決算が多いので、特に4月中旬は最も忙しい時期です。昨年は決算スケジュールが重なったお客様も多く、その時期は遅く帰る日が続いたこともありました。

(永沼氏)
私が上場前から担当していた会社があるのですが、上場するにあたって税務会計の決算書から企業会計の決算書に修正する必要があります。その修正が確定申告の時期と重なってしまい、申告期限直前に過去3期分の修正申告の依頼が来た時は非常に大変でした。「明日までにやってほしい」とご依頼いただいたので、非常に短納期で難易度の高い仕事だと思う反面、私がIPOに貢献するチャンスだとも思いました。さすがに納期は1日伸ばしてもらいましたが、修正申告も、確定申告も無事終わらせることができ、当時のことは、上場が決まった時に会社の方からとても感謝していただけました。

チームでお互いの仕事を支え合える組織作りを

-今後の5年後、10年後のキャリア展望をお聞かせいただけますか。

(後藤氏)
一人前の税理士として、自信を持って活躍できるようになりたいです。
私は業界に入って5年目で、税理士になってからはまだ1年も経っていません。
取引先から先生と呼んでいただけることもあるのですが、まだ胸を張って先生と言える立場ではないと感じています。

あいわで働いている方の全体の7~8割は税理士で、税理士暦も10~20年と長い方が多くいらっしゃるので、先輩方の背中を追いかけ、少しずつ知識を積み重ねて、税理士として一人前になることを目標にしています。
まだ知識も足りませんし、お客様への伝え方や説明の仕方もこれから勉強していかなければならないと思っています。

(永沼氏)
漠然としていますが、5年後は私の知識や経験を後藤や他の後輩に伝えていき、チーム全体で質の高いサービスを提供したいと考えています。後藤の成長を後押しして、後藤がより価値のある仕事をし、お客様から感謝されるよう、サポートしていきたいですね。

-HUPROマガジンの読者の方にメッセージをお願いします。

(後藤氏)
私は30歳を過ぎたときに、異業種から会計業界に入りました。20代のうちに転職していたら、もっと早く知識が積み上がっていただろうなと思うことがあります。私のように異業種にいて、これから会計業界に転職しようと悩まれている方は、早ければ早いほど良いと思います。

また、税理士としてのキャリアは多岐にわたりますが、色々なことに挑戦することが大事だと思っています。税務は本当に奥が深いので、挑戦していく中で遠回りだと感じることもあるかもしれませんが、一つ一つの経験を通して確実に税理士としてのキャリアは積み上がっていきます。失敗を恐れずに様々なことに挑戦して、知識を積み重ねていくことを意識できるような税理士を目指していただきたいと思います。

(永沼氏)
税理士は思った以上にストイックな部分があって、私はアスリートと同じようなイメージを持っています。一流のアスリートは常日頃から自己研鑽に努め、試合で最高のパフォーマンスを発揮することにより結果を出し、高い評価を得ます。税理士も同じで、日々、専門性を高め、その専門性をお客様に価値ある形で提供することで、感謝していただくことができます。専門家としても評価されます。税理士はアスリートと同じく魅力的でやりがいのある仕事だと言えます。

一人前になるためには時間がかかるのはもちろんですが、自分で自分の課題と向き合って成長していこうという方には、税理士は魅力的な職業ではないでしょうか。厳しい部分がある反面、必ずリターンがあります。自分の成長と会社の成長がリンクして感じれることも税理士の魅力だと思うので、是非みなさんには思い切ってこの業界に足を踏み入れて欲しいです。

ー本日はお時間いただき誠にありがとうございます。

本日お話しいただいた、後藤氏・永沼氏が在籍する

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この記事を書いたライター

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