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営業マンから税理士業界へ。常にお客様と真摯に向き合い、サポートを続ける税理士法人ダヴィンチ代表の渡邊 正樹先生のこれまでのキャリアとは?

HUPRO 編集部
営業マンから税理士業界へ。常にお客様と真摯に向き合い、サポートを続ける税理士法人ダヴィンチ代表の渡邊 正樹先生のこれまでのキャリアとは?

大学卒業後、一般企業に就職し営業職をされていた渡邊先生。営業マンとしてキャリアを積む中でお金に関する相談を受けるようになり、お金に関わる仕事に興味を持ち、税理士資格取得を目指して勉強を始められました。
未経験で始まった渡邊先生の税理士業界でのこれまでのキャリアについてHUPRO編集部がお話を伺いました。

営業マンから税理士業界へ

―渡邊さんが税理士を目指したきっかけを教えてください。
税理士になる前は、大学卒業後一般企業に就職し営業マンをしていました。中小企業のオーナーさんに対してフランチャイズを展開し、売上を上げるための提案をするというような仕事をしていました。そこでお客様と仲良くなっていくうちに、お金の面の相談を受ける場面が出てくる様になり、お金に関わる仕事に興味が出てきました。

ある時、私の担当しているお客様が資金繰りに行き詰まり、夜逃げをしていきなりいなくなったことがありました。その時に、お金に苦しむ人をもっと助けることができたらと、お金の面の勉強をしなければという思いで税理士の勉強を始めました。

―税理士になろうと、全く違う業界での資格所得では大変苦労をされたと思います。一番苦労した点を教えてください。
28歳くらいの時に転職活動を始めました。はじめは知識が全くない状態でもちろん受験経験も会計事務所での勤務経験も無かったため、転職先を探すことがとても大変でした。働き先は見つかってもお給料があまり良くなく、年収も下がりました。当時は生活がかなり厳しかったです。

―生活が厳しくなっても税理士になりたいという思いに変化はなかったのですか?
そうですね。逆にその状況がばねになりました。一刻も早くこの生活を脱しないといけないという意識が生まれました。

―税理士試験の勉強方法はどのようにされていましたか?専門学校などに通われましたか?
専門学校には通いました。トータルで9回受験をしたので、9年くらい通いました。専門学校に通いながら事務所で仕事をするという、勉強と仕事の両立が大変でした。

―勉強と仕事の両立で工夫した点は?
朝の時間を使うようにしていました。出勤する会社の近くのカフェで朝7時から出社ぎりぎりまで勉強するというのをずっとやっていました。家にいると勉強に集中できないので、外に出て学校やカフェで勉強をしていました。家が居心地よくなってしまうと家に帰りたい気持ちが出てしまうため、極力家を居心地良くしないようにしていました。ソファなどゆっくりできるスペースを作らないなど、休みの日も家にいてもくつろげないようにしていました。

未経験で始まった税理士業界でのキャリア

―税理士試験に合格後、最初のキャリア選択はどのようにされましたか?
受験中に勤めていたところにそのまま勤務しました。その事務所にはトータルで6年間務めました。

―試験に合格後、他の会計事務所に勤務する選択肢もあったと思いますが、もともとの職場に留まった理由は何ですか?

新卒ではない状態での受験で年齢的な面と、未経験であったため転職先はとても見つけにくかったです。その事務所にはそんな中でも採用してもらったという思いが強く、貢献したかったという気持ちがありました。

―6年間の会計事務所での経験で今に活きているところはありますか?
当時の事務所の所長が確定申告のやり方など社内マニュアル的なものを細かくわかりやすく作っている人だったため、今でもそこでのやり方を参考にして仕事しています。

―ホームページに“日本一敷居の低い税理士事務所”とありました。この考えはどこからですか?
会計の業界に入った時に、お客様に対して若干上から目線の雰囲気があるのが気になりました。なので、自分が事務所をやるときはそういう雰囲気をなくしたいと思いました。先生業というよりはサービス業という位置づけでやっていきたいと思ったからです。

―税理士法人の代表をされていますが、どういったお仕事をされていますか?
入力やお客様対応はスタッフに依頼していく形に切り替えている状況です。私は主にスタッフの育成、組織づくりに力を入れています。

―お客様はどのように得ていきましたか?
基本的にはほとんど紹介です。お客様がお客様を紹介してくれたり、他の士業さんや保険さやんなどからの紹介です。人と人との繋がりで成り立っています。

―スタッフはどれくらい?男女比は?
6人。男女比は半々です。

―スタッフの育成は苦労することが多いと思いますが、どういった点で苦労されていますか?
スタッフ育成は自分の理想の通りにはなかなかいかないことも多いです。スタッフのモチベーションを上げながら同時に仕事も覚えて上達してもらうというのは簡単なことではありません。人それぞれ伝え方も変えないといけないし、能力値も違うため一番苦労しています。

あと、弊社では資格取得を応援していて、スタッフの勉強用として近くのレンタルオフィスを借りています。出社前や出社後、土日なども使い放題なのでスタッフからは好評です。みんな毎日利用してくれています。

―スタッフのモチベーションを上げるために工夫している点や伝え方について教えてください。
月に1回は各スタッフと個別で振り返りのミーティングをしています。1カ月を振り返ってもらって、そこではできたことを積極的に褒めるようにしています。簿記や試験の勉強についての話を聞き、個人の目標を把握し応援する体制をとっています。スタッフはモチベーション高くやってくれていますね。

―渡邊さんにとって税理士業界のやりがいは何ですか?

―渡邊さんにとって税理士業界のやりがいは何ですか?
お客様に感謝されるという点です。営業の時は商品を売り、買って頂くという、ある種、お互いが向かい合うような関係性でしたが、税理士の仕事ではお客様と自分たちが互いに同じ方向を向きサポートし、感謝され、お金がもらえるという点でやりがいを感じます。

―営業の時も感謝されることがあったと思うのですが、営業のお仕事と税理士のお仕事どちらが好きですか?
税理士の場合は本当に困っている人を助けるという形の仕事なので、お金をもらう価値を感じやすいのは今の仕事かなと感じます。

―5年後、10年後どのようになっていたい?
現在の事務所は弁護士法人と一緒にやっていますが、今後は例えば社労士、行政書士、司法書士さんと連携して、ワンストップでできるような複合的な事務所にしていければいいなと思っています。お客様から給与計算や労務的な相談を受けることが多いので、すぐにお答えできる体制がとれればと思います。そうすることで、お客様満足度の向上にも繋がっていけばいいなと考えています。

―そうなってくるとスタッフ育成なども大変になってきますね。採用の面でどこを見ているとかありますか?
一番は前向きに成長したいという気持ちがあるかどうかが一番大事だと思っています。スタッフと共に一緒に切磋琢磨してくれそうな人が良いなと思います。

人生をやり直せたとしても、また税理士を目指したい

―キャリアに関して悩まれている方へメッセージをお願いします。税理士業界の魅力は?
私ももともと営業マンで全く未経験でこの業界に入ってきました。営業マン時代はざっくりと数字を扱っていたのが会計業界だと1円単位までしっかりとやらなければならないという大変さを感じることはありました。

大変ですが、コツコツやれば受かる試験だと思います。努力型の試験なので、頭の良し悪しというよりはきちんと時間をかけてコツコツやった人が受かる試験だと思いますので、あきらめずに続けられる人が受かります。モチベーションを落とさず努力を続ければ必ず結果がついてきます。

リターンが大きい資格でもあると思います。資格が取れれば、学校に通学するためにかかった費用なども充分ペイ
できるのではないかと思いますので、頑張ってください。
モチベーションを保つにはお金も、自己成長の機会も、自分の存在意義も重要です。

―今後税理士業界で開業などのキャリアアップを考えている人に向けて激励の言葉をお願いします。

税理士は独立しやすく、他の士業と比較しても安定しておりニーズがあります。自分がもし税理士じゃなかったとして、今二十歳に戻ったとしても、資格を取るとしたら税理士が良いなと思います。感謝されるということ、継続的にお客様と繋がれる点が魅力的な仕事です。

―税理士になりたくて勉強している人に一言お願いします。
勉強で一番意識していたのは、出来るだけモチベーションの波を作らないようにすることでした。今の時期は試験前なのでけっこう自分を追い込んでモチベーションが高い時期だと思いますが、試験が終わったとは一気に力が抜けてしまってモチベーションが下がります。波ができてしまう。波をあまり作らないようにした方が良いと思っています。短期的な目線ではなくて長期的な目線で勉強を進めていくということが一番大切かと思います。

 
―本日はお話を聞かせていただきありがとうございました。

今回インタビューさせていただいた
渡邊 正樹先生が代表を務める税理士法人ダヴィンチのHPはこちら

この記事を書いたライター

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