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簿記2級・3級ネット試験とは?ペーパー試験との違いも解説!

HUPRO 編集部
簿記2級・3級ネット試験とは?ペーパー試験との違いも解説!

2020年12月からはじまった日商簿記検定のネット試験。受験後すぐに合格判定が出ます。2021年6月試験からは、統一試験もネット試験に合わせて時間が90分、5題以内に変更になりました。この記事では、簿記検定のネット試験について解説。難易度や勉強方法について解説いたします。

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簿記検定ネット試験(2級・3級)とは?

日本商工会議所が実施する「日商簿記」は、数ある資格の中でもトップクラスのメジャー資格。これまでは年3回の日程で、決まった会場でのペーパー試験でしたが、2・3級については、2020年12月からネットで統一試験前後日程以外のほぼ毎日(会場によって実施日が異なるため要確認)受験できるようになりました。簿記1級については、ネット試験の対象外です。

ネット、といっても自宅ではなく、全国にある指定会場での受験です。

出典:日商簿記 CBT

詳しい受験の流れや会場の空き情報など以上のサイトから確認可能です。

ネット試験は、その場ですぐ結果がわかり、申し込み日から3日目以降(例:10日申込の場合13日以降)の予約が可能です。つまり、勉強した記憶やモチベーションが薄れないうちに何度でもチャレンジできます。

簿記2級・3級のネット試験概要とペーパー試験との違い

受験資格

ペーパー試験と同様に、受験資格は特にありません。年齢制限もありませんので、高校生でも受験できます。

試験日程

簿記2級のネット試験は、2020年12月21日から実施しています。
テストセンターが定めた日程でいつでも受験可能です。
年3回実施されるペーパー試験と違い、いつでもチャレンジできる分、勉強計画をしっかり立てないといけません。
より個人の強い意志が求められる実施方法といえるでしょう。

簿記2級については、2021年2月28日に実施の第157回簿記検定試験をもって、現行制度のみの試験は最後、以降は以下の3つの方式となります。

(1)これまでの全国統一日で実施する「統一試験」(これまでの集合試験)
(2)随時パソコンで実施する「ネット試験」
(3)企業・教育機関等に出向いてペーパー試験を実施する「団体試験」

今後の受験日程などについては、日本商工会議所のWEBサイトを確認しましょう。

試験会場

ネット試験は自宅ではなく、全国のCBTSテストセンターで受験ができます。

全国114カ所の試験会場で受験可能です。

PCはテストセンターにおいてあるPCを使います。計算用紙と筆記用具がその場で配布され、電卓以外は持ち込みのものを使うことはできません。

参照:日本商工会議所 日商簿記検定ネット試験を開始いたしました

申し込み方法

簿記2級のネット試験は、事前に試験の予約が必要です。試験日の翌日より、次の予約が最短3日後以降で可能になります。

詳しくはこちらのリンクからご確認ください。

試験時間

これまで簿記検定2級は120分だったのですが、ネット試験への移行により90分に変更なります。120分の試験は、2月に実施予定の現行試験(今後は統一試験と呼称変更)が最後です。

試験内容

簿記2級のネット試験では、受験者ごとに異なる問題が出題されます。出題範囲は、ペーパー試験と同様です。カンニング防止にはなりますが、逆に出題予想が立てづらくなったともいえるでしょう。

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出題形式

ネット試験の場合は、仕訳問題は選択式(プルダウン方式)です。これまで漢字の長い勘定科目を記入していた手間はなくなりますが、科目選択は正確に確定させることが必要です。入力エラーがないようにしましょう。
また、プルダウンだけでなく、金額や勘定科目名を入力する問題も出題されます。

参照:日本商工会議所 日商簿記検定試験(2級・3級)ネット試験をご受験される皆様へ(必ずご一読のうえ、ご受験ください)

合否発表とデジタル合格証

ネット試験の場合は、試験終了後に自動で採点され、その場で合否がわかります。合格者はデジタル合格証をその場で受領できます。カードタイプの合格証は発行されません。

デジタル合格証は、試験結果画面の二次元コードを合格者がスマートフォン等の機器で読み込み、ダウンロードして取得する仕組みです。試験終了後すぐに合格証の受領・常時携行が可能になります。

ペーパー試験の場合は、試験日の数ヶ月後に合格発表があります。ネット試験なら、合格までやきもきする気持ちを抱えることがありません。もし不合格だった場合は、その場で次の試験の申し込みもできます。

簿記2級・3級のネット試験の合格率・難易度は?

簿記2級のネット試験の合格率は、2020年12月~2021年3月で46.6%、2021年4月~9月で38.8%です。簿記3級のネット試験の合格率は、2020年12月~2021年3月で41.0%、2021年4月~9月で41.4%

出典:【日商簿記検定試験(2級・3級)ネット試験】受験者データを掲載しました

同時期に実施されたペーパー試験と比較すると、かなり合格率が高くなっています。

ネット試験が始まった当初は、ネット試験が90分、ペーパー試験が120分となっていましたが、現在ではどちらも90分です。試験範囲・出題形式も統一されているため、実質的な違いはありません。

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簿記2級・3級のネット試験はどうやって勉強すればいい?

簿記2級のネット試験については、まだ対応したテキストがないのが現状です。
しかし、範囲は一緒なのでテキストはそのまま使うことができます。問題は、過去問や予想問題です。統一試験の場合、各スクールなどで毎回出題予想を出してくれますが、ネット試験は、問題のバリエーションがあり、同じ受験会場でもみんな違う問題を回答します。

出題は毎回ランダムなので、統一試験のように「前回やその前の傾向~」といったものは存在しません。ヤマをかけづらいとも言えます。

ただし、前述のように「難解な計算問題などよりも基礎力が問われる」傾向が多く、最近では毎回みられる「難易度が高く見える意地悪なひっかけ問題」は出題されていません。過去問や応用問題を解くのではなく、範囲全体の基礎をまんべんなく理解しておくことが合格の近道と言えます。

ネット試験が「簡単」と思える方は、今まで簿記2級の内容をちゃんと勉強してきた人。そうした方にはペーパー試験のような番狂わせはなく、高得点で合格できます。
そこまで勉強していない方が「まぐれ」で受かることはあまり期待しないほうがよいでしょう。

簿記2級の勉強方法については、以下の記事も併せてご覧下さい。

簿記2級・3級のネット試験講座はあるの?

ネット試験について、対策講座を行っているスクールをまとめてみました。
ほかにも、YouTubeなどで無料解説を行っている講座などもあります。まずは情報収集を行ってみてください。

ネットスクール

従来試験とネット試験両方の対策セミナーを実施。サイトにて予想問題例なども添付されています。全てeラーニングで30,000円(はじめて受講する方・テキスト代込)

ネットスクール:日商簿記検定2級・3級新試験制度の概要と予想問題

資格の大原

ネット試験攻略セミナーを公開。PC上で本試験仕様の模擬試験ができるのがポイントです。模擬試験プログラム(3回9,800円(税込))と、統一試験も踏まえた合格コース(web通信で67,100円~)があります。

資格の大原:日商簿記検定ネット試験対策シリーズ

TAC

統一試験とネット試験両方対応の講座を開講。受験対策コースと、単科でオプション的に受講するコースがあります。

TAC:2級受験対策コース、オプション講座・単科コース

この記事を書いたライター

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