税理士業界で働いている人にとって、確定申告時期(2月〜3月)や三月決算法人の税務申告月(5月)は多くの残業が発生しますから、税理士試験との両立を図りながら働いている人にとってはかなり業務負担の大きくなる時期でもありますね。
しかし、繁忙期が常識のようになっている税理士業界においても、残業なしを実現することは決して不可能ではありません。
この記事では、税理士や税理士補助がワークライフバランスを保ちながら働くための具体的なポイントについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。
残業が少なく、ワークライフバランスを保ちやすい事務所を見つけるためには、以下のようなポイントを知っておくと良いでしょう。
それぞれの内容について、順番に見ていきましょう。
まずは「職員一人あたりの担当顧問先が平均して何件ぐらいか?」に注目してください。
(こうした情報については、転職サイト上の募集要項で公開している事務所がある他、転職エージェントから事前に情報を得るなどの方法があります)
担当顧問先数は、平均的には15件〜20件程度が目安になりますが、これが30件を超えるとかなりの激務が予想されます。
その事務所の顧問先企業が、どのような業種や規模か?も注目ポイントです。
法人企業が顧問先のほとんどを占めている事務所と、個人事業主がほとんどを占めている事務所とでは、働き方に大きな差が出てくるのはまちがいありません(後者の場合、確定申告時期は相当な激務が予想されます)
また、会計事務所の中には「この業種には強い」ということで定評のある事務所も多くあります。医療法人の顧客を多く抱えているとか、社会福祉法人の顧問先が多いといったことです。
こうした得意分野を持つ事務所は収益力も高い傾向がありますから、福利厚生面でも有利な扱いを受けられる可能性があります。
「ここは良さそう」という事務所を見つけることができたら、ぜひその事務所の公式ホームページを確認するようにしましょう。
その事務所の公式ホームページは、その事務所が獲得したいと考えている「理想の顧客層」に向けて作られているはずです。
薄利多売でとにかく格安の顧問料で、多くのお客さんを獲得しようとしている事務所の場合、そこで働く職員には相当な激務が課せられることになるでしょう。
一方で、顧問先数は少なくとも、高単価かつ高付加価値なサービスを提供することを目指している事務所の場合、比較的バランスの取れた働き方ができる可能性が高いです。
ここまでみてきたような「応募先の事務所の生の情報」については、自分でインターネット上の情報から得ることはかなり難しいのが実情です。
自分たちの側から「うちの事務所は残業が多いです」なんてことをアピールする事務所なんて存在しません。
また、表向きには雰囲気が良さそうな事務所であっても、お金をかけて公式サイト等を作り込んでいるだけで、内情はブラック企業…などという場合も考えられます。
玉石混交のネット情報を頼りにするよりも、転職エージェントから情報をもらうようにしましょう。
転職エージェントは実際に求人を出している企業(事務所)に足を運び、採用担当者(所長税理士)と顔を合わせて採用したい人材像などについて確認しています。
といった「生の情報」を仕入れて教えてくれますので、ぜひ活用しましょう。
転職エージェントは「求職者の採用が決まったときに、企業側から紹介手数料を受け取る」というかたちでビジネスをしている会社ですので、仕事を探している人は無料で使うことができます。
合わないと感じたらいつでも利用をやめることができますので、利用にあたってリスクになることは基本的に何もありませんよ。
今回は、会計事務所で働く税理士・税理士補助の方向けに、残業なしの事務所を見つける方法について解説いたしました。
この業界では「繁忙期にある程度の残業が発生するのは避けられない」という常識が蔓延していますが、実際にはワークライフバランスの充実した職場もたくさんあります。
先入観にとらわれることなく、こつこつ求人をチェックしてみてください。
きっとあなたの希望に沿った事務所や企業の求人を見つけることができますよ。
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