転職する際は非常にさまざまな手続きが生じます。
転職先には年金手帳や源泉徴収票などを提出する必要がありますし、転職によって引っ越しをする際には市区町村に転入届の提出や住所変更の手続きなどを行わなければなりません。
そして転職をされた方や現在検討中の方の中には、ふるさと納税を行っている方もいらっしゃることでしょう。
そのような方は「ふるさと納税も転職した際に何か手続きが必要?」「控除額はどうなるの?」と疑問をお持ちなのではないでしょうか。
ただでさえ転職時には手続きが多いわけですから、できる限りその手間を減らしたいですよね。
そこで当記事では、転職した場合にはふるさと納税に関してどのような手続きが生じるのか徹底解説を行います。
まず最初にふるさと納税に関して簡単におさらいを行いましょう。
ふるさと納税とは自身の故郷や応援したい自治体に寄付をする制度のことです。
多くのメディアなどで各地方自治体のユニークな返礼品が注目されますが、最大のメリットは自分自身が望む自治体に税金を納めることができるようになることです。
なお控除額は年収によって上限が決まっているため、ふるさと納税を行う際はしっかりと上限の確認が必要です。
そのシミュレーションは以下のサイトで行うことができます。
そしてふるさと納税の手続きとしては「ワンストップ特例制度」が特徴としてあげられます。
これは「寄付金税額控除に係る申告特例申請書」に必要事項を記入して、寄付した自治体に送付するだけで税金の控除が受けられる制度です。
会社員の方であれば確定申告を行うことなく、税金が控除されて実質2,000円で各地方自治体の返礼品を受け取れるので、とてもお得な納税制度と言えますね。
さて、それでは転職した場合のふるさと納税の手続きに関して説明しましょう。
結論から申し上げると、その手続きは「退職して年末までに就職するかどうか」によって異なります。
もし退職して年末まで無職だった場合、会社から年末調整を行ってもらえないため確定申告を行わなければなりません。
よって、上記で説明した「ワンストップ特例制度」を利用することができないのです。
確定申告時に寄附金控除の申請も一緒に行う必要があります。この際にはふるさと納税を行なった際に受け取る「寄付受領証明」が必須となります。この書類はワンストップ特例制度を利用する際には必要ないので捨ててしまう方も多いのですが、必ず保管するようにしましょう。
一方で年末までに転職し、転職先で年末調整を受けた場合にはワンストップ特例制度を利用することが可能です。転職するにあたって特別な手続きは必要ありません。ただし、医療費か住宅ローンの控除を受けるために確定申告が必要な場合は、ワンストップ特例制度が利用できないので注意しましょう。
よって、転職した場合のふるさと納税の手続きをまとめると
・年末までに転職しなかった場合は確定申告時に別途手続きが必要
・年末までに転職した場合は新たな手続きは不要(医療費か住宅ローンの控除を受ける場合を除く)
ということになります。
転職をすると同時に引越しをされる方も多いと思います。
そのような場合は、確定申告とワンストップ特例制度を利用する場合で必要な手続きが異なります。
以下にその手続きをまとめましたのでご確認ください。
・確定申告の場合
1.各自治体によって必要書類が異なるため確認が必要
2.納税地の変更は必要
・ワンストップ特例制度
1.申請前は各自治体によって異なるため確認が必要
2.申請後は「申告特例申請事項の変更届」の提出が必要
なお、
「申告特例申請事項の変更届」に関してはこちらをクリックするとダウンロードすることが可能です。
いずれにしても必要な手続きに関しては各地自体による部分が多いため、適宜確認を行う必要があります。
最後に転職時のふるさと納税に関して一点ご注意いただきたいことをご説明差し上げます。
それは「転職期間が空く場合は控除上限額が下がる」ということです。
もし転職期間が空かない場合はその期間に収入が得られないため、当然年収は下がります。
そして上述したようにふるさと納税の控除上限額は年収によって決定するため、転職期間が空くようであれば、寄付する金額に注意する必要があるでしょう。
控除上限額を考慮せずこれまでと同様に寄付を行ってしまい、想定したよりも少ない金額しか控除されなかった・・・という事態に陥ってしまう可能性があるためです。
またもし転職期間が空かない場合にも、転職して年収が下がる場合には同様に注意が必要です。