「売り手よし、買い手よし、世間よし」=「三方よし」を社名に掲げ、ワンストップのサービスを提供することで着実に成長を続けてきたトリプルグッド税理士法人。
業界を変えていこうという先見の明を持った実島代表に心を動かされ、ともに法人の成長を支えてきたのが原川健常務理事と波多野亮常任理事です。
税理士は税務・財務という作業をするのではなく、中小企業の経営者にトータルアドバイスができる楽しい仕事だと語るお二人に、税理士を目指したきっかけ、トリプルグッド税理士法人との出会い、将来のビジョンなどのお話を伺いました。
【ご経歴】
原川 健様
1997年 | 会計事務所へ入所 |
2005年 | 税理士試験合格 |
2006年 | トリプルグッド税理士法人 入社 |
2011年 | トリプルグッド税理士法人 常務理事就任 現在に至る |
波多野 亮様
2003年 | 税理士資格専門学校 講師を務める |
2007年 | トリプルグッド税理士法人 入社 |
2007年 | 税理士 試験合格 |
2012年 | トリプルグッド税理士法人 常任理事就任 現在に至る |
ー税理士を目指したきっかけについて教えてください
原川常務理事(以下、原川氏)
大学時代に就職に向けてどんな仕事が世の中にあるのかを勉強していた時、偶然税理士の資格のことを知りました。
「町の相談役」「経営者の方々の身近な相談役は税理士しかいない」というフレーズに漠然と惹かれたのが一番初めのきっかけでした。
通常の企業に就職することも考えたのですが、士業の資格を取って独立し、経営者の方を支えることに社会的意義を感じました。
自分自身が商品である士業に対する憧れ、あとは俗物的ですが、資格を取ったら高収入が得られるだろうという経済的な面も動機の一つです。
波多野常任理事(以下、波多野氏)
私は元から税理士になりたいという志があったわけではありません。ただ就職活動を始める時期に時居酒屋でアルバイトをしていて、経営者や店長が税理士の方と打ち合わせをしているのを見る機会が何度かありました。
経営者や店長が信頼して話をする税理士とはどんな仕事なのか、経営者に影響を与えるその姿に興味を持ったのがきっかけです。もともと専門的な仕事をしたいと思っていたこともあり、その後資格に関して情報を集めました。
ー資格試験の勉強にあたって苦労されたことはありますか。
(原川氏)
覚える量が非常に多いのは大変でしたが、難しいという感覚はありませんでした。間隔をあけると勉強が嫌になるので、1日に1分でも5分でも机に座ろうと決めてやりました。
仕事しながらの受験勉強でしたが、継続をしっかり行うことが重要だなと感じています。
(波多野氏)
原川と同じく、特段苦労だと感じたことはありませんでした。しかし効率的に1年で合格する必要がありました。
理由としては、税理士資格は知識としては役に立ちますが実務とは別物であるとわかっていたからです。
試験は与えられた問題を解ければそれで終わりですが、実務はご相談を受けてお客様のニーズがどこにあるかを確認しなければなりません。
試験のために覚える算式や手計算は実務ではコンピューターがやってくれますし、試験に向けて丸暗記する理論や税法も実務では調べる力量があれば問題ありません。
そのため早く実務に専念するために絶対に1年で試験に受かると決めました。効率的に1年で合格するために同じ問題を5回10回反復するのは当たり前。自分が解けない問題が出たら自分以外の人も解けない、というぐらいやりこみました。
-最初のキャリアについてお話いただけますか。
(原川氏)
私は会計事務所でキャリアのスタートを切りました。会計業界に興味を持ってからはキャリアの興味は一本道。
他の業界や他の仕事は考えていませんでした。しかし、当時は普通の大学を卒業して会計事務所に行くというキャリアが今ほど開かれてはいませんでした。
当時は、専門学校に行くとそこに求人広告が来て、専門学校経由で会計事務所に入るのが一般的な流れでした。
私は専門学校にも通っているわけでもなく、未経験。WEBも発達していない時代だったので、就職情報誌で「会計事務所、未経験」を探すというのがまず一苦労でした。
ようやく内定をいただけた会計事務所で働き始めるのですが、当時は先生方は何も教えてくれないのが普通でした。
簿記3級しか持っていなかったのですが、入社数日で「申告書を作ってみろ」と言われ、部厚い「申告書の手引き」を見ながら見様見真似で書きました。分からないことを聞きに行っても自分で調べろと怒られて、自分でやりきることを覚えさせられました。しかしその一見厳しく見える環境は、非常に自分の仕事の取り組み方の土台を作成してくれたように感じます。
税理士は経営者の経営判断のベースを作る、顧客の会社の未来への責任が重い仕事です。経営者の方々は数字のことがよく分からず、現在の会社の状態で採用が可能なのか、広告は出せるのか、営業車両は買えるのかを正しく判断ができないことが多いです。お金の使い方を間違ったら会社は潰れてしまいます。
我々が正しい財務分析とサポートをすることで社長が正しい事業投資をして会社が伸びる。自分がとことんやり切ることが結果につながることは、やりがいに感じました。
(波多野氏)
大学卒業後の最初のキャリアは税理士資格専門学校の税理士コースの講師でした。先に講師をしていた原川に声をかけてもらい講師になりました。
もともと受講をしている時からすぐに会計事務所に就職したいというこだわりは無く、むしろ経験も知識も無いので、学べるうちに多くのことを学び身につけた方がいいと思っていました。
講師として人に教えられるぐらいの深い知識を身につけると知識の深さが増したことはやってよかったと感じます。
また人前で話すのが苦手だった点も、講師の経験を経て抵抗がなくなりました。講師のキャリアでは、今のキャリアにも通じる基礎的な力を着けられた感じています。
-トリプルグッド税理士法人に入所された経緯をお聞かせいただけますか。
(原川氏)
実島代表との面接、そこで受けた印象で入社を決めました。当時税理士といえば税務・財務の枠から出ることは無かったのですが、実島は税務会計だけではなく企業の経営全体をサポートしたいというビジョンを持っていました。
個人事務所が主流だった税理士の働き方を「組織化して、いろいろな士業の方々と連携して、ITの部署も作っていきながら全体のサポートができるようにしたい」と20年・30年先の話をずっとしていました。
税理士の資格は運転免許のようなもので、税務業務をする中では必要ではあるものの、税理士であるこだわりを忘れて欲しいと言われたことに感銘を受けました。
実島は税理士は専門学校を出て会計事務所に勤務するという当時のスタンダードにも批判的で、会計業界には大学や大学院を卒業して社会に出ていこうとする優秀な人材が流れてくるルートが無いことを憂えていました。
「税理士を組織化して既存の枠を捨てて経営全体をサポートをする、という職種でアピールすれば、新卒の人が来てくれるはずだ。」「これからは業界全体が個人事業から産業化して盛り上がっていかないといけない。」とそんな話が続き、これはもう他の会計事務所と次元が違うことを感じて、絶対トリプルグッドで働きたいと思いました。
(波多野氏)
大原の時と一緒で、原川に声をかけてもらったのがきっかけでした。会計事務所への就職を考えていた時に「すごい人がいるから会ってみないか」と言われ実島代表と話をしました。
代表は当時から物事を大局的に見ていて先見性があり、10年20年先にこの業界がどうなるか、業界に求められることやお客さんのニーズがどう変わっていくのか、その時に税理士が果たす使命や役割は何かを具体的に話してくれました。
税務という経営全体に占める割合が数%しかない小さい分野にこだわるのではなく、もっと経営全般をみてお客さんの悩みを解決していく視点で仕事をしないと生き残れない。
税理士は個人でやっていても通用しなくなるから、組織を大きくしてワンストップでいろいろな経営課題に対応できるようにしていこう、「最低でもスタッフは200人以上にするぞ。」という話を当時からしていて、それがいま現実になりつつあります。とにかくすごい人だ、この人と働きたいと感銘を受けて入社を決めました。
-トリプルグッド税理士法人では役員としての仕事や苦労されたことなどはありますか?
(原川氏)
税理士法人の役員として業務全般に携わっています。営業活動・マネージメント・採用・人材育成・顧客のサポートなどを行なっています。
その中でも力を入れているのは人材育成。税理士はサービス業なのでいかにお客様に貢献できるかが一番重要です。
士業は個人が持っている知識やノウハウが全てという属人的な側面が大きいのですが、お客さんはトリプルグッドという組織と契約されている。
組織として誰がやってもクオリティの高いサービスを行える再現性があると、お客様は安心してグループ全体を信用して継続して利用してくれます。
従業員の一体感、同じクオリティの提供のために、弊社には「クレド」があります。会社の目的や社員にはこういう風に考えて行動して欲しいという軸を常に心掛けていただき、お互いのフィードバックをしたり、メンバー間のコミュニケーションに活用されたりしています。
チームとしての色は別々ですが、組織全体として大事にしている考え方は浸透していてるので、それを軸として育成しています。
時代もお客様のニーズも経営環境も常に変わりますので、課題も常にあります。ただ、しんどかった、きつかったと感じたことはあまり無いです。
課題やできていないことが明確になるとそれは次のステップに繋がるので、大変だ、無理だと考えても意味が無い、そこからどうするかを常に考えています。
(波多野氏)
役員兼マネージャーというポジションで、3つのチームのマネージメントをしています。顧客窓口チームと税務審議官(税務の申告書などのチェックや税務判断)チームと会計支援チーム(申告書などの実際の書類を作成)です。
他にも営業や採用もやりますが、メイン業務はメンバーのサポートと育成、それから業務の改善、組織づくりになります。
苦労は絶えないのですが、強いていうなら人材育成でしょうか。この業界を目指す人は昔の自分も含めて資格を取ればなんとかなると視野が狭くなっている人が多いと感じています。
税理士の資格を持っていても専門知識だけではお客様の前では通用しません。コミュニケーション能力、相手の発言や考えを理解する力が必要不可欠です。
お客様は経営者、人生経験が豊富な企業のトップで、所属する社員・アルバイト・家族・パート・顧客に対して責任を負っています。そんな境遇の方に助言をする仕事なので、経営者の苦労に如何に理解が及ぶかが重要だと考えています。
業界全体がヒューマンスキルを重視しない傾向にあるので、その重要性が高いことを組織に根付かせることは大変です。そんな中「クレド経営」は大きな助けになってくれます。
会社はどういう責任がある場所か。仕事をする上でどのような価値観、考え方、仕事観を持つべきかが重要です。
この業界で対人スキルを真剣に伸ばしてあげられることは、弊社の強みの一つです。当然教えてすぐにできるようにはなりませんが、繰り返し大事だと言い続けることはとても重要だと考えています。
-お二人が仕事をする中でやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?
(原川氏)
一つはお客様にサービスを提供する中で、お客様が成長していると感じる瞬間です。
業績が伸び企業の継続性が伸びると、働いている人も安心して生活ができます。日本では97-98%の方は中小企業で働いているにも関わらず、中小企業の平均寿命は10年未満だといわれています。これでは定年までに6-7回転職しなければいけません。
お客さんの業績が良くなり事業継続の可能性が上がり、社員の方々が安心して仕事ができる。自分の仕事がそこに貢献できていることは本当にいい仕事だと実感します。
日本は「誇りを持って仕事をしている割合」が先進国の中ではかなり低く10%に満たないといわれていますが、私を含めて弊社のメンバーがお客様の幸せを感じると、社員がやりがいを感じ、それにより組織の収益性があがります。「三方よし」を感じる時にやりがいを実感します。
(波多野氏)
原川に同じく一つはお客さんの会社の成長を目の当たりにする時です。例えば10年前に担当していた会社で、立ち上げ当初は従業員が5名、売り上げも数千万円で借り入れにも苦労していた会社が、今は従業員が40-50人ぐらいになり売り上げが数億円になっている。
そういう企業の成長を聞いたり見たりすると、微力ながらお客様の成長に貢献できていると感じられてやりがいを感じます。
もう一つは部下の成長を感じる時にやりがいを感じます。お客さんに部下のパフォーマンスを誉めてもらえると部下も嬉しいし、私自身も部下が組織に貢献できるように育ってくれたんだと実感できます。
そして最後はトリプルグッドという会社の成長。初めは10数名の会社で部署も扱っているサービスも少なくて内部体制もできていなかったのに、これだけ大規模になり、いろいろな専門性がある人が入社し、それぞれの分野で活躍している。
ワンストップでこれだけサポートしている会社は関西ではあまりない。会社が成長してきた過程の中に自分もいるんだ、とふとした時に思うと、やってきてよかったと思います。
-お二人のキャリア展望を教えてください。
(原川氏)
組織の成長のためにも自分のマネジメントレベルをあげたいですね。仕事観や人生観をもっと磨いていきたいです。
それからお客様に提供できるサービスの幅を広げていきたい。企業の経営者が引退・退職された後のサポートもできる体制を整えていきたいと考えています。
経営者が会社を興すところから引退した後までのトータルサポート。経営者の方々は体力的にも財産的にも現役の時は無理をされていて、引退する時にお金のない方が多い。
そういった方々が安心してその後の生活ができるようにサポートできるようなサービスを作っていきたい。そのためにも自分の物の考え方や人格的なレベルを磨いていきたいです。
(波多野氏)
メンバーを育成して組織を強く大きくすることに尽力したいです。自分以外の管理職やマネージャーを育てて組織力をあげていくこと今後注力していきたいです。そのためには自分のマネジメント力を磨かなければいけません。
最初に自分が代表に感じた先見性のようなものを身につけていきたいです。常に先を見据えて、考えることができないと組織を導いていくことができません。そのために自分の力を育み、後世に繋いでいきたいです。
-HUPROマガジンの読者の方にメッセージをお願いします。
(原川氏)
メディアではAIやIoTが進むと士業の仕事が無くなると言われているますが、私には全くその懸念はありません。確かに手続き業務や資料作成などに関してはAIが代替してくれるかもしれません。
しかし、我々の本業は経営者の方々の経営における相談役であり心理的サポートも含めてトータルでの経営サポートです。中小企業の経営者は苦しい時に相談できる人が近くにいないことが多くその存在が我々だと感じています。
AIやIoTが進んでも我々がやるべき仕事はあるし、今後そのニーズは高まると考えています。またお客様の成長が社会貢献に繋がっていると実感できる仕事は珍しく、税理士はそれができる本当にいい仕事だと思います。
税理士という資格をきっかけにこの業界にきてくれるならぜひ一緒に働きたいです。資格を超えて経営者に対してのサービス業と考えてこの業界に来ると仕事が面白いです。経営にゴールは無いので毎日学びがあります。
お客様からはスキルや知識だけではなく人間性を伸ばしてもらえます。年間200-300人の経営者と話ができる仕事はなかなかありません。中小企業の経営者を助けて、日本経済を良くしていきましょう。
(波多野氏)
自分の専門性を使って、困っている中小企業の経営者の方と膝を突き合わせて企業の未来を作っていくのが税務会計の仕事です。
会社に所属している役員・従業員、広くいえばご家族や得意先も含めて、我々のアドバイスやサービスでその企業をよくすることができます。確かに責任重大で簡単な仕事ではありません。
しかし自分に返ってくるやりがいが大きいです。専門性と人間性が両方身に付くことがこの税理士の魅了であると思います。この業界で長いこと働いていると、経営の視点で物事を考えるようになり、視座が高くなるのを感じるようになります。税理士はお客様の利益と自分の利益が一致する業界です。
お客さんのためになることを提案・助言して、お客さんが良くなり、我々も契約が長くなって業績があがる。WIN-WINの素晴らしい業界であることは最大の魅力であると感じています。
-本日はお時間いただきありがとうございました。
今回お話をいただいた原川健常務理事と波多野亮常任理事が務める
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