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エンジェル投資家とは一体?他の出資者とは違うの?

HUPRO 編集部
エンジェル投資家とは一体?他の出資者とは違うの?

資金を新しいベンチャー企業の経営者が調達するときは、従来は一般的に金融機関から融資を受けたり、ベンチャー企業に対して投資を積極的に行う投資ファンドであるベンチャーキャピタルから出資を受けたりすることでした。

しかし、ベンチャー企業の経営者は、エンジェル投資家から出資を受けることが近年は多くなっています。今回は、エンジェル投資家とはそもそも一体どういった投資家なのか?という疑問にお答えすべくエンジェル投資家の概要について詳しく説明していきます。

エンジェル投資家とは?

ヨーロッパやアメリカの演劇業界、ハリウッドの映画業界、アメリカのブロードウェイでは、「エンジェル」とビジネスをサポートする個人のことを呼んでいました。このような背景に、エンジェル投資家の言葉は由来しています。

エンジェル投資家は、起業家のスタートアップのための資金を提供してくれ、金融機関の融資と友人・家族の融資の中間のようなものです。ベンチャーキャピタルや金融機関は、厳しい審査がある分、大きな融資額を設定しています。
一方、エンジェル投資家が提供する金額は、日本円に換算すると少額の500万円〜2,000万円というようなものがほとんどです。エンジェル投資はまだ日本では馴染みがありませんが、外国においてはメジャーな投資法としてベンチャーキャピタルとともに有名です。

エンジェル投資家がもらう配当とは?

エンジェル投資家がもらう配当としては、株式を起業家のビジネスが成功したときにもらうなどが多くありますが、どのような約束で起業家とエンジェル投資家がサポートするかによってそれぞれ条件が違います

多くのエンジェル投資家は、引退した実業家や起業家です。エンジェル投資家は資金を提供するのみではありません。起業家のビジネスが順調に進むように、経営についてアドバイスしたり、第一線で活躍している経営者を紹介したりしています。

出資する代わりに、エンジェル投資家はサポートした企業の株を取得します。起業家のビジネスが上手くいくと、大きな儲けが獲得できます。しかし、新しいビジネスを順調に進めることは非常に困難であり、失敗するリスクをエンジェル投資家は覚悟してサポートする必要があります。

配当のリターンとリスクについては下記のコラムで詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

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エンジェル投資家がもらう配当とは?

エンジェル投資家にサポートされるメリットとデメリットとは?

エンジェル投資家は、資金を単に提供するのみでなく、豊富な人脈や経営者としての経験を活かしてサポートしてくれるときが多くあります。ベンチャー企業の経営者としては、エンジェル投資家にサポートされることによって次のようなメリットがあります。

・充実した資金が得られる
・豊富に経験があるエンジェル投資家から起業家としてアドバイスしてくれる、ノウハウを教えてくれる
・エンジェル投資家の人脈やコネクションを利用して、ビジネスをサポートしてくれる

しかし、いろいろなエンジェル投資家がいるため、ベンチャーキャピタルのように経営に積極的に関わったり、投資する代わりに株式の高い割合を要求してきたりする人もいます。
エンジェル投資家がこのような人であれば、次のようなデメリットがあります。

・経営にエンジェル投資家が口出しするようになって、創業者が考えているようにできなくなる
・投資する代わりに株式の所有率を高く要求されると、持ち株比率が創業者は低くなるので、経営が不安定になる

エンジェル投資家にサポートされるためのポイントとは?

エンジェル投資家に実際にサポートされるためには、出会うだけでなく、自分のビジネスのメリットをプレゼンテーションして、出資する値打ちがあると判断してくれる必要があります。
エンジェル投資家からサポートされるためのポイントとしては、次のようなものがあります。

繋がりを持つ

ビジネスプランがいかに優れたものでも、エンジェル投資家とまず繋がりを持つ必要があります。マッチングセミナーに参加するのもいいでしょうが、情報をニュースなどで集めて、興味がある人にメールを直接送るのも有効です。エンジェル投資家とまず繋がりを持つことからスタートしましょう。

プレゼンテーションスキルをアップする

エンジェル投資家にサポートしてもらうためには、魅力がある将来性があるビジネスプランをプレゼンするスキルが必要です。ビジネスの目的、社会に及ぼす影響、ビジネスの収益性や将来性、投資家は投資によってどのようなメリットがあるかなどについて、プレゼンするスキルが必要です。普段から周りの人などに対して練習して、プレゼンテーションスキルをアップするのがおすすめです。

創業者の人間性が重要視

出資を実績がまだないベンチャー企業が受けるためには、ビジネスプラン以外にどのような創業者かが重要視されます。行動力や体力、粘り強さ、意志が強いなど、創業者に要求される資質は多くあります。

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ベンチャーキャピタルとの違いとは?

ベンチャーキャピタルとは、高い成長性が見込まれるベンチャー企業やスタートアップに対し、成長のための資金を株式投資の形で提供する機関です。最終的にその企業がIPOするなどした後に保有株式を売却し、投資額と公開後の株式の売却額の差額であるキャピタルゲインを得ることを目的としています。以下では、エンジェル投資家とベンチャーキャピタルの違いをご紹介します。

出資形態

エンジェル投資家は個人であり、個人のお財布事情に合わせて個人的に投資を行います
一方で、ベンチャーキャピタルは投資会社であり、ビジネスとして投資を行っています。そのため、ベンチャーキャピタルの方が、より数値や利益目標が明確なものとなる可能性が高いです。

出資ステージ

エンジェル投資は、起業直前〜起業したばかりの成長期をむかえる前段階で行われることが多いです。というのも、エンジェル投資は比較的金額が小さく、ハイリスクハイリターンのケースがほとんどだからです。

一方で、ベンチャーキャピタルは、成長期をむかえ、これからどんどん拡大するという段階で投資を行います。これは、ある程度成長の見込みがあり、それゆえに大きな金額の投資をすることができるからです。

このように、エンジェル投資家とベンチャーキャピタルには大きな違いがあるのです。
ベンチャーキャピタルについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、どうぞお役に立ててください。

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金融機関との違いとは?

事業に必要なお金を借りる方法の一つに、銀行をはじめとする金融機関からお金を借りるという方法があります。銀行でお金を借りるのと、エンジェル投資家からお金を借りるのではどんな違いがあるのでしょうか?

エンジェル投資は「投資」の形態で資金を供給しますが、銀行では、あくまでも「融資」の形態で資金を供給します。銀行は、企業に貸した融資額に対する金利で収益を生みだすモデルであるため、融資した元資金・利息の回収は絶対なのです。そのため、銀行からの融資は絶対に返済する必要があるという点でエンジェル投資とは異なります。

また、資金の援助を受ける際に、銀行では、借り手の資産状況や返済能力の有無によって融資を受けられるかを評価します。そのため、事業に対する熱い思いや将来の可能性だけでなく、地に足のついた経営状況や経営計画が求められるのが銀行であると考えて良いでしょう。

まとめ|エンジェル投資家について

以上、今回はエンジェル投資家について解説しました。エンジェル投資家に投資の相談をしにいくことは一見ハードルが高いことのように思えますが、事業に対して真剣に向き合う起業家を金銭面からもビジネス面からも応援してくれる心強い味方になってくれる可能性もあります。今の自分の事業領域や、会社のフェーズに合わせて、最善の選択肢を取れるように準備をしておきましょう。

《参考記事》

この記事を書いたライター

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