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なぜcapex からopexにシフトが推進されるのか?その意味と違い

HUPRO 編集部
なぜcapex からopexにシフトが推進されるのか?その意味と違い

capexとopex。最近はDX関連で「CAPEXモデルからOPEXモデルへ」と言われるのを見かけたことがあるのではないでしょうか。今回は、capex とopexについてそれぞれの意味や違い、経理上の取り扱いなどについて見ていきましょう。

capexとは

capexとは「Capital Expenditure」の略称です。アメリカの不動産用語から来た言葉で「不動産の価値や耐久年数を延ばすための経費や改良」を意味しています。そこから転じて事業の生産性の維持や向上を図るための「資本的支出」、日本で言うところの設備投資や初期費用を指す言葉になりました。

例えば、​新しい不動産の購入、新しい倉庫の建設、ハードウェアやソフトウェアの導入コストなどです。不動産においては、リフォームなど不動産の価値を高めるために行う長期修繕にかかる費用もcapexに該当します。

まとめるとcapexとは固定資産を購入・維持・改修するためにかかる費用です。維持・改修といっても、単なる修繕費ではありません。固定資産の価値や耐用年数を伸ばすために行われるための支出がcapexとなります。

capexの経理上の取り扱い

capexは長期的に行われる投資であり「これがcapexです」と勘定科目があるわけではありません。経理上で判別するのが難しいため、独自に管理するのが望ましいです。
というのも、設備投資は支出した金額があるものの、固定資産に計上されるため「費用」として計上されません。capexが損益計算書に登場するのは減価償却費用のみです。つまり部分的にしか書面上はわからないからです。

実は、企業における設備投資の管理法については、標準的な会計手法がありません。そのため、capexについては、全く管理していない企業もありますし、独自基準を設けて行っている企業もあります。
手間はかかりますが、capexがどのくらい必要なのかを管理しておくことは、資金繰りを把握するうえでも重要です。

opexとは

OPEXとは「Operating Expense 」または「Operating Expenditure」の略称で、事業を運営すすための費用全般つまり「経費」を指します。

例えば、税金、保険料、人件費、オフィス賃貸料、水道光熱費、通信費、交通費などのランニングコストやメンテナンスコストなどです。ただし、ローンの金利や減価償却費などは、OPEXに含まれません。

opexの経理上の取り扱い

事業の運営に必要なコストであるOPEXは、販売費および一般管理費(販管費)に該当するものが多く、当該年度に計上されます。capexと比べると、非常に管理がしやすいです。

capexとopexの違い

CAPEXとOPEXは、どちらも企業の経営状態をはかるための財務指標として使われます。
単語は似ていますが、これまで見てきたように意味するところは正反対です。

OPEXは「経費」なので、経理上での数値の把握は損益計算書で簡単にできます。経理での日次処理、仕訳入力をきちんと行っていれば、現時点でのOPEXを把握して改善策を考えることも可能です。それは、個人で加入しているサブスクを整理するのに似ています。

これに対して、CAPEXは、すでに固定資産として手元にあります。費用として計上できるのは減価償却費用のみ。しかし購入のために借金をしていることもあるでしょう。CAPEXで購入するものは金額が大きく、費用ではなく資産計上するというところがOPEXとの一番の違いです。

capexの増加が意味すること

企業の財務諸表上でCAPEXに該当する指標が増加している場合は、その企業が積極的に設備投資し事業拡大を行おうという姿勢だと見ることができます。

CAPEXに分類される支出(設備投資)は「投資コスト」と呼ばれることも多いです。
例えば、新製品を作るための工場の増設や、新しい事業所の設営、事務所のPC設備の刷新などですが、投資には常に「費用対効果」が求められます。

仮に、新製品が当初予想していた利益を足さなかったり、新しい事業所の売上が目標に届かなかったりした場合は、企業の資金繰りに大きなダメージを及ぼします。CAPEXが企業の財務状況に及ぼす影響は大きいです。

opexの増加が意味すること

opexの増加が意味すること

対して、OPEXは「経費」であり、日々の費用を意味します。「経費削減」という耳慣れた言葉からもわかるように、適性に管理し、不要な部分は削ることが必要です。

企業の財務諸表上でOPEXが増加している場合、事業運営にかかる費用に積極的に投資しているほか、現在よく言われている「CAPEXからOPEXへの移行」を行っている可能性もあります。例えば、これまでは自前サーバーを用いたり、オンプレミスのソフトウェアで業務を行っていたものを、クラウドサービスに移行するなどです。

なぜ「capexからopexへの移行」といわれるのか

近年はクラウド環境へのシフトが進んでいます。それに伴い、IT分野においてはCAPEX(設備投資)モデルからOPEX(運営費)モデルへのシフトが盛んに言われるようになりました。その流れについて見てみましょう。

企業に負荷が高いIT系のOPEX

ITの設備投資におけるパソコンやソフトウェア、サーバーなどについてはCAPEXからOPEXへの移行が進んでいます。これまで大企業などは自社で社内システムを構築していました。
自社システムでは、サーバーだけでなくソフトウェアライセンスを購入し、ネットワーク環境を構築し、システム開発のための人材も含めて、自社での開発環境を持つ必要があります。つまり、CAPEXで環境の構築を自前で行っていたのです。さらに、自社システムを構築している企業には、システム開発部門だけでなく、システムの運用部門も存在しており、社内のIT保守運用を行わなくてはなりません。独自の社内システムを抱える企業は、CAPEXだけでなくOPEXにも多額の費用がかかるのです。

システムは常に刷新され、適切に運用される必要がありますが、企業がシステム関連にかける予算は営業関連費用よりも小さいことがほとんどです。結果的につぎはぎの社内システムを使い続け、システムダウンをしたみずほ銀行の例は記憶に新しいでしょう。

クラウド化によりCAPEXへのシフトにメリットが大きい

しかし、現在では、クラウドサービスなどでより使い勝手の良いシステムが生まれています。例えば、自前でサーバーを増設するよりも、クラウドサーバーを使った方が、より大容量の環境を安価に構築できます。クラウドサービスは月額料金で従量課金制であることがほとんど。つまり初期投資がいりません。ソフトウェアの場合はアップデートの必要もなく、常に最新の機能を使うことができます。例えば経理ソフトであれば、税制改革や消費税の反映なども自動で行われ、対応にかかるリソースは不要です。最新技術を運用費のみで使うことが可能になるばかりでなく、対応する際のコストも削減できます。

一度CAPEXで資産となった設備は、償却するまで何年もかかりますし、廃棄費用もかかります。最新設備が必要な業務については、その都度買い換えるのは採算が合いません。そこでIT業界に関して盛んに「capexからopexへの移行」が言われるようになったのです。

さすがに銀行系システムは個人情報の関係もあり、外部のクラウドシステムに預けることは難しいですが、みずほ銀行のように、かつて構築した古いITシステムのまま運用を続けてしまっている企業は多いのではないでしょうか。
現在さかんに「DX推進」がいわれていますが、ITシステムにかける設備投資をCAPEXからOPEXに移行することで、費用の圧縮だけでなく生産性向上に繋げることも可能なのです。

この記事を書いたライター

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カテゴリ:コラム・学び
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