今回は総務の具体的な仕事内容を紹介しています。
1年間の業務スケジュールとして、総務がどのような業務を担当しているのかわかりやすく解説していきます。
入社したばかりの新人さんから、業務の効率化に取り組んでいる管理職の方まで、参考にしていただける内容になっていると思います。ぜひ活用してみてください。
総務担当者が4月〜6月に行う仕事内容としては、以下のようなものがあります。
新入社員に関する仕事は、実際は4月1日の入社前から始まっています。
採用活動や採用面接に始まり、内定通知、入社式や入社後研修の準備、入社書類を回収し入社手続と、新入社員に関する業務が一段落するまでの時間を考えますと、総務の仕事の中でもっとも長く関わる業務ともいえます。
そのため、この業務に関わる担当者はかなりの労力を要します。
他の仕事と兼務をするのであれば、業務量のバランスを特に考えた方が良いでしょう。
また、多くの企業は年度切替えの時期にあわせて人事異動を行います。
部署異動や役職変更、組織改編が挙げられますが、それらの変更に連動して更新をしなければならないものがないかどうか、事前に一覧化しておくと慌てずに済みます。
また、行政関連の年度更新は4月ですので、前年分の実績を集計し届出を行う作業がこの時期には発生します。
提出期限が定められているため、計画的に準備を進めて遅れることがないように注意しましょう。
総務が7月〜9月のタイミングで行う業務内容のうち、主なものは以下の通りです。
4~6月に支給された給与額に基づき、9月分からの健康保険・厚生年金保険の標準月額が一斉に見直しとなります。
そのための届出が「算定基礎届」で、社会保険料を算定する基礎となる賃金額を、役所に対して報告する手続きを行います。
基本的には全社員分を提出することになりますので、かなりの数を集計し書類を作成するため大変な業務に感じるかもしれません。
しかし、近年では給与計算システムの導入が進んでいますので、事務の負担は大幅に減っていると言えます。
なお、お中元や暑中見舞いといった季節のご挨拶は、どなたに何を贈ればよいのか?を間違わないように注意が必要です。
近年ではこうした贈答品を辞退する企業も増えていますので、相手にとってご迷惑にならない対応を心掛けましょう。
10月〜12月には、以下のような総務業務が発生します。
7月に提出した算定基礎届により、社会保険料算定の基礎となる標準報酬月額が9月分から変更されます。給与計算での変更漏れがないように注意しましょう。
もっとも、社会保険料の納付は役所から送られてくる納付書を使って行いますので、金額の納付間違いが生じる可能性は低いです。
ただし、社内の給与計算システムや会計ソフトへの入力で間違いが生じやすいので注意しましょう。
また、12月には全社員が対象となる年末調整があります。これは給与計算を担当する総務にとってビッグイベントといっても良い社内業務です。
扶養控除申告書や保険料控除申告書など、社員全員から必要書類を回収しなくてはならないため、書類の配布から回収までに時間がかかります。
回収後も記入間違いがないかどうかのチェックや、社員への内容確認が発生することもあります。
社員への書類配布から回収後の処理までのスケジュールをしっかりとたてなくてはなりません。
なお、税制変更により様式や計算方法が変わることもあるため最新の処理方法をよく確認しましょう。
年末調整業務については、経理部と協力しながら処理していくかたちになっている企業も多いでしょう。
経理と総務は共同して業務にあたることの多い部署ですから、日頃から連携を確認しておくことが大切です。
1月〜3月の総務の仕事としては、以下のようなものが代表的です。
年末調整の結果に基づき、各市町村へ「給与支払報告書」を提出します。
社員の住民票の住所の数だけ提出することになりますので、膨大な作業量になります。
1月末日が提出期限となりますので、しっかりと業務分担と予定たてを行いましょう。
会社と社員間で取り交わす「36協定」や労使協定は大体が1年間の期間設定となります。
年度切り替えになる前に労働基準監督署に届出を完了させなくてはなりません。
今回は、総務の1年間の仕事内容について紹介いたしました。
総務は「社内のなんでも屋さん」といわれることもありますが、本文で紹介したようにある程度の定型業務が存在します。
1年間の業務スケジュールを把握しておくことで、効率的に仕事をこなすことにつながります。
ぜひ参考にしてみてください。