贈与税は、家族や恋人、結婚相手などであっても人に物を贈る際に高額になるとかかってくる税金です。婚約指輪を贈る場合も、高額な婚約指輪を贈る人もいますが、贈与税がかかるのか、かからないのかが気になるでしょう。高額になりがちな婚約指輪の贈与税について、詳しく見ていきます。
贈与税は、家族や恋人、結婚相手などでも、相手に物を贈る金額によってかかります。年間110万円を超えるものを、一人の人からもらうと贈与税が発生します。何人かからもらった場合は大丈夫となっています。
また、何をもらったかではなく、いくらの金額のものをもらったかによって、贈与税を支払わなければならなくなることを知っておきましょう。
たとえ、親を始めとした家族や恋人などからでも、110万円の以上のプレゼントをもらった場合は、贈与税がかかりますので、気を付けましょう。
一人の相手から、年間に何回かにわたって贈り物をもらった場合にも、その合計金額が110万円を超える場合には課税されます。
金額によって贈与税がかかると言うことですが、どんな物でもかかるのかというと、内容次第ではかからないものもあります。「社会通念上相当と認められるもの」に関しては、贈与税はかからないことになっているのが特徴です。
例えば、結婚式の費用を親に援助してもらった場合や新居の費用を出してもらった、家族の生活のためや子供の教育費としてもらった場合、ご祝儀や香典、花輪代をもらった場合などは、課税対象外です。
結婚・子育て資金のうち、一定の要件を満たすものについては課税対象から外れることになっています。
年末年始の贈答品やお祝いや見舞金などもよくもらうことがあるでしょうが、そうした一般的な社会通念上相当と認められるものについては、非課税です。
そして、この「社会通念上相当」という点が重要で、贈与税がかかるのは、贈られる相手に相応の金額のプレゼントかどうか次第という点が大事です。
具体的に、婚約指輪の贈与税について詳しく考えていくと、そのことがよくわかります。
婚約指輪の贈与税については、一般的に「社会通念上相当と認められるもの」として、贈与税は非課税になります。ただ、人によっては、高額な何千万円もするような婚約指輪を贈る人もいるでしょう。その場合はどうなるのでしょうか。
例えば、芸能人や経営者など、高額所得者が高額な婚約指輪を贈るケースがあります。しかし、そうした芸能人や高額所得者の場合には、たとえ高価な婚約指輪を贈っても、それ相応の婚約指輪を贈ったというように捉えられるのが一般的です。
その場合「社会通念上相当と認められるもの」となり、何千万円と言う高額な婚約指輪でも非課税となります。
ただ、これが一般人で月収30万円程度の人が、何千万円の婚約指輪を贈った場合は、贈与税が発生することもあり、注意が必要です。どこか納得がいかない点もありますが、年収と見合った相当の贈り物かどうかが判断されることになります。
また、婚約指輪でなく、ただのプレゼントとして指輪を贈った場合であれば、110万円を超えると贈与税がかかってくることも、しっかり覚えておきましょう。その場合、受け取る人が受け取りを拒否すれば贈与税はかかりませんが、通常は贈与税がかかります。
高額な贈り物をする時は、贈与税のことも考えてするのが賢いでしょう。
婚約指輪で年収と見合わないとても高額な指輪を贈られた場合に、贈与税はどの位かかるのかも考えてみます。贈与税の税額は、以下の計算式で計算することができます。
計算式では、110万円までは贈与税がかかりませんので、婚約指輪代金からまず110万円を差し引きます。そこに贈与税がかかる計算と、さらに控除額が差し引かれた上での額になります。
計算式:(プレゼント額-110万円(基礎控除))×税率(贈与税率)-控除額(贈与控除額)
例えば、3,000万円の婚約指輪をもらった場合には、3,000万円-110万円(基礎控除額)=2,890万円で、2,890万円×50%(税率)-250万円(贈与控除額)=1,195万円の贈与税がかかることになります。
また200万円の指輪をただのプレゼントとしてもらった場合には、200万円-110万円(基礎控除額)=90万円で、90万円×10%(贈与税率)-0円(贈与控除額)=9万円の贈与税がかかります。
もらった物の金額によって贈与税率と贈与控除額が変わりますので、高額なものをもらうほど、贈与税率が高くなり、そこから引かれる贈与控除額が高くは設定されていますが、高い贈与税を払うことになります。
ただ、一般的には、婚約指輪に贈与税はかかりませんので、安心しているといいでしょう。
よほど何千万円と高額で、年収に相当する「社会通念上相当と認められるもの」でないものでない限りは大丈夫です。
しかし、どういう観点で、贈与税がかからないかということを知っておくと、色々なものを贈る時に、贈与税の対象か、そうでないかが判断できておすすめです。一般的な贈り物で、高価な贈り物をする場合は、110万円が贈与税の基礎控除額となることを念頭に置いておくといいでしょう。