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独立開業税理士と勤務税理士の年収事情をご紹介!これからの税理士の働き方

HUPRO 編集部
独立開業税理士と勤務税理士の年収事情をご紹介!これからの税理士の働き方

税理士は難易度が高い国家資格の一つで、多用なキャリアパスが存在します。
中小企業や個人事業主が主の顧客となることから、税理士法人は日本各地に存在していて、全国各地で希望の働き方や年収を実現することができる独立開業も一つのキャリアパスとして人気の選択肢の一つとなっています。この本記事では、独立開業税理士と勤務税理士の違いについて、その年収や働き方という観点でから詳しく解説していきます。
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独立開業税理士と勤務税理士の違い

税理士登録のためには、税理士試験に合格するだけでなく、2年以上の実務経験を積む必要があるため、ほとんど全員と言っても良いほど多くの税理士が、税理士法人での勤務を経験しています。

税理士法人で働く勤務税理士は、一定の福利厚生や給与が保障されている場合が多く、組織で業務を分担できることから、税理士有資格者の場合は、特にコンサルティング等の付加価値の高い業務にリソースを割くことができるというメリットがあります。近年では、一般企業で働く企業内税理士のポジションが増えているということもあって、開業支援や相続など、特定の分野について強みを持った税理士法人が増えていることから、自信の希望する業務に特化して経験を積むために、勤務税理士をキャリアパスとして選択する方も増えています

一方、独立開業した税理士は、顧客や年収・働き方を自身で決めることができます。はじめから独立開業を志して税理士受験をする方も多く、インターネットの発展で、誰でも手軽に顧客を獲得することができるようになったことから、20代や30代前半で独立する税理士も増えています。ただし、税理士法人同士の競争が激化しており、独立して数年間は顧客も自身で獲得しないといけないため、営業やマーケティングをはじめとした顧客獲得が苦手な税理士にとっては苦行の道となることも多いようです。自身の専門性の高さを生かして、特定のサービスに特化した税理士として活躍する人が多いことも、独立開業税理士の特徴となっています。たとえば、難しい税務処理に関してセミナーを開催したり、大学などで講義を行うことで報酬を得たりすることで、平均年収よりも高い報酬を得られる可能性があります。

独立開業税理士の年収事情

独立開業税理士の年収事情

独立開業税理士の平均年収は一般に3,000万円前後と言われています。
しかし、こちらは大手税理士法人を経営している敏腕税理士を含めた平均値であり、年収が300万円未満の独立開業税理士も存在するなど、年収の高い税理士と低い税理士の差はとても大きいです。高い年収を誇る税理士は、顧問業務や申告業務をしているのではなく、そのほとんどがコンサルティング業務によって、実際の経営に携わっていることが多くなっています。

あとでも説明するように、特に顧問業務や申告業務は価格競争が活発化しており、大手税理士法人のほうがオペレーションを効率化し1件あたりのコスト・単価を抑えることが可能なため、独立開業税理士にとっては厳しい市場環境になってきています。したがって、小規模でも経営や売上が順調な事務所は、単価の高い相続業務を行なっていたり、特定の業界の法人に特化し他の税理士事務所ではできないコンサルティング業務を提供している傾向にあります。

また、税理士事務所同士の競争も激しい現状もありますが、AIの発展によって、AIの得意な分野の税務については仕事そのものが奪われる可能性もあり、独立開業税理士には、今後AIにはできない付加価値の高いサービスの提供が求められます。

その一方で、育児と仕事の両立の観点から独立開業をするママさん開業税理士をはじめとして、年収にとらわれず自分にあった働き方を目的として独立開業を選択する税理士も増えています。

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こうした自由な働き方が認められることも独立開業税理士の魅力です。高い報酬は必要ないけれど、安定した報酬を得たいという人であれば、地域密着型の税理士として地元企業と太いパイプを作ることで、安定した報酬を得られるようになります。

勤務税理士の年収事情

企業や税理士法人・会計事務所に所属する勤務税理士の平均年収は700万円前後とされています。

こちらは独立開業税理士に比べて格差が小さく、税理士有資格者は、フルタイムの正社員の場合はほとんどの方が年収500万円以上となっています。一方、年収1,000万円以上になるためには、一部の市場価値の高い業務を除いては、管理職以上でないと実現しにくいです。一般企業のなかで税理士だけができる仕事というのはとても限られています。

したがって、税務の専門家として活躍できる場面が少なく、たとえば、公認会計士などと業務が競合することもあり、高い水準ではあるものの、ある一定の水準からは年収をあげにくくなります。ただし、例えば、移転価格等の国際税務担当者に関しては、経験者が少なく、大手税理士法人・大手企業で重宝されており、担当者でも年収1,000万円以上の査定がつく場合があります。

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また、企業や税理士法人に所属すると、保険の自己負担が少なくなったり、福利厚生や手当により自己負担を減らせたりできるため、額面以上に独立開業税理士との差はありません。

勤務税理士の年収事情

これからの税理士の働き方

税理士業界は、今重要な分岐点に立っています。人工知能(AI)による税務の効率化によって、今後、一部の税理士業務が無くなっていくことを避けることはできません。その場合、勤務税理士として働いているような場合、中小企業などに対する顧問業務・記帳代行業務についてはどんどん仕事が少なくなっていくことが予想されます。

わざわざ税理士に頼まなくても、簡単な記帳業務などは、どんどんAIによって作業が自動化されていきますし、人間よりも正確に、そして早くできるようになっていくでしょう。一方で、独立開業税理士であれば、従来型の紋切り型のサービスを提供する機会は少なくなるので、より専門性の高いサービスや答えのない問題・課題を顧客と一緒に考えるという、付加価値の高いサービスを提供しなければならないようになっていくことが予想されます。

こうした状況のなかで、今後、独立開業税理士であれ、勤務税理士であれ、従来型のサービスを提供するよりも、付加価値の高いサービスを求められるようになります。たとえば、特定の顧客に対するオーダーメイドのソリューションの提案などが求められるようになると考えられます。

したがって、これからの税理士には、記帳代行や申告業務のようなサービスではなく、より税務に関する高い専門性を生かしたサービスの提供が求められるようになり、そうしたサービスを提供できない独立開業税理士や勤務税理士が生き残れる可能性は少なくなっていくでしょう。

独立開業税理士と勤務税理士、どっちがオススメ?

一人一人働き方や年収の希望が違い、営業・マーケティングの適性にも差があるため、独立開業税理士と勤務税理士のどちらがいいと一概にいうことは難しいことです。また、税理士の未来の働き方を考えると、税理士に求められるのは、記帳代行や申告代行業務ではなく、専門性を活かした付加価値の高いサービスを提供することです。

5年ほど前は、働き方の観点から、独立開業税理士を選択する方が多かったものの、現在は一般企業や税理士法人でもフレックス制度・時短勤務制度が整えられてきており、勤務税理士でも自信のライフプランに沿った働き方が実現できるようになってきています。そうした環境にまず身をおいてみて、税理士としての基本的な業務ができるだけのスキルを磨くととともに、士業として独立開業ができるだけのネットワークを構築したあとで、独立して開業をするという働き方も実現しやすくなってきました。また、一度独立してからもう一度勤務税理士に戻る税理士の事例も増えてきており、一度独立開業した経験から市場価値や年収があがる場合もございます

これは税理士に限ったことではないですが、キャリアの選択の際は、きちんとご自身のライフプランやそれぞれのキャリアのメリット・デメリットを整理した上で希望の年収や働き方を実現しやすいものを選択するのが良いでしょう。その上で、税理士という働き方が今後AIの発展によって抜本的に変わってしまう可能性を考え、付加価値の高いサービスを提供できるようにスキルを高めていかなければなりません。

そうすることによって、独立開業税理士であれ、勤務税理士であれ、高い報酬を手にすることができるはずです。顧客に対して高い価値を提供できる税理士であれば、AIの発展にも負けずに高い年収を保つことができるはずです。

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この記事を書いたライター

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