「ビジネスキャリア検定とはどんな検定試験なのか?」について具体的に解説しています。試験の難易度や合格率などの情報に加えて、転職活動を行うにあたってどの程度の価値がある検定なのか?についても解説いたします。これからビジネスキャリア検定を受験することを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ビジネスキャリア検定は、ビジネスマンに必要とされる知識を広く学ぶことができる検定試験です。
人事管理から経理財務、営業やマーケティングなど、業務内容別に分けられている検定試験で、それぞれBASIC級・3級・2級・1級の難易度が設定されています。
試験では「自分の担当部署で仕事をしていく上で、必須になる前提知識」が問われますので、すでに自分の担当部署が決まっている社会人向けの試験といえます。
これまでなんとなく目の前の仕事を処理してきたけれど、客観的にみて自分はどういう仕事をしているのか?という視点で学ぶこともできます。
また、これから就職活動を始める学生の方も「社会人として働くとはどういうことなのか?」のイメージを持つために勉強するのに活用することも考えられるでしょう。
上で見たようなビジネスキャリア検定の特徴にかんがみて、社内教育の一環としてビジネスキャリア検定を活用している企業も少なくありません。
などなど、業界でも名の知れた大手企業でも、従業員にビジネスキャリア検定の受験を推奨している企業が多くあります。
特に、社内での人事異動が活発に行われる大手企業の従業員の中には、「自分の異動先の業務の全体像を、短期間で知識として理解したい」というニーズを持つ人が少なくありません。
こうしたニーズを持つ人にとって、ビジネスキャリア検定の学習は最適な解決策となるでしょう。
その一方で、ビジネスキャリア検定は必ずしも知名度の高い試験とはいえません。
簿記検定やTOEICなど「社会人ならだれでも知っている」というぐらいの知名度がある試験とは違い、「ビジネスキャリア検定に合格しているから転職活動が有利になる(書類選考に通りやすくなるなど)」といったことは期待できないでしょう。
ビジネスキャリア検定は、「転職したい人向けの試験」というより、どちらかというと「現在働いている会社でもっとパフォーマンスの高い仕事ができるようになりたい人向けの試験」ということができます。
ビジネスキャリア検定は、企業で働くにあたって必要になる実務知識を広く学ぶことができる試験です。
ビジネスマンとして実力を身につけたい人が、体系的に実務知識を身につけるのに適した試験といえます。
ビジネスキャリア検定では、下記の「8つの分野」に分けて試験が実施されています。
それぞれの分野に4つの等級(BASIC級・3級・2級・1級)が設定されていますので、合計で32の試験があることになります。
もちろん、これらのすべてに合格しないといけないわけではありません。
ご自身が担当されている仕事内容や、将来的に転職や異動を実現したいと考えている部署の仕事にマッチする検定を選んで挑戦するのが良いでしょう。
ビジネスキャリア検定の実施機関である「中央職業能力開発協会」が発表している内容によると、等級ごとの「受験者の実務知識の目安」は以下のようになっています。
合格率は受験分野によってかなり異なるのですが、令和元年〜2年度前半の試験結果では、おおよそ以下のような合格率になっています。
1級試験になると、難関国家試験なみの合格率になっている受験分野もあります(令和2年度前期「1級営業・マーケティング」の14%など)
ビジネスキャリア検定は、決して簡単な検定試験ではありません。
1級試験まで合格を目指すなら、豊富な実務知識を身に付けるとともに、本腰を入れた勉強が必要になることを理解しておきましょう。
今回は、ビジネスキャリア検定について関心をお持ちの方向けに、検定の学習によって学べる内容や難易度、合格のために必要な勉強時間の目安を解説いたしました。
本文でも見たように、他の有名国家資格と比較して、ビジネスキャリア検定は名前の通った試験とはいえないのが実情です。
「ビジネスキャリア検定に合格しているからといって、転職が有利になる」といったことまでは期待できないのが実際のところでしょう。
その一方で、ビジネスマンの現場での実力を高める検定試験として、社員教育の一環として受験を推奨している企業も多くあります。
検定試験合格の価値は、必ずしも知名度だけではありません。
どんな目的をもって取り組むか?によって、勉強から得られるものは変わってきますので、ぜひ受験を検討してみてください。