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2020(令和2)年公認会計士試験は1,335 人が合格!コロナの影響で2021年日程変更も

HUPRO 編集部
2020(令和2)年公認会計士試験は1,335 人が合格!コロナの影響で2021年日程変更も

2021(令和3)年2月16日、2020(令和2)年公認会計士試験の合格発表が行われました。合格者は1,335名。男性 1,007 人 女性 328 人でした。2020年はコロナ禍で日程変更があった中、合格された皆様、本当におめでとうございます。本記事では。合格発表から試験の概況を振り返ります。

コロナ禍で日程が大きく後倒しになった2020年公認会計士試験

公認会計士試験(論文式)の日程は、例年8月。しかし2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で、3か月延期となり11月に実施されました。
それだけでなく、本来であれば3日間の試験日程も2日間に短縮。1日2科目が3科目になるというハードなスケジュールだったのです。
合格発表も例年は11月であるところ、3か月後ろ倒しの2月16日。
多くのイレギュラーな要因が重なりました。

公認会計士試験(論文式試験)の合格率は?

過去10年間の論文式試験の結果を一覧にしています。

出典:公認会計士・監査審査会 令和2年公認会計士試験の合格発表について

2020年の論文式試験の結果は、願書提出者からみると10.09%、実際に受験した人からの割合で見ると35.9%でした。「意外と多い?」と思われるかもしれません。しかし、これは短刀式に合格している人が母数です。

短答式に合格・あるいはすでに合格していて免除されている人であれば、まずは願書を出すでしょう。しかし、毎年1~2万人の願書提出社外ながら、実際の受験者数は3000~4500人前後。つまり、3/4はそもそも受験していないのです。

2020年はコロナ禍の中で受験者数が減少したかというとそうでもなく、2018年から3700名程度で推移しています。合格者数も1300名程度。2020年の合格者数は1335名。昨年より2名少ないだけでした。

公認会計士試験(論文式試験)の合格点は?

公認会計士試験の科目ごとの配点は以下のようになっています。

出典:公認会計士・監査審査会 令和2年公認会計士試験の合格発表について

合格基準は、得点数ではなく、偏差値により算定しています。
そのため、毎年若干の変動があります。

2020年の論文式試験の合格得点比率は51.8%以上でした。
ただし、試験科目のうち1科目の比率が40%未満のものがある場合は不合格になります。
平均的に得点しなくてはならないのです。
意外と低い?と思われるかもしれませんが、全体の平均比率は35~45%のため、51.8%というのはかなり高めの合格ラインといえます。

なお、科目の免除対象者については、合格ラインが若干高く設定されています。2020年は
55.9%以上の得点比率が必要でした。

※現行の試験制度では、社会人を含めた多様な人々が受験しやすい制度となるよう、大学教授、博士学位取得者、司法試験合格者等のほか、一定の専門資格者(税理士)、一定の企業などにおける実務経験者、専門職大学院の修士(専門職)の学位修得者に対して、試験科目の一部を申請により免除することとしています(なお、免除に当たっては、免除される要件を満たしているかどうかについての審査を行います。)。
出典:公認会計士・監査審査会 公認会計士試験に関するQ&A

公認会計士試験合格者年齢別比率

合格者を年齢ごとに区分してみた表が以下です。

出典:公認会計士・監査審査会 令和2年公認会計士試験の合格発表について

公認会計士は20代が強いと言われています。合格者のうち実に83.2%が20代です。
さらに、20代前半がほぼ60%。大学生のうちに資格を取得する方は全体の40%もいます。
公認会計士を目指すのであれば、学生のうちにしっかりと学習時間を取ることが合格への近道となる傾向は今後も続くでしょう。

公認会計士試験合格者男女比率

日本公認会計士協会は、2030年度までに公認会計士試験合格者の女性比率を30%へ上昇させるというKPI設定をしています。

2020年(令和2)の論文式試験については、願書提出者数 13,231 人のうち、男性 10,090 人 女性 3,141 人 女性比率は 23.7%でした。
合格者1,335人のうち、 男性 1,007 人 女性 328 人 、女性比率 は24.6%。
30%への目標へは道半ばですが、確実に女性比率は上昇しています。

出典:日本公認会計士協会 女性会計士の活躍について
出典:公認会計士・監査審査会 令和2年公認会計士試験の合格発表について

2021年(令和3)の公認会計士試験は短答式が1回に変更!締め切り迫る!

例年は2回行われている公認会計士試験ですが、2020年(令和2)の第Ⅱ回短答式試験及び論文式試験は、新型コロナウイルス感染症拡大によって大幅に日程を延期されました。

そのため、2021(令和3)年の公認会計士試験は、短答式試験が2回から1回にされ、論文式は例年通り8月に行うことになりました。
短答式試験が1回となることから、合格基準については、より弾力的に運用する旨が発表されています。つまり、例年よりも合格基準が下がる可能性が高いです。

出典:公認会計士・監査審査会  令和3年公認会計士試験の実施に係るお知らせ

短答式試験

2021( 令和3)年5月 23 日(日)

企 業 法 9:30~10:30
管理会計論 11:30~12:30
監 査 論 14:00~15:00
財務会計論 16:00~18:00

願書受付期間:2021( 令和3)年2月 25 日(木)まで
インターネットによる受付が可能
合格発表:2021( 令和3)年6月 18 日(金)(予定)

論文式試験

2021( 令和3)年8月 20 日(金)

監 査 論 10:30~12:30
租 税 法 14:30~16:30

2021( 令和3)年8月 21 日(土)

会 計 学 10:30~12:30
会 計 学 14:30~17:30

2021( 令和3)年8月 22 日(日)

企 業 法 10:30~12:30
選択科目(1科目) 14:30~16:30
(経営学、経済学、民法、統計学)

合格発表:2021( 令和3)年 11 月 19 日 (金)(予定)

ただし、本年の試験においても、新型コロナウイルス感染症の状況によっては、日程などが変更となる場合があります。その場合は、公認会計士・監査審査会サイト、官報にてお知らせされますので、注意してみておきましょう。

2020年(令和2)の公認会計士試験についてまとめ

新型コロナウイルス感染症の影響で、試験日程が大幅に変更になった2020年。
しかし、結果的には以下のように例年とほぼ変わらない結果となりました。

・合格者数・合格率は例年通り
・学生~20代の合格率が顕著に高い
・女性の比率は30%を目標として伸びている

公認会計士試験は、三大難関資格の一つとも言われており、勉強にしっかりと取り組む必要がありますが、その分得るものも大きいです。2021年においては短答式試験の回数が1回になるなど、新型コロナウイルス感染症の影響はまだまだ続きそうです。しかし、短答式試験における合格基準の弾力的な運用がアナウンスされるなど、チャンスがあるともいえます。

この記事を書いたライター

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