士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

安定の銀行員生活を捨て、士業の道へ!税理士を目指したきっかけや、やりがいなどインタビューしました!

HUPRO 編集部
安定の銀行員生活を捨て、士業の道へ!税理士を目指したきっかけや、やりがいなどインタビューしました!

金融業界に興味を持ち、銀行員として働きながらも、銀行の世界に限界を感じ始め、税理士を目指すことになった山中啓二郎さん。今回はそんな大きな決断をした山中啓二郎さんにこれまでの経歴や、税理士を目指したきっかけ、活躍できる税理士像などをインタビューさせていただきました。

【ご経歴】

2013年 早稲田大学を卒業
同年 地方銀行へ入行
2015年 税理士試験の勉強を開始
2017年 中規模税理士法人へ転職
2019年 現在所属する税理士法人へ転職
同年 税理士試験官報合格
2020年 税理士登録

学生生活について

─これまでのご経歴について教えてください。
大学卒業後に地元の銀行へ就職し、税理士の勉強をしながら、約2年働いていました。その後、勉強に専念するために、仕事をやめて税理士試験の勉強を2年ほどしていました。それから、中規模税理士法人へ転職、そして現在の税理士法人へ入社し、税理士登録をして今に至ります。

─どのような学生時代をお過ごしでしたか?
小中学校は地元茨城県の公立の学校に通っていました。その頃は野球部に所属し、野球中心の学生生活を送っていました。その後、私立の高校へ行き、大学は早稲田の社会科学部へ行きました。社会人になるまで茨城に住んでいたので、大学に通うのに毎日1時間以上かけていましたね。

大学時代はサークル活動やアルバイトに力を入れていたので、将来のことはあまり考えておらず、ぼんやり過ごしていた気がします。ただ大学受験の時の経験は、税理士試験の時にも活きたかなと思っています。自分の勉強が結果に結びつく喜びを味わえましたし、勉強をする習慣というのも大学受験の時に身についたものじゃないかなと思います。

大学4年生の時に、銀行に就職することが決まり、銀行に就職するなら何か金融系の資格を持っていたほうが良いと思い、その年の冬に簿記3級と2級を取得しました。

ある言葉に感銘を受け金融業界へ

─就職先を選ぶ軸を教えてください。
就職活動をする際に、感銘を受けた言葉がありまして「個人や法人が生きていくうえでお金が血液だとするなら、金融業界はその血液を世の中に循環させる心臓」というのを聞いて、金融業界に対して興味を持つようになりました。

また金融業界は目に見えないサービスを扱うので、自分自身の人間力が商品でもあると思いました。そのため自分の人間力で勝負ができる金融業界が良いなと思い、金融業界を中心に就職活動を始めました。

─銀行員時代の業務内容について教えてください。
1年目の途中までは、銀行の1階での窓口業務やATMの案内などをしていました。そのあとは営業課に配属されて、法人や個人の事業主や資産家に対して融資の営業や、投資信託・保険・外貨預金などの営業をしていました。他には格付け業務といって、会社の決算書を元に信用力の査定をする業務もやっていました。

融資業務はいろいろな人のチャレンジを自分が手伝えることにやりがいを感じていましたね。お金を借りるっていうのはある意味人生をかけた大きな挑戦といえるので、そういった挑戦に自分が関われるのは楽しかったです。

─銀行員として働きながら勉強を開始したとお聞きしましたが、税理士を目指したきっかけは何でしたか?
銀行員として働いていた時に、部分最適でなく全体最適でサービスを提供したいと思い始めたことがきっかけです。先ほど言ったように、法人や個人の方の挑戦などの重要な意思決定に関われるのはすごくやりがいを感じていたのですが、その一方で銀行での限界も感じていました。

実は融資よりももっと良い方法があったり、他の銀行のほうが金利は良かったりとか思いつつも、やはり当行の銀行員としての仕事をしなければならないですからね。そこで自分たちの商品の枠にとらわれずに、あらゆる選択肢を提供して、そこから最適な答えをお客様に選んで頂きたいと考え、個人や法人の重要な意思決定に携われる税理士として活躍したいと思うようになりました。

─具体的にいつごろから受験勉強を始めましたか?
社会人2年目の終わりごろですね。24歳だったと思います。最初はある程度銀行で働きながら合格していこうと思っていたのですが、最初の3か月ぐらいで働きながら取得するのは無理だと感じてしまいましたね。

もう自分の中で、税理士になる事は完全に決めていたので、ずるずる仕事をしながら長い間勉強するよりは、仕事を辞めて勉強に専念するほうが良いと思い、それからは勉強一筋で頑張りました。

─受験勉強の仕方や工夫について教えてください。
まずは、勉強に集中できる環境を整えることですね。私は家だとテレビ、漫画、パソコンなど勉強の邪魔になるものがたくさんあって、勉強以外のことをしてしまう環境が整っていました(笑)したがって、とにかく予備校で毎日朝から晩まで、勉強をしていました。

また、携帯電話を持ち歩かないようにしていました。携帯電話があるとついつい調べ物をしたりネットサーフィンしたりTwitterやったりと、すぐに勉強から離れてしまうので、携帯電話を携帯しないように心がけていました(笑)ただ、本当に何かを調べたいときには、携帯電話が無いため、不便さを感じてはいましたが、それぐらい徹底しないと自分は勉強に集中できなかったですね。

あと、満員電車の中やお風呂などの、教材を開いて勉強できない場所でも、常に頭の中で勉強をするように意識していました。暗記した公式や条文などが頭の中でスラスラ出てこなければ、次回の勉強項目にするなどしていました。

─税理士試験で最も大変だったことはどんなことがありましたか。
誘惑を断ち切るのが大変でしたね。勉強仲間や学生時代の友人の誘いを断るのが本当につらかったです。誘いに乗って「1回ぐらい遊んでも良いか」という気持ちが生まれてしまうと、今後も何度も続けてしまうと危惧していました。とにかく自分には合格するしか道はないと奮い立たせ、誘いを断り続け必死に勉強していましたが、特に友人の結婚式を断った時は本当に苦しかったですね。

税理士試験で最も大変だったことはどんなことがありましたか

税理士試験に合格し現在の税理士法人へ

─今の税理士法人の特徴や強みはなんですか?またその勤務先を選んだ理由を教えてください。
今の税理士法人は15人くらいの規模なのですが、そのうち11人が税理士です。そのため、他の事務所と比べると税理士の比率が高いことが強みだと思います。今の勤務先を選んだ理由は、大手と比べると小規模の事務所なため、大手の縦割りの業務分担と異なり、個人や法人の一般的な税務顧問を初めとして、相続業務など様々な業務に携われるためです。また、経験豊富な税理士が多く在籍しているため、1人ではなくいろいろな人の考えを学べ、成長できる環境だと思い選びました。

─普段のお仕事でどんな時に一番やりがいを感じますか?
今は税理士になりたてのため、できないことも多くありますが、新しい仕事や複雑な仕事をやり切るときにやりがいを感じます。仕事をやり遂げた先に税理士としてより大きくなれると思っているため、新しい仕事や複雑な仕事をもっとこなして、成長したいという気持ちは常に持っています。

─税理士資格を取得する前と後で変わったことはありましたか。
正直あまり変わってないかなと思っています(笑)税理士になったばかりで、あまり大きな変化は感じていません。ただ、人からは税理士として見られるようになりましたし、名刺にも税理士と記載するようになったので、税理士という肩書きに負けないために、これからもまだまだ勉強の日々だなと痛感しています。

これからのビジョン

─5年後、10年後どんな税理士になりたいという将来ビジョンはありますか?
将来は、資産税に強い税理士になりたいと思っています。
今振り返ると、税理士試験で勉強したことは非常に重要で、特に選択科目で勉強したことは強みになると思います。そのため早く合格したいがために、ボリュームの少ない科目を受けたり、合格しやすい科目を受けるよりも、自分がどういった税理士になりたいか考えて、相続税法を選択しました。

相続税をはじめとした、資産税に関する業務は人によって考え方や計算方法に違いが出やすい分野で、不動産などの評価をする際には、10人いれば10通りの計算結果が出るともいわれています。難しい分野だと思いますが、だからこそ挑戦しがいがあると考えています。

また、今後は人生100年時代ともいわれていますし、高齢になればなるほど認知症のリスクも高まってきます。こういった状況になる前に、お金に関して考えておく必要は出てきますので、資産税に関する需要は増えてくると考えています。そのため、税理士として複雑かつ高度な資産税に関する要望に応えられるよう、日々スキルアップに努めています。最近は宅地建物取引士の資格も取りました。今後も新しい知識をどんどん吸収していきたいですね。

─今後活躍できる税理士像を教えてください。
変化を恐れない税理士が活躍できると思っています。最近はIT化が進んで、クラウド会計であったり、テレワークであったりと、今までにない仕事の進め方が可能となっています。こういった新しいことに、いち早く対応できるのが活躍できる税理士なのかなと。

新しく画期的な仕事のやり方、進め方ができるのに、今までのやり方に固執したり、変化を恐れてしまうと、時代に乗り遅れて、活躍の場が無くなってしまうと思っています。実際に、新しいやり方が広まって、お客様から提案された時に対応できないと、お客様が離れていってしまいます。

他の職業にも言えるとは思いますが、こういった事にならないよう税理士は常にアンテナを張って、新しいことには挑戦するべきかと思っています。

─最後に受験生へメッセージがあれば教えてください。
税理士試験は長期間の勉強期間が必要で、時には挫折して投げやりになったり、あきらめかけたりすることもあると思います。そんな時には、税理士を目指したときの熱い想いを再度思い出してください。また税理士になった時に自分が活躍している姿を想像してみてください。

自分が税理士になりたい理由や、将来やりたいことが明確なら、自然とやる気が湧いてくるはずです。周りに流されずに自分を信じてあきらめずに頑張ってください。

─本日はお話を聞かせて頂きありがとうございました。

今回インタビューさせて頂いた山中啓二郎さんの
Twitterはこちら

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINEを運営している株式会社ヒュープロ編集部です!士業や管理部門に携わる方向けの仕事やキャリアに関するコラムや、日常業務で使える知識から、士業事務所・管理部門で働く方へのインタビューまで、ここでしか読めない記事を配信。
カテゴリ:キャリア

おすすめの記事