インターネットを利用して確定申告が行える電子申告(e-Tax)。いろいろ面倒くさいという声が高かったのですが、実は順次改定しており、2021年からはだいぶ使い勝手が良くなっています!今回は2021年の申告からの変更内容について解説します。
コロナ禍の中で、混み合う税務署や申告会場に行かなくとも確定申告ができる電子申告(e-Tax)の必要性はますます高まっています。いつでも申告ができますし、書面で提出した場合より、還付金を早く受け取ることができるというメリットがあります。
また、2021年の申告からは青色申告の特別控除額が、電子申告の場合は据え置きな(65万円)のに関わらず、書面の場合は10万円マイナス(55万円)になるため、これを機に電子申告に切り替えたい人も多いのはないでしょうか。
出典:令和2年分の所得税確定申告から 青色申告特別控除額・基礎控除額が変わります
10万円の控除額は、所得税だけではなく、住民税や健康保険にも影響するもの。
実は、基礎控除の金額について、2020年分からは、所得税38万円→48万円・住民税33万円→43万円と一律に引き上げられるため、確定申告時にはあまり変わらないように思えるかもしれません。
しかし、ベースが変わらないのであれば、10万円分の所得を減額できて節税になる特別控除を使わない手はありません。
しかし、よく聞かれるのが「確定申告の電子申告は面倒くさい」という声です。
しかし、ここ数年で劇的にシステム改善が行われ、2021年の申告からはかなり便利になる見込み。具体的にどのような改善が行われてるのか見てみましょう。
インターネット経由でいつでも申告~といいつつ、実は今まで、IE(Internet Explorer)のみの対応だった電子申告(e-Tax)。
Webブラウザの市場は Google Chromeがダントツトップですが、対応していませんでしたし、同じMicrosoftのEdgeにも未対応でした。これが、おそらく最も電子申告を阻んでいた要因と思われます。
ようやく2021(令和3)年1月から、Google ChromeとMicrosoft Edge(Chromium)においてもe-Taxソフトが対応可能になりました。
日常的に使うブラウザで対応可能になったのです。
ともに出典:e-Taxソフト(WEB版)を利用するに当たって
e-Taxを利用するためには、利用者識別番号(半角16桁の番号)が必要です。
この番号を取得するためには、以下の7つの方法があります。
・WEBからマイナンバーカードを使って取得(※)
・WEBから利用者識別番号を取得する(※)
・マイナポータルの「もっとつながる」機能からe-Taxを利用(※)
・WEBからID・パスワード方式の届出を作成・送信
・税務署に行って、ID・パスワード方式の届出を作成・送信
・書面で利用者識別番号を取得
・税理士に依頼し、利用者識別番号を取得
出典:国税庁ホームページでの申告書作成・e-Tax送信がますます便利に!
出典:e-Tax ご利用の流れ
これまでパソコンなどでマイナンバーカードを読み取る際には、ICカードリーダライタが必要でした。
しかし、上記(※)の方法については、「マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン」をICカードリーダライタの代替として利用することができるようになります。
スマホの機種については、iPhone7以降です。Android端末については、こちらの「スマートフォンの選定」を確認してみてください。(ICカードカードリーダライタの機種も確認できます)
なお、e-TaxのiPhone対応は2020年1月以降なので、確定申告の解説をしているサイトなどではAndroid端末のみと書いてある場合もあります。ご注意くださいね。
「スマホで確定申告ができるようになりました!」というトピックをご覧になった方も多いかもしれません。
スマホの確定申告は、2020年1月現在、以下の2点を満たす方向けです。
・対象は年末調整済みの給与所得者のみ
・医療費控除またはふるさと納税対応
スマホ画面の最初に「消費税、贈与税、収支内訳書、青色決算書はパソコンへ」とあるように、個人事業主の確定申告にスマートフォンは対応していません。
出典:スマートフォン専用画面
電子申告は、24時間受け付けていますので自分の都合の良い時間に申告ができます。
確定申告会場で何時間も並ばなくて良いのです。
また、電子申告であれば、還付金がある場合の受け取りもスピーディー。早ければ2週間程度、遅くても1か月ほどで処理されます。
新型コロナウイルス感染症の影響で、税務署や申告会場での混雑は避けたいもの。今年の確定申告はぜひ電子申告にチャレンジしてみて下さい。