日商簿記検定の2級・3級で実施されているネット試験では、カンニングができない仕組みになっています。CBT方式で実施されるため、自宅ではなく試験会場で実施されるからです。また、試験会場では、自分と同じ簿記試験を受ける人だけでなく、他の資格試験を受ける場合もあります。
この記事では、日商簿記検定の2級・3級で実施されているネット試験でカンニングができない理由を詳しく解説します。
日商簿記検定の2級・3級で実施されているネット試験では、カンニングができません。
カンニングができない理由は以下の通りです。
・自宅で試験を受けるわけではない
・ネット試験では受験者ごとに異なる問題が出題される
・試験会場では簿記以外の試験も実施されている
・持ち物検査が厳重に行われている
なぜカンニングができない仕組みなのかを解説します。
自宅ならカンニングしてもバレないと思うかもしれませんが、日商簿記検定のネット試験は、自宅で試験を受けるわけではありません。全国のテストセンターで試験を受けるCBT方式です。
自宅のパソコンで試験を受けるのであれば、テキストや参考書を見ながら試験問題に解答することもできるでしょう。実際に、試験中にテキストや参考書を見るといったカンニング行為が可能な可能な試験もあります。ただし、カンニングができるような試験は限られていますし、資格としての価値も低いです。
日商簿記検定のネット試験は、CBT方式です。CBT方式とは、全国のテストセンターで、コンピューターを利用して試験を受ける形式になります。「ネット試験」という表現のせいで、自宅で試験を受けられると誤解されやすいですが、実際には会場に足を運ぶ必要があります。
ペーパー試験では、全国同時に同じ問題で行っていましたが、ネット試験では受験者ごとに異なる問題が出題されます。
試験会場で隣の人の机を覗き込んだとしても、別の問題が出題されているため、カンニングをする意味はないということです。そもそもパーティションで区切られており、解答はパソコンに入力するため、覗き込むこと自体が難しいでしょう。
出題範囲については、ペーパー試験と同じです。
簿記検定試験出題区分表(2020年度適用)を見てみると、ネット試験への移行前に変更の経緯は見られません。現在の出題範囲は2021年2月28日までと明言されているため、それ以降変更されることも考えられます。
ネット試験の準備を行う場合は、出題区分表を確認しつつ、常に最新基準に沿ったの参考書・問題集を使うようにしましょう。
これまでは、手元の解答用紙を見ながら集計をしたりできましたが、ネット試験ではディスプレイに表示された試算表や決算書を見ながらの集計となります。つまり、解答用紙にメモして後で消すといった使い方ができないのです。
そのため、自宅などでの勉強においては、紙ベースではなくPCやタブレット、スマートフォンなど画面を見ながら集計する勉強方式に変更し、要領をつかんでおく方が良いでしょう。
日商簿記検定のネット試験の会場では、簿記試験だけが行われているわけではありません。ペーパー試験であれば、会場で行われている試験は同じです。しかし、ネット試験の場合は、同じ会場内で、複数の試験が行われています。別の試験が行われている可能性を考えると、実質的にカンニングはできないと考える人の方が多いでしょう。
日商簿記検定のネット試験の会場では、持ち物検査が厳重におこなわれます。ペーパー試験では、試験直前までテキストや参考書で勉強することが可能です。しかし、ネット試験では、私物の試験会場への持ち込みができません。私物は事前にロッカーへ入れて、手ぶらの状態で試験会場へ入室する必要があります。不要な物は持ち込めないので、カンニングはできない仕組みです。
ネット試験と聞いて、カンニングできるのだろうか、カンニングできるなら試験を受けてみようと考える人もいるかもしれません。しかし、日商簿記検定のネット試験は、カンニングができない仕組みです。試験日程や会場、形式が違うだけで、従来のペーパー試験と変わりはありません。カンニングなどに頼らず、しっかり勉強して試験に臨みましょう。
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