AIの導入によって、将来なくなってしまう職業が発表されています。実に多くの職種がAIを導入し、人件費を削減していくであろうと考えられているのです。では、AIの導入が今後、より増えていくにつれて人事職の将来はどうなるのでしょうか。今回は、人事職の将来性について解説していきます。
人事職といっても、さまざまな仕事内容があるため、実際に人事職として働いていなければ、はっきり把握できていないかもしれません。では、人事職の業務内容がどんなものか、ここから知っていきましょう。
人事職は、新卒や中途採用の際、その応募者を採用するかどうかについて深く関わります。会社の成長には、優れた人材が必ず必要です。また、多くの応募者のなかから活躍できそうな人材を採用し、そしてその人材を成長させていくことが求められます。新人社員のための研修はもちろん、一般社員への研修、役員への研修、マネージメント研修などのさまざまな研修の実施が求められます。
社員の業務を効率よく進めるためには、人材を適材適所に配置することが欠かせません。社員の貢献度や、直属の上司による評価をもとにして給与金額を決める業務も人事職の業務です。
近年では、年功序列ではなくインセンティブ制度によって役職や給与を決める企業が増加しています。社員がどれだけ目標達成をすることができたのかにより、ボーナスの給与額も決定しなければなりません。また、健康保険や福利厚生に含まれていることや、勤怠管理も含まれます。
人事職は、今お伝えしたように業務の幅がとても広く、正確性が求められる業務です。ルーティンワークで済ませられる部分もありますが、勤務している社員や社外の人とのコミュニケーション能力も求められるからです。そのため、企業の顔として明るく笑顔で人と接することができる人が向いているといえるでしょう。ただ、このような場で得られた情報は機密事項と扱われる場合が多いです。そのため、情報を漏らさずに業務を進められる自己管理が徹底できた人が向いています。
また、社員の管理を行うなかで、論理的に給与やボーナス額、そして人事異動を考えられる人が人事職には適しています。人事職の決定で社員の報酬が決まるわけですから、責任は重大です。高い能力をもつ人材がいても「公平に評価されていない」と感じさせてしまうと、企業から転職されて企業の成長に影響を与えてしまう可能性が高くなってしまいかねません。
冒頭でも述べた通り、AIの導入によって人材削減が進んでいる業界や企業は増加しています。例えば、給与明細の作成は契約社員が担う場合が多いのですが、このような人材との契約が不要になり、人件費削減につながるためです。また、履歴書ではなくAIを導入したインターネットによるエントリーシートを導入すれば、履歴書のデータ管理も効率よく行うことができるようになります。
ただ、人材削減に力を入れすぎて、会社の業務に支障がでている会社も増えています。これは、AIの導入だけでは企業がうまく回らないという証拠といえます。つまり、人事職は、AIの導入によって採用枠が多少は減少することもありつつも、重要であることに変わりはないのです。そのため、今後は大きな人事削減とはならず、将来性はある程度まで安定するであろうと考えられています。
今後、すべての事務職の業務がAIによって進むということはないでしょう。AIを導入するにしても、そのAIを導入する社員が必要となるためです。ただ、すでに今現在、AIを導入して新卒採用を縮小している会社も増えつつあることは事実であり、リストラに近い人材管理が行われています。
そのため、人事職としてキャリアアップを目指すのであれば、ルーティンワークばかりをしていてはいけません。そのような業務はAIを導入することにより、必要がなくなるためです。資格取得をしてスキルを身につけたり、自ら積極的に企画を進め、会社に良い意味で大きな影響を与えられるほど経験を積む必要があります。
もし転職を考えているのであれば、先ほどのスキル習得レベルは必須であると考えていいでしょう。例えば、社員教育やメンタルヘルス・マネジメント検定などのスキルを取得していたり、数字などで証明できるような経験を積んでいたりする方が、より転職の可能性は高まるといえます。
今後、AIの導入はますます増えていくことでしょう。しかし、人事職にコミュニケーション能力が必要とお伝えしたように「AIではなく人」でなければできない業務もあります。また、社員のメンタルケアに力を入れていく企業も増えていくと考えられているため、人事職の将来性はがなくなるようなことはあり得ません。
ただ、こういった「AIではなく人」でなければできない業務に携われるようなスキルを磨く努力を怠っていては、その事務職の人の将来性は明るいとはいえません。人事職で今後も活躍し、キャリアアップをしたいと考えられるのであれば、企業全体に関わるようなスキルを身につけていくようにしていく必要があるということを意識していきましょう。