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確定申告と年末調整の違いとは?両方必要なケースも要チェック!

HUPRO 編集部
確定申告と年末調整の違いとは?両方必要なケースも要チェック!

会社員の方は、年末調整で毎月の給与から天引きされていた所得税の支払・還付が自動的に行われますので、確定申告の必要がありません。今回は、確定申告と年末調整の違いを解説するとともに、年末調整がある人でも確定申告が必要・もしくはした方が良いパターンについて見ていきましょう。

年末調整と確定申告の目的は一緒!違うのは対象者と手続き方法

年末調整も確定申告も「その年の所得を明らかにして納税額を決定する」という目的がありますが、対象者と手続き方法が異なります。具体的に見ていきましょう。

年末調整について

個人の所得税は1~12月の所得に応じて決まります。
しかし、会社員、公務員などの給与所得を得ている方は「源泉徴収」という仕組みで、毎月あらかじめ先に引かれています。
12月給与が確定すると、その年の所得も判明しますので、その時点でこれまで引いた金額と正しい金額を付け合わせして差額を還付したり、差し引いたりするのが年末調整の役割です。

なんで年末調整をするの?

「なぜいったん引いて、また差額を戻すという面倒なことをしているのか?」と思われるかもしれません。
理由の1つは、税務署の業務効率化のためです。毎年確定申告会場が混み合っているというニュースがありますよね。給与所得者も全員確定申告と言うことになると、到底さばききれないからです。
ただ、日本は年末調整をしてくれるのでまだ良心的。例えばアメリカは年末調整がないので、源泉徴収されたものは自分で確定申告しないといけません。

年末調整では必ずしもお金が戻ってくるわけではない

「12月は年末調整があるから給与が増える」という方は多いですが、それまでに毎月引かれていた所得税が多かったので、お金が戻ってきているということになります。
逆に、年度の途中で臨時ボーナスなどがあって所得が増えた場合は、年末調整でお金を引かれることもあるのです。

年末調整の対象は所得税だけなのはなぜ?

年末調整の目的は、その年の所得を確定することによって、これまで源泉徴収で天引きしていた所得税の金額を確定することです。
「なぜ所得税だけなの?」と思われるかもしれません。
実は、住民税は前年の収入、社会保険料はその年の4~6月の収入に応じて決まっているため、年末調整の必要がないのです。ややこしいですね。

確定申告について

次に、確定申告です。
個人の1年間の所得を計算し、税金の金額を確定させる申告手続きが確定申告です。
個人事業主などで年末調整がない人や、給与所得者でも年末調整の対象外の人は、1年間の所得を自分で計算して申告・納税する必要があります。
年末調整はその名の通り「年末」つまり12月に行われますが、確定申告はその年の所得が確定してからおこなうのです。
納税がある人は、税金として支払うためのお金を用意する必要があります。
給与天引きで引かれているものを、一括で支払うイメージです。
また、所得を申告した年の6~7月には、住民税と健康保険の支払いも必要になるため、個人事業主の場合は、まとまったお金が出ていくことが多いのです。

年末調整しても確定申告は必要?

年末調整しても確定申告は必要?

会社の源泉徴収と年末調整でほとんどの人が所得税の計算を済ませられますが、年収や副業により確定申告をしなければならない人もいます。
例えば、以下の人は、自身での確定申告が必要です。


・年収2,000万円を超える人
・副業や、年末調整をされなかった所得合計が20万円を超える人
・雇用ではなく業務委託されているなどで年末調整されていない人
・退職して年末までに再就職していない人出典:国税庁 確定申告が必要な方

年末調整しても確定申告は必要?

必ず確定申告しなくてはいけない人は、納税していない人・もしくは納税済みの金額が実際の所得よりから計算される金額よりも少ない人です。

逆に、給与が年末調整されており、確定申告をする義務はない人であっても、年末調整できない控除(ふるさと納税や医療費控除など)がある場合は、そのままだと税金を多く払っている状態。

確定申告により税金が戻る場合がありますので、手間を惜しまずにした方が良いでしょう。
確定申告で所得控除されることで、翌年の住民税や社会保険の金額にも影響します。

面倒なばかりではない確定申告

筆者も、企業に勤めていたときは確定申告は面倒な作業だとばかり思っていました。確かに税金も社会保険も給与から天引きされ、納税も自動で行ってくれる状況は楽ではあるのですが、自分の使っているお金や節税についての意識が育ちにくいといえます。

これからは、企業に勤務していても業務委託契約への切り替えだったり、副業の解禁により年間20万円以上の収入を得て確定申告をされる方も増えるはずです。

年末調整と確定申告は、手続きは違っても目的は一緒。自分の所得と納税額を意識して、収入と支出の管理をしていきましょう。

この記事を書いたライター

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