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経営企画とは?仕事内容とキャリアパスについて解説します

HUPRO 編集部
経営企画とは?仕事内容とキャリアパスについて解説します

経営企画は、会社の経営の舵取りを行う仕事。特にこれからは、時代の変化に合わせてどう企業経営すべきかは、どの企業にとっても大きなテーマです。今回は、経営企画の仕事内容と求められるスキル、キャリアパスについて解説します。

経営企画の仕事内容とは?

会社によってその役割が異なることもありますが、経営企画の仕事は大まかに3段階に分けられます。

1. 経営企画・戦略の立案

これからどのような企業を目指すべきかという中長期の視野に基づき、経営目標や実施計画などの「経営戦略」を立案します。

「企画」と言っても、経営企画の場合は、クリエイティビティやひらめきといった感覚的なものではなく、客観的なデータ指標や過去の経験則から導き出されることが多いです。
そのため、経営企画の立案には、膨大な調査やデータ分析が必要となります。例えば、営業データや人材資源の現状、競合状況などです。

場合によっては、設備投資を行ったり、企業買収や業務提携、事業や不動産の売却など多額のお金を動かすこともあるため、調査・分析・企画については、コンサルティングファームなどの外部機関と共同で行うことも。

経営陣が判断するための資料を作成することが、この段階での業務となります。

2.経営会議の運営

次に、策定した経営企画・戦略を経営陣に提案・共有するための、経営会議の運営です。
この場では、経営陣へのプレゼンテーションを行います。

説得力のある提案を行うためには、後述するようにプレゼンテーション能力が問われます。
経営陣からの質問に的確に答えることができるように、準備をしっかりとしておく必要があります。

3.経営戦略の実施

経営方針・経営戦略が定まったら、実施に向けて具体的な施策を行うことになります。
実務を行う部門レベルまで業務を分割し、部門間での予算配分、人的リソースの配分など多様な調整業務が必要です。

必要に応じて、コンプライアンス管理や人事・労務状況の改善、部門の統廃合や新設なども伴うため、全社最適化を行うためにあらゆる部門への働きかけが必要となります。

「上が決めたことだから」と丸投げしても、組織は動きません。全社を挙げて取り組むべき課題を解決するために、どのようにすれば建てた目標・戦略が効果的に実現できるかを考え、時には反発を受けながらも取り組むことになります。

経営企画の人材に求められるスキルとは?

経営方針は、会社のこれからの未来を決めます。そのような経営企画の仕事には、高い専門性が求められます。専門性といっても何らかの資格ではありませんが、以下のスキルに秀でている必要があるでしょう。

経営関連知識

経営視点に立って業務を進めるため、経営や財務、企業法務やファイナンス、営業やマーケティングにおける専門知識が必要とされます。
スペシャリストというよりは、ゼネラリストとして、経営陣や専門家と議論ができるレベル感で考えると良いでしょう。
法務や経理・財務、マーケティングなどの実務経験がある人が、その素質を見いだされ、経営企画に抜擢されることも多くあります。

情報収集・分析スキル

経営者が判断を下すための材料集めも、経営企画の重要な仕事の一つです。
具体的には、自社の業績や財務データだけでなく、市場や競合の動向などの情報を収集して、分析する能力が求められます。

経営目標や戦略を立案した場合は、「アカウンタビリティ」(説明責任)を果たす必要があるからです。
カリスマ経営者でもないかぎり経営戦略には「なんとなく」「ひらめきました」という理由は認められません。
経営目標や戦略を企画立案した根拠、それらを遂行・達成するためのKPI設定や、目標を実現するためのリスクなどを具体的に説明できるようにしておくためにも、情報収集・分析スキルが求められます。

論理的思考力

前項の 情報収集・分析スキルにプラスして、数字とともに戦略や施策をロジカルに説明できるようにするための論理的思考力は欠かせません。
特に、中長期的な計画においてはすぐに成果を見いだすことは難しいこともあります。
そんな中で、自社が抱えている経営に関する課題を解決するため、どうしてこの経営戦略が必要なのかを経営陣だけでなく、社員そしてステークホルダーまでも納得させるようなプランを構築しなくてはなりません。
調査・収集したデータをどのように分析し、説明まで落とし込むかという部分において、高い論理的思考力は、非常に重要なスキルなのです。

プレゼンテーション能力

どんなに素晴らしいデータ分析を行って、論理的な戦略を考えたとしても、経営陣への説得を行うためのプレゼンテーションができなければ採用は難しいでしょう。
また、プレゼンテーションを行うのは経営陣だけではなく、立案した計画や戦略を実施する部門への説明も求められる場合があります。
会社の経営をになうということは、多くの人たちの人生を背負うことでもあるのです。
「この企画を行うことが企業の、ひいては社会のためにもなる」ということを納得させ、全社を巻き込んでプロジェクトを推進するためにも、プレゼンテーションは大きな役割を果たします。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力

プレゼンテーション能力と並んで必要なのがコミュニケーション能力です。
数字とロジックに強く、経営陣を納得させるようなプレゼンテーションができたとしても、実際の事業部門の人たちとの架け橋となれるようなコミュニケーション能力がないと、せっかくの経営プランも実施できない可能性が高くなります。

経営戦略の実施には、事業部門の長や実務担当者の協力が欠かせません。部門の人員削減や業務負担増などをお願いすることもあります。現場との調整を行いつつ、経営プランへの取り組みについてモチベーションをあげるためにも、共感をベースにしたコミュニケーション能力は欠かせません。

経営企画と言っても、大上段に構えて命令するわけではなく、地道な応対が必要なのです。

英語力は必要?

外資系企業で、英語圏の本国とのやりとりが生じる場合は、英語力が求められる場合もあります。
しかし、日系企業においては英語力よりも、これまでにあげた能力の方がより重視される傾向が強いです。もちろん、同じ能力の人が2名いたら英語ができる方がプラスαとして見られますが、英語よりもプレゼンテーション能力が秀でているほうが重要といえます。

経営企画へのキャリアとは

経営企画に携わるうえで必要な資格などはありません。しかし、未経験歓迎!という仕事ではないというのは、これまでの内容でおわかりいただけたのではないでしょうか。

それでは、経営企画の仕事をするためにはどうしたらよいのか、現在の会社でのキャリアパスと、転職してのキャリアパスについて見てみましょう。

社内でのキャリアパス

経営企画部のメンバーをまず見てみましょう。実際に将来の幹部候補と言われる方たちが所属しているのではないでしょうか。一般的には、採用時の学歴や入社試験の成績などで企業はある程度目星をつけています。
最初は現場に配属されるなどするかもしれません。しかしその後の異動は、経理や財務、マーケティングや人事など、経営に関する部門を歴任し、そこであげた実績を見ながら、ほどよい年次で経営企画への異動が決まるという流れです。

つまり、ある程度の規模の会社では、わりと最初のうちに選抜がされているといえます。もしこれを読んでいる方が「将来は経営企画に」という場合は、
・現在の部門で著しい成果を上げることがひとつの目標となります。

そして、異動についても「経営企画に行きたい」といきなり希望しても難しいので、自分なりに勉強をしつつ、まずは未経験者でもいきやすい、経理などの経営に近い部門への異動を目指すのがおすすめです。
社会人大学院などでMBAや中小企業診断士などの資格を取得して前向きな姿勢を見せるのも良いでしょう。

転職でのキャリアパス

経営企画への転職は、ポテンシャル採用はまずありません。
転職できるのは、経営企画の経験者、コンサルティング会社出身など経験や実績がある方です。コンサルティング会社でも、「会計コンサルティング」や「ITコンサルティング」といった専門領域ではなく、経営全般を見るコンサルティングをしていたかどうかを見られます。

転職で経営企画を目指すのであれば、まずは会計・財務、マーケティング、人事など、経営にまつわる部門での上流工程での業務を経験できるように、自分のキャリアの方向性を定めること、そこに向かってキャリアを築きあげていくことが必要となるでしょう。

この記事を書いたライター

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