会社を退職すると、厚生年金や雇用保険などの社会保険の資格を喪失します。それに伴い、退職時にはいろいろな手続きが必要です。今回は退職時の社会保険手続きについて解説します。
退職が決まると慌ただしく必要な手続き書類などの記入をおこない、退職時には以下ものを受領することになります。
・年金手帳:転職先に提出が必要です。転職しない場合も国民年金で必要な書類のためなくさないようにしましょう
・雇用保険被保険者証:後日送付される「離職票」とともに、ハローワークへの提出が必要です。
・退職証明書:後日送付される「離職票」とともに、ハローワークへの提出が必要です。
・健康保険証:任意継続される場合も、現在持っている健康保険証は返却します。本人はもちろん、被扶養者分の健康保険証も忘れずに
・離職票-1、-2:失業手当の受給申請のためにハローワークへの提出が必要です。
・源泉徴収票(給与・賞与、退職金):転職先での年末調整、あるいは確定申告での納付・還付の申請のために必要です。
手続き後に送られてくるため、送付時期はバラバラの場合があります。
もし、1か月程度たっても送付されてこない場合は問い合わせてみましょう。
次の転職先があるかないかによって、手続きが必要か不要か別れます。
社会保険の資格を喪失するのは退職日の翌日です。
例えば、12/31退職で1/1が次の会社の入社日といった場合は、ブランクが空かないことになります。
退職した会社から書類が到着次第、新しい会社に渡していきましょう。
転職まで間が開く場合に気をつけたいのが、健康保険です。
健康保険については、前職の任意継続か国民健康保険かを選ぶことができます。
退職翌日から健康保険がなくなっているので、無保険の状況です。いずれにしても手続きをすぐに行いましょう、
国民年金と失業手当については、書類が届き次第の対応で問題ありません。
家族の扶養に入る場合は、自分がその条件を満たしているかを確認します。その上で扶養に入ることができるようであれば、扶養者の勤務先に必要書類を確認して届出を行いましょう。
退職すると、それまで会社が手続きしてくれていた社会保険がなくなりますので、それぞれを各機関で自分で手続きする必要があります。
退職後の健康保険については、以下の3つの手続き方法があります。
・国民健康保険:退職後14日以内に自治体窓口で手続き
・任意継続制度:退職後20日以内に前職の担当に連絡して手続き
・家族の扶養に入る:家族の扶養条件の確認と指定された手続き
・国民健康保険は、前年度の世帯年収と世帯加入人数をベースとして保険料が決まります。
・任意継続被保険者制度の場合は、それまで給与から天引きされていた保険料の倍額が必要です。(会社の1/2負担が退職と同時になくなるので)
国民健康保険の保険料については、自治体の窓口に確認することができますので、年金手続きとともに確認をすることをおすすめします。
なお、前職の健康保険によっては人間ドックの補助など、国民健康保険にくらべて制度が充実していることも多いものです。
保険料だけでなく、任意継続の健康保険の内容も調べた上で選ぶようにしましょう。
退職の転職までにブランクがある場合、家族の扶養に入らない場合は国民年金への切り替えが必要です。
(例えば3月退職、5月転職だと、4月分は国民年金を納めなくてはなりません)
退職後14日以内に、市区町村の年金窓口に行きましょう。
・必要書類:年金手帳、離職票、本人確認書類、印鑑
国民年金保険料を納めることが難しい場合でも、窓口には必ず行きましょう。
「国民年金保険料免除・納付猶予制度」の手続きを行うことで、承認されると保険料の納付が免除されることがあります。
(免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があり、年金事務所にて判定)
免除された期間は、老齢年金を受け取る際に1/2(税金分)受け取れるというメリットがありますし、保険料免除・納付猶予を受けた期間中に、ケガや病気で障害や死亡といった不慮の事態が発生した場合、障害年金や遺族年金を受け取ることが可能です。
失業保険を受け取る意思がある場合はハローワークでの手続きが必要です。
雇用保険については、失業保険の受給期間は原則として退職日の翌日から1年間という決まりがありますので、健康保険・年金と比べてそこまで急がなくても大丈夫です。
・必要書類:離職票、通帳、雇用保険被保険者証、本人確認資料、3ヶ月以内に撮影した写真2枚、印鑑、マイナンバー確認証明書
ただし、失業保険はスグにはもらえません。
住んでいる地域のハローワークに届出
→7日間の待機期間を経て、雇用保険受給説明会に参加することで受給資格が決定
→受給資格決定日から4週間間隔で失業認定日としてハローワークへ毎月来所
という手続きが必要です。
さらに、自己都合の場合は、受給資格決定日から3ヶ月間は給付制限期間があります。
手続き自体に時間がかかるため、失業手当を受給したい方は早めにハローワークへ行きましょう。