会計事務所への就職は難しいと思われがちですが、実際に就職・転職するにあたっては、それほど難しいわけではありません。特に簿記関連の資格を有していたり、経理の実務経験があったりすると、圧倒的に有利に就職・転職活動を進めることができます。
今回は、税理士・会計職の就職・転職を専門に行う転職エージェント『最速転職HUPRO』が会計事務所に就職・転職する際の重要なポイントを解説します。
会計事務所に転職する方法とは?仕事の内容や転職のポイントを徹底解説!
会計事務所への転職についてご説明する前に、会計事務所とはどのような仕事をする場所なのか解説していきたいと思います。
会計事務所は、「税理士法人」「税理士事務所」「公認会計士事務所」などを含む総称のことで、クライアントの会社の税務や会計に関わる仕事を担っています。
「会計事務所とは何か?税理士法人との違い」について詳しく説明している記事も要チェックです!↓
では具体的に会計事務所ではどのような業務が行われているのでしょうか。
記帳代行
記帳代行とはその名の通り、クライアント企業の帳簿作成の業務を代行するサービスのことです。最近は会計ソフトを導入している会計事務所がほとんどなので実際は会計ソフトへの入力作業がメインとなります。記帳代行は、税理士の資格がなくても行える作業であるため、税理士補助などが行うことが多いでしょう。
巡回監査
巡回監査とは、会計事務所が契約を結んでいる顧問先の企業が経理作業をきちんと行っているかをチェックする仕事です。
税理士の独占業務
税務申告の書類作成や税務相談、税務代理は、税理士の資格がある人のみが行える税理士の独占業務です。
その他の業務
会計事務所では、上記業務以外にも経営に関するコンサルティング業務なども行います。
続いて会計事務所の規模分類についてご説明します。会計事務所への転職を考える上でどのような規模感の事務所があるかを把握することはとても大切です。
Big4系税理士法人 | 4大国際会計事務所の提携する税理士事務所です。 ・EY税理士法人・Deloitteトーマツ税理士法人・KPMG税理士法人・PwC税理士法人が含まれます。 |
準大手会計事務所 | 準大手の会計事務所は、Big4に次ぐ規模感で事業展開をしている会計事務所です。従業員の規模は約50〜500名程度で、クライアントの規模もBig4と同等レベルです。 |
中小・個人会計事務所 | 中小の会計事務所は国内でも非常に多いとされています。個人で開業している事務所などが含まれます。 |
それでは、本題の会計事務所への転職について解説していきます。
会計事務所への就職の難易度はそこまで高くありません。
難しいと思われる背景には業務の専門性と資格等の条件が厳しいと考えられているからです。
しかし逆に明確な採用条件があるため、その条件をクリアできれば採用に結びつくことができます。
「資格」と「実務経験年数」を満たすことで採用に至ることを考えれば、努力で克服可能であるので特段難しいということはありません。人柄や営業力のように定性的な要素が含まれる基準に比べれば、会計事務所への入社はわかりやすく難易度が高くないと言えます。
会計事務所への転職にはどのようなスキルや資格を求められるのでしょうか。
税理士や公認会計士の資格があればもちろん有利に働きます。
しかし、これらの資格がなくても実務経験や簿記の資格などでカバーすることも十分可能です。
具体的には、以下のような資格や実務経験があればアピールをすることができます。
資格は「日商簿記2級」の取得がお勧めです。
会計事務所で働くにあたっては、仕訳ができることが最低限の条件となり、その知識を有している証明は「日商簿記2級」が最低条件と考えると良いでしょう。
実務経験年数に関しては一概に何年以上とは言えないものの、「1つの事務所で3年以上」が望ましいと考えられます。理由としては、「継続力」と「年次業務の経験回数」が挙げられます。
「継続力」は一般的な事業会社と同様で、入社後に継続して働けるか?というのが採用側の懸念になります。短期離職(1年未満)を繰り返す人材は、継続てきないと判断され採用に至らないと判断されます。
「年次業務の経験回数」は、継続して働いていないと積むことができません。年次決算、年末調整、確定申告、法定調書の作成、は年次業務となり年間を通じても経験回数は限られます。そのため実務経験年数を積むことが、会計事務所の実務ができることの証明になります。
### 未経験で会計事務所に就職するには
それでは、未経験で無資格の場合どうすれば会計事務所に転職できるのでしょうか?
会計事務所で、活躍するには「資格」と「実務経験年数」は基礎として必要であり重宝されます。特に「資格」に関しては年齢的なアドバンテージなく、自己研鑽で獲得することが可能ですので、会計事務所への転職を考える方はまず「日商簿記2級」を取得することをお勧めします。
では実務を積むことにはどうしたら良いでしょうか?そんな方にはアルバイト経験を積むことをお勧めします。
例えば、未経験の人が会計事務所の正社員としての雇用を目指す場合であれば、その前に会計事務所でパート・アルバイトの雇用形態で経験を積むのがおすすめです。
未経験者を正社員雇用すると固定の月給を支払わなければいけないので会計事務所側としてもリスクがありますが、パート・アルバイトを時給で雇用するのであれば、採用のハードルが下がるからです。
業界未経験者の人は、このパート・アルバイトとして雇用されている間に、自分の専門性を高めたり、税理士試験勉強をはじめるのがおすすめです。時給で雇用されているからと言ってただシフトをこなすのではなく、「将来的には正社員で働きたい!」という意欲を見せれば、どんどんいろいろな業務を経験させてもらえるでしょう。
資格も経験もなくても募集している会計事務所求人がいくつかあります。
それはどんな事務所の求人募集なのでしょうか?
①新卒としての採用の募集
新卒採用をしている会計事務所では、当然実務経験も問いませんし、資格も問わないことが多いです。なぜなら今後、会計事務所で育むことができるからです。
この点は一般事業会社と同様だと考えて相違がないでしょう。
②税務会計のスタッフではない募集
税務会計スタッフとしてではないスタッフは、「資格」も「実務経験」も問われないことがあります。例えば、電話対応や受付対応等のスタッフや、営業担当の営業マンのような採用に関しては、資格がなく未経験でも十分採用されるケースがあります。
会計事務所への転職を考える際、どのような基準で求人を見れば良いのか迷うこともあるでしょう。以下のようなポイントをぜひ抑えてみてください。
資格手当や試験休暇付与の有無
特に税理士や会計士の資格取得を目指しながら働く人にとっては、試験前の休暇を取れるのか、また資格取得に際して手当を出してもらえるのかといった点はチェックしておきたいポイントです。
リモートワークを取り入れているかどうか
新型コロナウィルスの影響で、リモートワークを取り入れる会計事務所は増えてきました。
家庭との両立などを考える際には、是非見ておきたいですね。
顧客属性
会計事務所によって、顧客の属性は大きく変わります。業界特化型で税務のサポートをする事務所や、相続や資産税に特化している事務所などもあります。自身の今後のキャリアプランに合わせて選びましょう。
繁忙期の残業時間
会計事務所に繁忙期の残業はつきものです。しかし、最近は分業制やチーム制度を進めるなどして残業を減らすことに成功している事務所もあります。ワークライフバランスを重視したい人はチェックしておきましょう。
30代 女性
子育てが落ち着いてきたタイミングで転職を考えました。
税理士の資格取得を目指しているため、実務経験を積みながら勉強の時間も取れる会計事務所を探していました。税理士を目指して勉強中であることをアピールし、週4回リモートワークができる会計事務所に内定をもらいました。子育てや資格勉強とも両立ができています。
20代 男性
これまで、実務経験は未経験で税理士の資格もありませんでした。前職が金融機関だったこともあり、税務の業界に興味をもち、転職活動をはじめました。未経験・無資格からのスタートでしたが、前職で培ったコミュニケーション能力と金融に関する知識をPRしたことで、志望していた会計事務所から内定をいただくことができました。
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まずは会員登録から!
続いて、会計事務所で働くメリットについて説明します。
税理士として登録するには、試験に合格するだけではなく実務経験を積むことが必須となります。税理士事務所で働きながら、試験受験をすることで、税理士試験に合格後すぐに税理士登録をすることもできます。
税務の仕事は普通の事業会社などで、なかなか出来るものではありません。専門的な知識やスキルを身につけながら働けるということは、今後のキャリアアップにもつながるでしょう。
最後に、会計事務所に就職後にどのようなキャリアを積むことができるのかについてご紹介します。就職した会計事務所のスタッフとして、働き続けて昇進することもできますが、税理士の登録ができれば、独立して事務所を開業することもできます。
また、税理士業界は転職の頻度が比較的高いとされているため、より待遇の良い事務所を目指して転職することもできます。
会計事務所で働くことは、求められる能力と資格が明確であるからそれを満たすことができれば就職は可能である可能性が高いです。
資格は自身の自己研鑽で積むことができるので、まずは「日商簿記2級」を目指しましょう。そして実務に関しては、正社員ではなく、アルバイトやパートで経験を積むことも採用時にプラスになるので検討してみましょう。