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企業内保育所にまつわる補助金について解説

HUPRO 編集部
企業内保育所にまつわる補助金について解説

企業内保育所は「会社が作る保育園」。これに助成制度があることをご存じですか?「企業内保育所なんて大企業のもの」という時代ではありません。地域の会社が共同で設立することができる「企業主導型保育事業」が最近の主流です。今回は、企業内保育所にまつわる補助金について解説します。

企業内保育所とは

企業内保育所は、その名の通り、企業が従業員のために設置する保育所のことです。
「企業内」と言っていますが、場所は社内に限らず、周辺地域でも設置できます。
対象を自社の従業員専用にしている保育所もありますが、複数の企業で共同で設立・運営したり、地域の住民の方にも保育枠を拡大することも可能です。
また、保育所の運営についても、必ずしも企業が行う必要はなく、業者に委託して運営することもできます。

企業にとって、働く人の「保活」がうまくいかずに育休後に退職というパターンは避けたいもの。企業内保育所は無認可保育所ではありますが、企業も従業員の営業・勤務時間や働き方に合わせて保育を実施できるため、互いにとってメリットが大きいのです。

企業内保育所の補助金はどこで確認できるの?

もともと、企業内保育所は「事業所内保育施設設置」として、厚生労働省で助成金交付を行っていました。しかし、2016年度4月1日以降、新規設置・運営計画の認定申請の受付を停止しています。

現在は、内閣府が推し進める「子育て支援」の一環として、企業内保育所のうち、補助金を受け取ることができるのは「企業主導型保育事業」に分類されるものとなっています。

自治体の認可は不要で、基準を満たせば整備費の4分の3相当額が支給されるだけでなく、運営費も助成される助成金を支給しています
2016~2018年度に計約3800億円の予算が組まれ、2018年度末までに約3800施設が開設されました。
この事業は、公益財団法人「児童育成協会」に委託されており、各年度の募集要項については企業主導型保育事業ポータルより確認できます。

 

企業主導型 保育事業助成金を受けるにはどのような条件があるの?

仮に、これから就職・転職希望の企業で、企業主導型の保育所が利用が可能な場合はその条件が気になると思います。
無認可保育所となれば、認可保育所と比べてどうなのかが気になるところです。
ここでは、補助金を受けている事業者の保育所の条件について、どのようなものがあるのか見ていきましょう。

出典:企業主導型保育事業ポータル

(1)利用定員

企業主導型の場合、基本的には「従業員枠」が優先です。その企業に勤務する従業員の児童がメインとなります。しかし、企業の規模によっては定員割れしてしまうこともあるので、「地域枠」として地域の児童を受け入れる場合もあります。

(2)職員配置数

保育従事者、嘱託医・調理員などの資格について、基準が設けられています。目安として保育従事者の配置人数を見てみましょう。
なお、保育従事者の半数以上は保育士資格を有していることが求められ、その他の保育従事者にあっては、「子育て支援員研修」(地域保育コースのうち地域型保育)を修了した者(当該年度に受講を予定している者を含む)と定められています。

・乳児……おおむね3人につき1人
・満1歳以上満3歳に満たない幼児……おおむね6人につき1人
・満3歳以上満4歳に満たない児童……おおむね20人につき1人
・満4歳以上の児童……おおむね30人につき1人

※ 上記の区分に応じた数の合計に「1」を加えた数以上の保育従事者を配置することが必要です。(最低2人配置)

(3)設備基準

設備の基準は利用定員が20名未満か以上で違いがあります。また、乳児室、匍匐質については、人数ごとに面積の定めがあります。

利用定員20名以上の場合

・乳児又は満2歳に満たない幼児を入所させる場合
乳児室・ほふく室、医務室、調理室及び便所(幼児用便座)の設置
・満2歳以上の幼児を入所させる場合
保育室又は遊戯室、屋外遊技場、調理室及び便所(幼児用便座)の設置

利用定員20名未満の場合

・乳児又は満2歳に満たない幼児を入所させる場合
乳児室又はほふく室、調理設備及び便所(幼児用便座)の設置
・満2歳以上の幼児を入所させる場合
保育室又は遊戯室、屋外遊技場、調理設備及び便所(幼児用便座)の設置

人数あたりの面積の基準

0-1歳児:乳児室1.65m² /人・ほふく室を合わせる場合 3.3m² /人
2歳児以上:保育室又は遊戯室1.98m² /人・屋外遊技場 3.3m² /人

企業内保育所の設立・運営の注意点

助成金は開設費用と、そして受け入れを行う児童の定員による整備費と2つの種類があります。上記の条件を含む要件を満たした施設は、申請後に審査を受け「企業主導型保育事業」と認められることで補助金の対象になります。

しかし審査に通らない場合は助成されないことになります。また、補助金の支給は助成決定後におりるまで時間がかかるケースが多いです。

もし、企業側である程度余裕を持ってない場合は、従業員の期待を裏切ることになりかねません。補助金審査に通らなくても、運営に悪影響を及ぼさないような資金計画を作ることが必要です。

また、最近では補助金目当てに基準に適合していない保育施設を作り、行政の立ち入り検査での発覚が多くあります。従業員のお子さんを預かるという責任のある事業のため、費用・運営ともに慎重に進めていきましょう。

この記事を書いたライター

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