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会計事務所におけるペーパーレスとは?効果や手法をご紹介!

岡山 由佳
会計事務所におけるペーパーレスとは?効果や手法をご紹介!

非常に身近な言葉となってきた「ペーパーレス」。何となく便利そうだ、というイメージはあるものの、実際にペーパーレス化への具体的な検討には至っていない会計事務所が多いのではないでしょうか。
今回はペーパーレス化がもたらす効果とペーパーレス化のために会計事務所が取り組める手法について解説していきます。

ペーパーレス化がもたらす効果

経費の削減

ペーパーレス化が経費の削減に繋がることは多くの人が想像することが出来ることですが、具体的にどのような費用が削減することが出来るのかご紹介致します。

消耗品費の削減

紙面で情報を提供するためには、手書きであれば紙やボールペンの文房具代、パソコンで入力したものを出力するためには印刷代等、消耗品費が日常的に発生をしています。

これらの作業をペーパーレス化、例えば顧客へ総勘定元帳を渡す場合に、紙面に印刷をし綴って形式を整えて手渡す方法を、PDFで出力しメールで送付する方法変更をした場合、印刷し綴って形式を整えるにあたり必要な消耗品費を削減することが出来ます。

人件費の削減

上記の例のように、顧客へ総勘定元帳を渡す場合に、紙面に印刷をし綴って形式を整えて手渡す方法では、綴って形式を整えるという手作業が発生し、その作業時間には当然ながら人件費が発生します。
ペーパーレス化を行うことでこの手作業の時間は省くことが出来るため、人件費を削減することが出来ます。

荷造運賃の削減

上記の例のように、出力したものを顧客に渡す際に手渡しをすることが出来ない場合は郵便や宅配便を利用する必要があります。一方で出力せずにPDFで顧客に送付する方法では郵送や宅配便のように送付にあたり別途必要となる費用が発生しないため、荷造運賃を削減することが出来ます。

地代家賃の削減

ペーパーレス化は上記の例のような、出力に係る費用を削減するのみならず、その紙面の保管に係る費用を削減することが出来ます。保管のためのキャビネットや倉庫を購入する費用を削減することのみならず、事務所を借りてその一部を紙面の保管場所の専用スペースとしている場合には、その専用スペースの地代家賃の削減をすることが出来ます。

現状の紙面の保管専用スペースが、保管場所として必要で無いと判断することが出来る程度にまでペーパーレス化が進めることが出来れば、現状の間取りよりも狭い場所に事務所を移転することも検討が可能です。同一地区であれば一般的には間取りが狭い程家賃が低くなるため、地代家賃の減額が期待することが出来、また固定費である地代家賃を削減することは、事務所の利益の増加に非常に大きな効果をもたらします。

テレワークの推進

新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワークの導入が推進されるようになりました。テレワークを導入するためにペーパーレス化を行うことは非常に効果的です。

例えば事務所内での通達を紙面で配布していたものを、変わらず紙面で配布をするためには事務所に出社をする必要があります。しかしペーパーレス化を行いメールで内容を一斉送信することや、クラウドシステムに保存し誰もが閲覧可能な状態にすることが可能であれば事務所に出社をする必要が無く、テレワークにてその通達内容を確認することが出来ます。
このようにテレワークの導入にはペーパーレス化を同時に進めると、テレワークの利点を大きく引き出すことが出来ます。

会計事務所でのペーパーレス

会計事務所でのペーパーレス

まずは社内文書から

会計事務所は業務の性質上、顧客からの紙面の資料の預かりが多く、そのためにペーパーレス化は難しいと考える人もいることでしょう。
顧客から預かる資料をペーパーレス化するためには顧客の協力も必要になりますが、社内文書であれば事務所内作業のみで行うことが出来ます。
スキャナーを購入し原本の保存が必要の無い資料は全てPDFで管理を行う、所内で紙面配付する資料はクラウドシステムを利用してパソコンで閲覧出来るようにする等の方法が考えられます。

電子申告を行う

税務書類の作成や提出も紙面ではなく電子的に提出を行うと、ペーパーレス化を進めることが出来ます。顧客の同意さえあれば電子申告も事務所内作業のみで行えるペーパーレス化の方法のひとつであるため、積極的に取り入れたいものです。

顧客から資料を預からない

社内文書のペーパーレス化や電子申告が進めることが出来たら、次にペーパーレス化を進めたいのは顧客から預かる資料です。特に決算が終了するまで1年間分の資料を保存している会計事務所にとっては、顧客から預かる資料のペーパーレス化は、資料の保存スペースの確保の問題や紛失リスクの問題から解放され、また経費削減の点においても効果が多いに期待をすることが出来ます。

会計事務所の基本業務である会計システムへの仕訳入力においては、銀行やクレジットカード会社等と会計システムを連動させることで、通帳のコピーやカード利用明細を預かることなく仕訳の記帳を行うことが出来ます。また領収書類の確認については、顧客が領収書の画像を会計システムや別のクラウドシステムに保存をすることで、インターネット上で領収書類を確認することが出来ます。
 このように会計事務所と顧客が相互にシステムを利用することで会計事務所は資料を預かる必要が無くなり、一層のペーパーレス化を進めることが出来ます。

まとめ

ペーパーレス化の導入時点では作業や費用が増加し負担に感じることもあるかと思いますが、一度導入をすることで会計事務所の作業効率が飛躍的に上がったり、その後の費用を抑えることが出来たりと、ペーパーレス化は非常に会計事務所にとって効果的なものです。
上記に挙げた方法以外にもペーパーレス化の手法は考えることが出来ます。会計事務所毎に見合った方法で、ご検討されることをお勧め致します。

この記事を書いたライター

大学在学中より会計業界に携わり10年超の会計事務所、税理士法人での実務経験を経て独立。各業種の会計業務に関するフォローのみならず、ライターとして税務、労務、経理の話題を中心に、書籍やWebサイトに数多くの寄稿を行う等の様々な活躍をしている。
カテゴリ:コラム・学び

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