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「Big4」で得た高度な税務の実務経験を生かし、地元中堅中小企業の発展を支援!

HUPRO 編集部
「Big4」で得た高度な税務の実務経験を生かし、地元中堅中小企業の発展を支援!

名古屋市で油谷景子税理士事務所を開業している油谷景子先生。Big4と言われる四大税理士法人のPwC税理士法人(名古屋)・KPMG税理士法人(東京)で上場企業・中堅企業及び外資系企業向けの国内税務及び国際税務コンサルティングサービス等に従事した経歴を持っています。

上場企業から中堅中小企業の各種製造業・卸売業・建設業・小売業・不動産業・医療法人等から、相続税及び贈与税の相談に対応している油谷景子先生にBig4での業務経験や独立に至った経緯についてHUPRO編集部がお話を聞いてきました。

【ご経歴】

2005年 出身地である三重県の税理士事務所に入所
2008年 名古屋市の公認会計事務所に入所
2013年 税理士試験 官報合格
2014年 税理士登録
2014年 KPMG税理士法人(東京)入社
2015年 PwC税理士法人(名古屋)に入社
2019年 税理士として独立開業

会計事務所での勤務と専門学校での勉強を両立

―まず、税理士を目指した動機や背景などをお願いします。

油谷:実はもともと税理士を目指していたわけではありませんでした。私は三重県出身で、高校は商業科に通っておりました。そのため、授業では簿記などを習っていて、簿記が得意だったこともあり、当時、全国から500名ほどの高校生が参加する「簿記の全国大会」の個人戦にも三重県代表として出場させていただきました。
そして、たまたま当時の高校の先生から「将来は会計士や税理士を目指してはどうか?」といったアドバイスを受けていました。それで、高校卒業後、地元の税理士事務所に就職して税理士を目指すことにしました。

―仕事をしながら税理士の資格取得を目指したということですね。

そうです。高校生の時に日商簿記2級の資格は取得していたので、それを活かして地元の税理士事務所に入所し、働きながら税理士を目指すことになりました。

当時、三重県には税理士の専門学校がなかったため、土日を利用して名古屋の専門学校に通っていました。三重県の税理士事務所には約3年勤めましたがその間は合格できず、次に名古屋にある会計事務所に転職してから、初年度に簿記論と財務諸表論に合格しました。その事務所には約6年勤め、在籍中に法人税法と消費税法、相続税法に受かり、7年間で無事計5科目合格をし、税理士になることができました。

三重県の税理士事務所では基礎から学びました。名古屋の会計事務所では、地元のメーカーや海外進出している企業、比較的規模の大きなクライアントも顧問先であったため、試験勉強をしながらでしたが、非常に勉強になり良い実務経験が積めました。

―試験の勉強方法で工夫したことはありますか?

私の勉強方法は基本を大切にしたものでした。間違いノートを作り間違えたところは試験で間違えないように、正しく理解するように努めました。また、色の力を取り入れたりもしていました。「青」色が暗記に良いと聞きましたので、青色のペンを使うなどしていました。
さらに、働きながらの勉強であったため、移動時間を活用したり、映像学習の場合は1.5〜2倍速で再生して効率的に進めていました。

会計事務所での勤務と専門学校での勉強を両立

将来のキャリアプランを考えて科目を選択

―簿記論、財務諸表論、法人税法、消費税法、相続税法の5つの科目をお持ちですが、その科目選択はどのような考えのもとに行われたのでしょうか?

専門学校が目安とする勉強時間が少ない科目よりも、当時のクライアント企業や将来のクライアント企業像により必要と考える科目を選択しました。たとえば、当時のクライアントも将来のビジョンを考えたときも法人をメインに考えていたため、所得税法より法人税法が必要と考えました。

また、もともと「Big4」と呼ばれる大手税理士法人で働きたいという目標を持っていたため、法人税法のほうが自分のキャリアプランとして有利だと思いました。また、上場企業や国際税務を担当してみたいという希望もありましたので法人税法は必須だと考えました。実際に法人企業を担当するにあたり、法人税法を学んでおいてよかったと感じています。

相続税法については、相続の業務や事業承継の仕事で役立つだけでなく、土地の財産評価など内容が自分自身にとってとても面白く感じられたため、選んで良かったと思っています。科目選択では迷うときもありましたが、いずれにせよ、その5科目を選んだのは、自身のキャリアを考えても良い選択だったと思っています。

―この5科目をすべて取得した後で、大手に転職されたと伺いました。

そうです。名古屋の会計事務所で税理士試験に合格した直後に税理士登録しました。そして、その年に東京のKPMG税理士法人の入社試験を受け、入社が決まりました。Big4の中でKPMGの入社試験を受け、そこですぐに内定を頂いたため他のファームと比較することなく入社に至りました。

―もともと「Big4」でやりたい業務はありましたか?

将来的には独立して地元の中堅中小企業の支援をしたいという思いがあり、その中には海外進出されている企業もあると考えていました。上場企業の実務や国際税務というのはなかなか実務で学ぶことが難しく、たとえば上場企業の国際税務業務などは「Big4」で実際に働かないと実務経験が積めないという部分がありました。

―科目合格者では「Big4」に入社は難しいのでしょうか?

年度によって採用ハードルが変わるので、1科目合格でも入社できる年はあるようです。ただし、勉強する時間が確保しにくいと思ったこと、また入社後は実務に集中したいと考えたため税理士になってから「Big4」に転職をしました。

将来のキャリアプランを考えて科目を選択

独立後も生きている「Big4」での経験

―Big4ではどのようなことを学びましたか?

正確性は当然のことながら、より効率とスピードが求められる環境でした。品質を保ちながら、スピードを上げることは容易ではありませんが、それを可能にするような、ミスの防止策や効率的に進める仕組みがあり、それらを学び、身につけたことは大きかったと思います。ペーパーレス化された環境で働けたこともよかったですね。さらに、国際税務で海外のネットワークと連携を取る中で、英語のスキルと文化の違いによる伝え方なども学びました。入社前に元々考えていた上場企業や国際税務の知識だけでなく、実際に入社しないと学べない様々なことを学ばせていただきました。

また、社内にも多くの優秀な人がいましたので、そういった方から学ぶことも多かったです。700名以上が在籍しており、様々なバックグラウンドの方がいましたので、様々な能力や知識、思考を持っている方と共に仕事をする機会があり、そういった方から学べる環境は貴重だと思います。

20代前半から経験豊富な社長から学ぶ

―独立のきっかけは何だったのでしょうか?

もともと独立志向で、また実際に独立するまでにも何度か独立の機会はありました。しかし、その時はまだ当時の業務が面白く、時期を先延ばしにしてきたところもあります。一時は、このまま所属税理士でもよいかと思ったこともあります。それくらい勤務税理士時代の仕事も魅力がありました。しかし、最終的には「中堅中小企業の支援をしたい」という初志貫徹すべく独立に至りました。

―印象に残っているお仕事、あるいはクライアントは?

振り返ると、個人事務所時代にたくさんの経営者とお話をさせていただきました。当時、私はまだ20代。この年齢で50代、60代の経営者と接するのは非常に貴重な体験だったと思います。このときに、経営者の考え方やクライアントの業界のことなどを学ぶことができました。

―今、一番やりがいを感じていることは?

まずは、独立して企業の税務のことだけではなく、経営や事業承継、個人の資産に関することなど総合的にご相談にお応えできる点が挙げられます。
また、クライアント企業の管理会計など、直接は税務の問題ではないけれど、本当にその企業が困っていることをご相談いただくと、ただの税務顧問としてではなく、クライアントと一緒に抱えている課題を解決していくパートナーという立場になりますので、そこにやりがいを感じています。

理想は古い気質を打破する新しい税理士

―受験生に向けて応援メッセージをお願いします。

仮に、試験に落ちたとしても、そこで諦めずに、挑戦できる環境であれば、とにかく諦めずに試験勉強を続けて欲しいと思います。
一度、試験勉強の生活をやめてしまうとまた受験生活に戻るのはなかなか大変です。でも受験を続けていると、その生活が当たり前になります。そして、とにかく「短期間で合格する」という目標を立てて、それに集中することが大事だと思います。

―今後の理想的な税理士のイメージ像とは?

税理士の世界は未だにアナログなところがあります。それは、ペーパーレス化を難しくし、生産性を妨げる要因にもなっています。そのため、「固定観念にとらわれずどんどん新しいものを取り入れていける人」が理想ですね。

―今後のビジョンを教えてください。

独立して今は税理士個人で仕事をしていますが、さまざまなところと協力関係を築いてやっていきたいと考えています。

地元の名古屋の中堅中小企業を中心に専門家として質の高いサービスを提供していきたいです。今後も今までのキャリアを活かし、新たなものをどんどん取り入れて進化していきたいと思います。

―本日はお話を聞かせていただきありがとうございました。

今回インタビューさせていただいた油谷景子先生が開業する
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この記事を書いたライター

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