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税理士登録のための実務経験、その内容や証明方法は?

岡山 由佳
税理士登録のための実務経験、その内容や証明方法は?

税理士試験に合格をし、やっと税理士と名乗ることが出来る…!と喜ばれる方、ちょっと待ってください。税理士として働くためには、税理士資格の他に実務経験が税理士の登録に必要となります。
今回は、この実務経験とはどのような内容なのか、またその証明方法はどのように行うものなのかについて解説していきます。

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税理士資格とは

税理士資格とは税理士試験に合格するのみでは得ることが出来ません。税理士資格とは下記の4つに当てはまる人が該当をし、①②においては実務経験が2年間必要となります。

①税理士試験に合格した人
②税理士試験を免除された人
③弁護士
④公認会計士

実務経験が2年間必要であることから、税理士受験に専念し就業せず受験生生活を送っている人であっても、全ての科目に合格をする官報合格が視野に入った時点で、税理士法人や会計事務所へ就職し、仕事と勉強を両立する人が多くいます。

実務経験とは

実務経験とは下記のいずれかの経験をいいます。実務内容によって判断をするため、税務署や税理士法人、税理士事務所に勤めている人のほか、一般企業に勤めている人も、実務経験として認められます。

①租税に関する事務
税務官公署における事務の他、その他の官公署や会社等における税務に関する事務

②貸借対照表勘定及び損益勘定を設けて経理する会計に関する事務
簿記の原則に従って会計帳簿を記録し、その会計記録に基づいて決算を行い、財務諸表等を作成する過程において簿記会計に関する知識を必要とする事務

・簿記上の取引について簿記の原則に従い取引仕訳を行う事務
・仕訳帳郎から各勘定への転記事務
・元帳を整理し、日計表又は月計表を作成して、その記録の正否を判断する事務
・決算手続きに関する事務
・財務諸表の作成に関する事務
・帳簿組織を立案し、減資記録と帳簿記入の事項とを照合点検する事務
 

実務経験の計算

実務経験は2年以上必要ですが、これは連続した2年では無く通算の年数で判断を行います。また複数個所での勤務期間を合算することが出来ます。
またこの計算方法は正規の雇用関係があり、原則として勤務時間内における税務又は会計に関する事務に従事していた期間を計算対象とします。

実務経験の証明

税理士登録をするにあたり様々な書類の提出が求められますが、実務経験が2年以上あることの証明として在職証明書が必要です。
この在職証明書は日税連所定の様式を用い、勤務先の代表者がその証明を行います。また在職証明書の裏付けとして源泉徴収票又は確定申告書のコピーが必要です。

税理士法人や会計事務所に勤務している場合は、この勤務先の代表者による在職証明書によって実務経験を証明することが可能ですが、既に退職をしている場合は、実務経験の対象となる過去の勤務先の証明者による在職証明書、証明者の印鑑登録証明書、源泉徴収票又は確定申告書のコピーが必要です。
また過去の勤務先が倒産をしている場合は、併せて過去の勤務先の閉鎖事項証明書が必要です。

税理士法人や会計事務所ではなく一般企業に勤めている場合は、その業務内容が実務経験に該当をするものであることも証明する必要があり、職務概要説明書、組織図の添付が必要です。
職務概要説明書に様式は定められていませんが、その職務に従事した期間、その職務が貸借対照表勘定及び損益勘定を設けて経理する会計に関する事務であることが証明すべき内容です。
また組織図も様式は定められていませんが、独立した組織として経理部のような貸借対照表勘定及び損益勘定を設けて経理する会計に関する事務を行う業務に従事していたことが分かる内容であることが必要です。

正社員ではなくアルバイトやパートで勤めている場合には、勤務時間の積上げ計算書の添付が必要です。実務経験が従事時間を合計して2年以上あるかどうかを確認する書類です。通算積上げ計算書は税理士会所定の様式を用い、他の書類と同様に勤務先の代表者がその証明を行います。また証明としてタイムカードや出勤簿のコピーが必要です。

実務経験の証明はその勤務方法によって異なるため、自身の状況に合わせた提出資料の確認を、提出先である日本税理士連合会のホームページ等で確認をするようにしましょう。

参照:日本税理士連合会ホームページ

在職証明書が入手できないことがある?

勤務先の代表者に在職証明書を依頼しても、その証明を拒まれる場合があります。それは税理士登録をすることで、その人が既存の勤務先の顧客を引き連れて独立開業をすることが考えられる場合等、勤務先の代表者がその人の税理士登録に難色を示す場合です。
このような場合には別の書類で登録が可能であることがありますので、その勤務先が所属する税理士会等に相談をすると良いでしょう。

在職証明書に不備がある場合

在職証明書に不備がある場合には、在職証明書のみならず全ての申請書類の受理が受け付けられなくなるため、不備の無いように記載をする必要があります。
税理士登録後に転職や開業を予定している場合には、それらの予定に影響があるため、特に注意をするようにします。
また虚偽の内容で提出を行った場合には、税理士登録を抹消されることがあります。

まとめ

上記のように、税理士の登録には税理士試験の官報合格のみならず、実務経験が必要であり、その証明書の取得が必要です。
税理士を目指し税理士受験を進めていく中で、この実務経験を満たすことを考えながらライフプランを考えると良いでしょう。
また既に実務経験を2年以上積んでいる人は、証明書の取得が滞りなく出来るよう、勤務者の代表者等の証明者とは日頃から良好な関係を築くよう心がけると良いでしょう。
ご不明な点がございましたら、最寄りの税理士会や日税連にお問い合わせされることをお勧め致します。

カテゴリ:コラム・学び

この記事を書いたライター

岡山 由佳
大学在学中より会計業界に携わり10年超の会計事務所、税理士法人での実務経験を経て独立。各業種の会計業務に関するフォローのみならず、ライターとして税務、労務、経理の話題を中心に、書籍やWebサイトに数多くの寄稿を行う等の様々な活躍をしている。

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