育児休業給付金は、育児休業中で賃金を得られない、雇用保険の被保険者に対し支給されるものです。ただし、その金額には一定の上限が決められています。
本記事では、育児休業給付金がもらえる条件と、その上限金額について解説します。
まず。育児休業給付金の支給を受けためのの6つの条件についておさらいしましょう。
育児休業給付金の支給を受けるには、雇用保険に加入していなくてはなりません。
つまり、フリーランスや業務委託契約など、雇用されていない形態で働いている人は、育児休業給付金の対象にならないのです。
雇用保険は、正社員・パート・アルバイトなど雇用形態にかかわらず、
・31日以上引き続き雇用されることが見込まれていて、
・かつ、週20時間以上働いていれば
加入することになっています。自分が雇用保険に加入しているかどうかは、人事部門などに確認しましょう。
同じ会社で1年以上続けて勤務しており、かつ、育児休業が終了するまでの間に、労働契約が更新されないことが明らかでないことが必要です。
育児休業期間が終了した後は、職場復帰をすることが原則です。育児休業取得時に退職することが決まっている場合は、給付金をもらうことができません。
例えば、育児休業開始時点では職場復帰する予定であったのに、保育園の空きがないなどで休業期間中に退職することになった場合、原則として退職日の属する支給単位期間以降の給付金は受けられませんが、それまでの給付金を返還する必要はありません。
満1歳未満の子を育てるための育児休業を取得していることが前提です。基本的には、子どもが1歳になる日の前日までが支給期間となります。
保育所への入所困難などの理由により、育児休業を延長する場合は、1歳6ヶ月または2歳になる日の前日まで支給期間の延長が可能です。
会社から育児休業中でも賃金が支払われている場合、休業中において支払われた賃金が休業前の8割未満であることが条件です。
以上が、育児休業給付金をもらえる条件となります。
育児休業給付金の金額は、休業期間中に会社から賃金が支払われていない場合と、支払われている場合とで計算方法が異なります。
育児休業給付金の支給日数が
、
育児休業を開始してから通算して 180 日に達するまでの間は、
・休業開始時賃金月額※の67%相当額
その後育児休業終了までの間は、
・休業開始時賃金月額※の50%相当額
休業開始時賃金月額とは、育児休業開始前6ヵ月の賃金を180日で割って30日をかけたものです。
具体的には以下の式で求められます。
・休業開始時賃金月額=育児休業開始前6ヵ月の賃金÷180×30
つまり、元の給与が多いだけ育児休業給付金も多くもらえます。
それでは、休業開始時賃金月額が100万円あったら67万円もらえるのか?というとそうではなく、上限金額も定められています。
上限金額は、初日が2019年8月1日以後である支給対象期間から、
以下のように変更されています。
・支給率 67%の場合、304,314円
・支給率 50%の場合、227,100円
参照:厚生労働省リーフレット
育児休業給付金の正確な金額はハローワークにて休業開始時賃金日額が確定してから算出されますが、月の給与の金額による概算は以下の通りです。
・月額15万円程度:6か月までは月額10万円程度、6か月経過後は月額7,5万円程度
・月額20万円程度:6か月までは月額13,4万円程度、6か月経過後は月額10万円程度
・月額30万円程度:6か月までは月額20,1万円程度、6か月経過後は月額15万円程度
賃金が支払われている場合は、それが休業開始時賃金月額に対してどのくらいの割合があるかで支給額が変わります。
賃金支払がないものとして(1)と同じ基準で計算します
(賃金月額×80%)と賃金の差額が支給額となります(減額支給となります。)。
育児休業期間を対象として支払われた賃金が対象です。
育児休業給付金は支給されません。
参考:厚生労働省リーフレット 育児休業期間中に就業した場合の育児休業給付金の支給について
育児休業給付金制度では、受給中に就業した場合は申告が必要です。最初の条件に掲げたように
・就業している日が10日を超え
・就業している時間が80時間を超えるときは、育児休業給付金は支給されませんのでご注意ください。