中堅企業は、大企業や中小企業のように従業員数や資本金によってはっきりと定義されているということではありませんが、年商10億円以上1000億円未満の企業や資本金1億円以上10億円未満の企業を指すことが多いです。
本記事では中堅企業の年収について解説していきます。
中堅企業は、大企業や中小企業のように従業員数や資本金によってはっきりと定義されているということではありません。しかし、区分けするときに、大企業と中小企業というしばりのみでは足りない場合があります。
例えば、大企業の中には、1万人以上の従業員数、数千億円の資本金というようなところがある一方、ぎりぎりで大企業になっているところもあり、幅が非常に広くなっています。
そのため、企業をより規模ごとにより区分けしようとして、中堅企業という言葉が使われる場合があります。
中堅企業としては、中小企業ではあるが規模がそれなりに大きいところや、大企業ではあるが小さい規模の企業などが該当します。
中堅企業の定義は利用シーンによって様々で、例えば、次のような企業をいうときがあります。
また、年商や資本金でなく、その業界の中における立場によって中堅企業を指すこともあり、その場合、業界の中において規模が中くらいのところが中堅企業ということになります。
求人倍率は、中堅企業の300人~999人の従業員数では1.43倍、300人未満の従業員数では9.91倍であり、非常に売り手市場になっています。
このような中堅企業の中には、年収が大企業よりも多いところもあります。
ここでは、中堅企業・中小企業を多く載せている、2020年版の「就職四季報 優良・中堅企業版」から、1000人未満の従業員数の企業について、650万円超の平均年収で3年後の新卒の定着率が80%超の企業についてご紹介します。
このような企業が、高い年収で新卒も定着する中堅企業で、掲載している4755社の中で該当しているのは222社になっています。中堅企業の年収に違いが出てくるのは、次のような理由などが挙げらるので、こちらも踏まえて参考にしてみてください。
このように、平均年収が高くて離職する人が少ない中堅企業トップ10としては、不動産やテレビ・証券会社が占めています。
中堅企業といえば、高いオリジナルの技術があるところをイメージする人が多いでしょうが、高いオリジナルの技術があるため高い年収になるということではありません。
というのは、先にご紹介した平均年収が高くて離職する人が少ない中堅企業トップ10をみれば、メーカーや技術系企業ではないところが中心になっているためです。
年収を決める要素としては、業績や技術力よりも、どのように収益を上げ、社員に分配するかということが大切です。特に、中堅企業では、経営に影響を与える大株主や親会社を無視することができません。
企業が同じグループ内のときは、給与・人事政策なども親会社に近い形で進めることが多く、先にご紹介した中堅企業トップ10の中でも、特に待遇がいい大企業が筆頭株主や親会社になっているケースがが多いです。例えば、第6位の平和不動産の筆頭株主は三菱地所、第8位のダイビルの筆頭株主は商船三井になっています。
一般的に、親会社の待遇よりも子会社の待遇は劣っています。
しかし、中堅企業の中には、親会社と同等以上の年収のところもあります。子会社というところに囚われず、どういう給与体系・給与水準かを確認し転職活動をすると良いでしょう。