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株式会社PR Tableの1人目管理部入社の経理財務担当者に聞く!〜管理部立ち上げストーリー〜

HUPRO 編集部
株式会社PR Tableの1人目管理部入社の経理財務担当者に聞く!〜管理部立ち上げストーリー〜

商業高校卒業、会計事務所で法人税務を3年担当した後、2016年10月に株式会社PR Tableに参画。管理部の立ち上げを経て、現在は経理財務の担当として活躍中の金子峻司さんに入社当時の立ち上げ業務を中心に、HUPRO編集部がお話を聞いてきました。

1人目の管理部として株式会社PR Tableへ

―株式会社PR Tableへの入社のきっかけを教えてください。

会計事務所で働いていたときに代表の大堀海と付き合いがあって、会社としては2期目だった2016年10月に当時6人目の社員として入社しました。もともと代表が管理業務を兼任し行なっていたのですが、僕がその業務を引き継ぎ一人目の管理部専任として部署の立ち上げを行いました。

―1人目の管理部の専任として入社して、社内状況はどうでしたか?

管理業務は全て代表がやっていたのですが、意外ときちんと整っていました。よくあるベンチャーで入社したら決算が何ヶ月も締まっていないみたいなことはなかったです。

管理業務の多くを当時はアウトソーシングしていましたが、将来上場を目指していたので、労務の改善を優先して取り組みました。
勤怠管理は徹底して行う必要がありましたので、当時外部の勤怠管理ツールを使っていなかったのですが、入社してからすぐに勤怠管理ツールを導入しました。

―入社当時はわからない業務もたくさんあると思いますが、教わる人はいましたか?

事業会社での管理部の経験はなかったですが、過去に会計事務所にて会計業務の経験はあり、また他に労務や法務も経験はあったので、業務内容が全くわからなくて困るということはなかったです。
わからないことがあれば、当時人数も少なく社内に詳しい人もいなかったので、社外の人にも話を聞きながらやっていましたね。

管理部門の組織体制の変化について

管理部の組織体制の変化について

―現在の管理部の体制を教えてください

僕は現在は経理財務の専任として担当しています。当社の管理部は“経営管理部”の名称なのですが、他に労務と法務、情報システムの担当がそれぞれいて全部で僕含め4名と、他に執行役員がCFOとして経営管理部を統括しています。

―金子さんが1人目の経営管理部として入社され、その後に経営管理部で2人目が入社されたのはいつですか?

僕が入社して1年半後に、経営管理部として2人目が入社しました。
会社としては4期目だったのですが、管理業務全般をやる中で自分の業務が増えていたので、2人目の管理メンバーの採用を検討していました。2人目のメンバーは未経験でしたが、入社してすぐは労務を担当し、のちに法務も担当しました。

―その後、3人目、4人目はどのタイミングでの入社でしたか?

3人目と4人目は6期目の2020年に入社しました。2人目に入社したメンバーが産休に入ることになったので、そのタイミングで新しく入社した2人のうち1人が労務の仕事を引き継ぎ、もう1人は法務経験が豊富なので、法務専任として担当しています。

―経営管理部はいつから完全に内製化しましたか?

入社してから1年ぐらい経理業務はアウトソーシングしていましたが、その後ある程度の規模になってきて、完全に内製化することにしました。

基本的には管理に関する関係者は少ない方が効率性やスピードが上がります。
例えば、債権管理では、入金と売上の情報は同じ売上管理表で管理できますが、アウトソーシングした場合は、入金確認は社内でやって、売上計上は社外でやってという形でバラバラになってしまいます。
債権管理に限りませんが、それらを分けて行うのではなく、内製化した方が良いという判断になりました。

―内製化することによって会社にとって何が一番変わりましたか?

内製化することで管理業務が効率化され、月次決算のスピードがあがったことですね。業務が効率化されるためには、“資産性の仕事”を行う必要があります。資産性とは、価値の保存可能性という意味です。

例えば、決算のためのワークシートを用意したり、GoogleDrive内のフォルダ構造の整理をしたりといったことが資産性の仕事に該当します。それらは将来にわたって成果が発現するので早いうちから用意しておいた方が良いと思います。

内製化することによって会社にとって何が一番変わりましたか?

予実管理はどのように?

―予実管理はどうやっていますか?

予算策定は管理部門が型を作ってから、代表と各事業部が決めた数字を積み上げ、その後全体感をみて調整していきます。
注意点として、予算策定時にPL(損益計算書)の科目に無い科目で作成してしまうと、予実管理のときに対比ができないので、予算策定はPL(損益計算書)の科目で作らないといけません。
例えば、人件費という名目だと、その中に法定福利費あるいは交通費手当含まれているのかなどの判断がつかないという状況になってしまうのです。

―入社当時もしっかりと予実管理はやっていましたか?

入社当時は、まだしっかりと予実管理できておらず、予算はありましたが、毎月の対比の予実管理は売上しかしていなかったですね。
まだ規模が小さかったので、業務の中でなんとなく各数字は見えていて、また、そこでの認識と実績値が大きくずれることもなかったので、その時は特に問題は起きませんでした。

―いつからちゃんと予実管理を始めましたか?

先ほどの内製化した後落ち着いてきたタイミングで予実管理もしっかりやり始めました。予算策定の時に、代表と事業部が話し合いながら今までの実績を加味して、3カ年で作る形となっています。
予実管理はとても大変なので、初期の段階から経営リソースを多く投下してまでやる必要はないと僕は思いますね。

いつからちゃんと予実管理を始めましたか?

管理部の立ち上げでの苦労

―管理部の体制を強化するにあたりどのようにルールを社内浸透させましたか?

現行フローから変える必要のある場合という意味で話すと、そのルールやオペレーション通りにやらなければ、目的を達成できないようにすることを意識しています。
ルールやオペレーションは、会社の情報、経験知識、その領域を調べる能力が一番に集約されたメンバーに意思決定は任せるべきであり、その決定が会社として正しいものです。

社内責任者への承認申請において、事前承認が必要な理由は大抵の人は想像できますが、事後に承認申請を行う人がいます。ほかにも経費精算の遅延が悪いと思っていても、よく遅延する人もいるでしょう。
必要なのは十分な情報を持つメンバーの決定を信じることでありますから、社内浸透というよりはオペレーションの構造を意識しています。

―ベンチャー企業で管理部が軽んじられているという話もたまに聞くのですが、どう思いますか?

会社の事業部に経営リソースを大きく割くことはベンチャー企業にとってよくあることで、それと比較するとどうしても管理部へのリソース配分が少なくなってしまいます。しかし、だからといって管理部をおろそかにして良いと考えるのは全く違うと思いますね。
そうやって、管理部のことを勘違いしている人が社内にいて、軽んじられていると思ってしまっているのかもしれませんね。

―今だったらこうやったらよかったと思うことはありますか?

“資産性の仕事” はもっと早い段階からやっておけばよかったと思います。
その場で効果が終わってしまう費用性の仕事は、緊急性の高い仕事である場合もあり、どうしても目の前の仕事をこなすことに追われてしまうのですが、資産性の仕事の保管ファイルの格納構造や残しておくべきエビデンス情報の整理などは、早いうちにやっておいたほうが良いですよね。

管理部の立ち上げというのはやはり大変ですが、最初は経理も労務も法務も全てを一人で担当しますので、とても大きな経験を積むことができます。なので、管理部の立ち上げ業務ができるチャンスがもしあるなら、是非やってみたほうが良いと思いますね。

―本日はお話を聞かせていただきありがとうございました。

今回インタビューさせて頂いた株式会社PR Tableの金子 峻司さんの
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この記事を書いたライター

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