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業務委託報酬には源泉徴収が必要!源泉所得税をわかりやすく解説!

HUPRO 編集部
業務委託報酬には源泉徴収が必要!源泉所得税をわかりやすく解説!

会社は従業員に給与を支払う際に源泉徴収を行っていますが、従業員ではない外部委託者への業務委託報酬についても、源泉徴収を行う必要があります。この業務委託報酬の源泉所得税は、その業務内容によって税率が異なります。
今回は、業務委託報酬とその内容による源泉所得税率について解説していきます。

源泉徴収とは

会社が従業員に給与を支払う際、外部委託の業務委託報酬として税理士等に報酬を支払う際には、その支払の度に、支払金額に応じた所得税及び復興特別所得税を差し引く必要があります

所得税は本来、給与を受け取った従業員、業務委託報酬を受け取った税理士等が支払うべきものですが、本人の納付手続き負担の軽減や国税の確実な徴収のために、会社が支払い時に差し引くことで、従業員や税理士等の本人に代わって所得税を預かり、会社が納付を行います。
この差し引く行為を源泉徴収といい、その税金を源泉所得税といいます。

業務委託報酬に係る源泉徴収事務

会社は、業務委託報酬を支払う際に源泉徴収を行う必要があります。
例えば、税理士に対して税込33,000円、源泉所得税額3,063円を差し引き、29,937円を支払う旨の請求書を受け取った場合の源泉徴収事務は下記のように行います。

まず、請求書に支払い指示のある通り、29,937円を税理士に支払います。この時点で源泉所得税額の3,063円を会社が預かったことになります。
この預かった源泉所得税は会社が納めることとなります。原則として預かった翌月10日までに、納付書を作成し、金融機関や税務署にその納付書を持ち込み、納付を行います。
また会計処理は、下記のとおり仕訳を行います。

・税理士に支払いを行った際

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
業務委託報酬(外注費等) 33,000円 現金預金 29,937円
預り金 3,063円

・源泉所得税を納めた際

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
預り金 3,063円 現金預金 3,063円

源泉徴収すべき業務委託報酬

源泉徴収すべき業務委託報酬とは、下記に挙げる内容の支払いのうち、個人に支払う報酬です。

原稿料や講演料
弁護士、公認会計士、税理士等の特定の資格を有する人に支払う報酬
社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
プロスポーツ選手、モデル、外交員等に支払う報酬
プロスポーツ選手等に一時的に支払う契約金
演劇やテレビ等における出演の報酬、芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬
宴会等におけるホステスに支払う報酬
広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

業務委託報酬の源泉所得税率

業務委託報酬の源泉所得税率は、その業務内容によって異なります。代表的なものは下記に挙げるとおりです。

①原稿料や講演料
 支払金額が100万円以下の場合…支払金額×10.21%
 支払金額が100万円超の場合…(支払金額-100万円)×20.42%+102,100円

②弁護士、公認会計士、税理士等の特定の資格を有する人に支払う報酬
 支払金額が100万円以下の場合…支払金額×10.21%
 支払金額が100万円超の場合…(支払金額-100万円)×20.42%+102,100円

③司法書士に支払う報酬
 (支払金額-1万円)×10.21%

④外交員等に支払う報酬
 (支払金額-12万円)×10.21%

⑤ホステス等に支払う報酬
 (支払金額-日数×5千円)×10.21%

⑥プロスポーツ選手等に支払う専属契約金
 支払金額が100万円以下の場合…支払金額×10.21%
 支払金額が100万円超の場合…(支払金額-100万円)×20.42%+102,100円

⑦広告宣伝のための賞金等
 (支払金額-50万円)×10.21%

支払金額の対象となる報酬

 
上記のとおり支払金額を基に源泉所得税は計算をされますが、支払金額は名目では無く実質的に源泉徴収の対象となる支払いに該当するかで判断をします。
例えば、原稿料の支払いの際に、原稿を執筆するために必要である謝金、取材費、調査費、車代等は、請求書等で名目はそのように記載されていても、全て実質的に原稿料として源泉徴収の対象となります。

また、ホステス等に支払う際には、接客等のサービスの他に、衣装代や深夜移動のためのタクシー代についても、全て実質的にホステス等に支払う報酬として源泉徴収の対象となります

一方で、同じ業務委託に係る支払であっても、会社が、直接交通機関等へ通常必要な範囲の交通費や宿泊費等を支払った場合は、源泉徴収を行うべき報酬に含めなくてもよいことになっています。
また、報酬の額の中に消費税が含まれている場合は、原則として、消費税等の額を含めた金額が源泉徴収の対象となります。

このように、業務委託報酬に係る源泉所得税の計算には、どの支払いが源泉徴収の対象となるか見極める必要があります。請求書が発行され、源泉所得税が明記をされている場合は、その請求書に従って報酬支払や所得税の預かりを行えば問題ありませんが、会社が源泉所得税の計算をして源泉徴収事務を行わなくてはならない場合には、留意をします。

まとめ

業務委託報酬は源泉徴収が必要であり、その支払い内容によって税率が異なります。毎月定額の業務委託報酬の支払いでは無く、その都度支払っている場合には源泉徴収を行うことや、その納付を行うことを会社が失念してしまうことが多く見受けられます。
意図せぬ税金の未納が発生しないように、注意をしましょう。是非ご参考になさってください。

この記事を書いたライター

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