中小企業診断士試験の合格率は1次試験が25%前後、2次試験が20%程度というのが例年の傾向です。
この記事では、中小企業診断士試験の1次・2次試験の合格率の推移や科目別の難易度、他資格との比較などを詳しく解説します。
中小企業診断士試験の合格率は1次試験が25%前後、2次試験が20%程度というのが例年の傾向です。
最新令和7年(2025)の1次試験合格率は23.7%でした。最新令和6年(2024)の2次試験合格率は18.7%でした。
なお、令和7年の2次試験合格率などは、口述試験の合格発表日である2026年2月4日に公表予定です。
以下では中小企業診断士試験の難易度について、主に以下の点に沿って解説します。
中小企業診断士1次試験の合格率は近年20%台後半から40%台で推移していましたが、2025年度(令和7年度)の合格率は23.7%と、過去5年間で最も低い水準になりました。
これは、近年の合格率が高すぎたため、試験運営側が難易度を調整した結果と推測されています。
合格基準(合格点)は、総得点の60%以上かつ、40%未満の科目が1つもないことです。絶対評価のため、問題の難易度によって合格率が大きく変動する特徴があります。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2025年(令和7年) | 18,360人 | 4,344人 | 23.7% |
2024年(令和6年) | 18,511人 | 5,007人 | 27.5% |
2023年(令和5年) | 18,631人 | 5,420人 | 29.6% |
2022年(令和4年) | 17,479人 | 5,032人 | 28.9% |
2021年(令和3年) | 16,569人 | 5,984人 | 36.4% |
2020年(令和2年) | 11,785人 | 5,005人 | 42.5% |
2019年(令和元年) | 14,691人 | 4,444人 | 30.2% |
2018年(平成30年) | 13,773人 | 3,236人 | 23.5% |
参考:過去の試験結果・統計資料
2次試験の合格率は例年18%台で安定しています。1次試験を突破した受験者同士での競争となるため、数字以上に厳しい試験と言えます。
2024年度(令和6年度)の合格率は18.7%でした。
2次試験(筆記)の合格基準は1次試験と同様ですが、口述試験は評価がA〜Dの4段階で行われ、評価がA〜Cのいずれかで合格(合格率99%以上)となります。
年度 | 申込者数 | 合格者数 | 合格率 |
2024年(令和6年) | 8,442人 | 1,516人 | 18.7% |
2023年(令和5年) | 8,712人 | 1,625人 | 18.7% |
2022年(令和4年) | 8,723人 | 1,625人 | 18.6% |
2021年(令和3年) | 8,784人 | 1,600人 | 18.3% |
2020年(令和2年) | 6,368人 | 1,173人 | 18.4% |
2019年(令和元年) | 5,954人 | 1,088人 | 18.3% |
2018年(平成30年) | 4,812人 | 905人 | 18.8% |
2017年(平成29年) | 4,279人 | 828人 | 19.4% |
参考:過去の試験結果・統計資料
2025年中小企業診断士1次試験では、中小企業経営・中小企業政策の合格率が最も高く、財務・会計の合格率が最も低い結果になりました。
合格率が高い順に中小企業経営・中小企業政策(30.7%) > 経営法務(18.3%) > 企業経営理論(17.3%) > 経済学・経済政策(14.5%) > 運営管理(14.4%) > 経営情報システム(14.2%) > 財務・会計(8.4%)です。
例年中小企業経営・中小企業政策は合格率が低く難易度が高いと言われていましたが、今年に関してはむしろ一番簡単であると言える結果になりました。
科目名/年度 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
経済学・経済政策 | 26.4 | 25.8 | 23.5 | 21.1 | 10.5 | 13.1 | 14.3 | 14.5 | 18.7 |
財務・会計 | 7.3 | 16.3 | 10.8 | 22.4 | 13.3 | 14.3 | 15.1 | 8.4 | 13.5 |
企業経営理論 | 7.1 | 10.8 | 19.4 | 34.8 | 17.3 | 19.8 | 40.0 | 17.3 | 20.9 |
運営管理 | 25.9 | 22.8 | 9.4 | 18.5 | 16.1 | 8.7 | 26.8 | 14.4 | 17.8 |
経営法務 | 5.2 | 10.2 | 12.0 | 12.8 | 26.9 | 25.6 | 13.2 | 18.3 | 15.5 |
経営情報システム | 22.9 | 26.6 | 28.7 | 10.6 | 18.5 | 11.4 | 15.6 | 14.2 | 18.6 |
中小企業経営・中小企業政策 | 23.0 | 5.6 | 16.4 | 7.1 | 10.9 | 20.6 | 5.6 | 30.7 | 15.0 |
参考:日本中小企業診断士協会連合会 中小企業診断士試験より加工
中小企業診断士の難易度が高い理由は、
などが挙げられます。仕事をしながら学習時間を確保し、幅広い分野を網羅的に理解し続ける必要があるため、多くの受験生が苦労します。
中小企業診断士の難易度を、他の有名な国家資格と「合格率」および「勉強時間」の観点から比較してみましょう。
中小企業診断士の最終合格率は約5%前後で、社会保険労務士(約5%)と同程度です。公認会計士(約7%)よりはやや低く、行政書士(約12%)よりは大幅に低いため、非常に難関な資格であることが分かります。
資格名 | 合格率(目安) |
公認会計士 | 約7% |
中小企業診断士 | 約5% |
社会保険労務士 | 約5% |
行政書士 | 約12% |
宅地建物取引士 | 約15% |
日商簿記2級 | 約20% |
合格に必要な勉強時間は約1,000時間が目安とされており、社会保険労務士や行政書士と同程度です。公認会計士(3,000時間以上)や不動産鑑定士(2,000時間以上)よりは短いものの、宅地建物取引士(約300時間)の3倍以上の学習時間が必要です。働きながら1年で合格を目指す場合、1日あたり約3時間の勉強を継続する必要があります。
資格名 | 勉強時間(目安) |
公認会計士 | 3,000時間以上 |
不動産鑑定士 | 2,000時間以上 |
中小企業診断士 | 1,000時間 |
社会保険労務士 | 800~1,000時間 |
行政書士 | 800~1,000時間 |
宅地建物取引士 | 300時間 |
難関である中小企業診断士試験に合格するためのルートについて、主に以下の3つの方法を解説します。
最も一般的な方法は、予備校や通信講座を利用して試験合格を目指すことです。独学に比べて費用はかかりますが、効率的なカリキュラム、質の高い教材、そして疑問点をすぐに解消できる環境が手に入ります。
特に、学習時間の確保が難しい社会人にとっては、最短で合格を目指すための有効な選択肢と言えるでしょう。
全国に13校ある登録養成機関(大学院など)の課程を修了することで、1次試験合格後に2次試験と実務補習が免除され、中小企業診断士として登録できる制度があります。
試験合格に比べて確実性は高いですが、2年間で数百万円の費用がかかる点や、平日の通学が必要な場合が多い点がデメリットです。また、大前提1次試験に関しては試験の合格が必須となっています。
経理・財務、法務、IT、店舗運営など、中小企業診断士試験の内容に関連する仕事に就き、実務経験を積みながら学習することも有効です。
例えば、「財務・会計」の学習と並行して経理の仕事をすることで、知識が定着しやすくなります。また、実務経験は2次試験の記述問題や、合格後のキャリアにも大いに役立ちます。
なお、経理や財務、法務などいわゆる「管理部門」への転職を目指す場合、次の章で触れるヒュープロの活用がおすすめ。ぜひ最後までご覧ください。
中小企業診断士という難関資格に挑戦するあなたは、キャリアアップへの強い意欲をお持ちのことでしょう。その多大な努力を合格後のキャリアで最大限に活かすため、「受験勉強中」から転職エージェントに登録し、情報収集を始めることをお勧めします。
「まだ合格していないのに…」と思われるかもしれません。しかし、合格発表後は多くのライバルが一斉に就職・転職活動を始めます。
学習段階からキャリアの専門家と繋がり、診断士資格が活かせる求人や業界の動向を把握しておくことで、合格後すぐに最適なアクションを起こすことができ、圧倒的なスタートダッシュを切ることが可能です。
特に、士業や管理部門に強みを持つ転職エージェントヒュープロは、あなたの心強いパートナーとなります。
ヒュープロでは、中小企業診断士資格が活きる求人や、無資格でもチャンスのある経理や財務、法務などいわゆる「管理部門」の求人など、診断士になった人にもなろうとする人にも役に立つ求人を多数保有しています。
専門のキャリアアドバイザーがあなたの学習状況も踏まえた上で、長期的なキャリア形成をサポートします。学習のモチベーション維持にも繋がるキャリアプランニングを、プロに相談してみませんか。あなたの挑戦を、トヒュープロは全力で応援します。
▼登録は以下のバナーから可能