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苦手意識が大敵!税務の勉強は法律用語を覚えるだけで価値がある

HUPRO 編集部
苦手意識が大敵!税務の勉強は法律用語を覚えるだけで価値がある

経理や会計の業務を仕事にする場合、税務知識の勉強は必要不可欠です。ただ、税務は法律の専門用語が多いのが嫌ですよね。それでも、税務の勉強するポイントがわかれば想像より理解がしやすく、最終的には国家資格の取得も視野に入れることができます。そんな、税務関係の知識を習得するための勉強方法について、ご説明します。

税務で勉強する必要がある税法の種類について

税務といっても、勉強する法律の範囲は極めて広いです。税務の国家資格である税理士の場合、これだけの種類の税法を勉強する必要があります。

<税理士試験の対象となる税法の種類>
所得税法
法人税法
相続税法
消費税法
酒税法
国税徴収法
住民税
事業税
固定資産税

税理士試験を受験する場合は別ですが、最初から幅広い税法を勉強すると理解が進まなく挫折してしまいます。
なので、税務の勉強をする上で最初に必要なことは、自分の覚えるべき税金の種類を絞ること。所得税法や法人税法など、実務上で必要となる税法に限定して勉強を始めるのがコツです。

税務の勉強で最も重要なのは苦手意識を無くすこと

どんなジャンルを勉強するにしても、最初が肝心。
最初にマイナスイメージが定着すると、苦手意識が生まれ、勉強が捗りません。特に税務の勉強は専門用語が多いため、専門用語への苦手意識を払拭することが勉強の効率化に繋がります。

⑴最初はとにかく税務の法律用語と条文の言葉に慣れること

法律用語にはとにかく堅苦しい表現をしていますので、最初は条文を見るだけでも疲れます。
解決策は一つで、とにかく法律の文章に慣れること。慣れさえすれば、普通の文章とあまり変わらずに読み進めることができます。
また、法律は1種類で完結することは少なく、複数の法律にまたがって調べることになります。例えば、所得税に関連する法律だけでもこれだけの種類があります。

<所得税に関係する法律>
所得税法
所得税法施行令
所得税法施行規則
租税特別措置法
租税特別措置法施行令
租税特別措置法施行規則

法律を読み慣れている人は、法律を知っている以上に、条文を調べるのが早いです。
法律をすべて理解するのは無理ですので、まずは法律用語の調べ方を勉強することから始めましょう

⑵根拠となる法律を必ず調べるクセを身に付けること

現代社会では、不明な言葉があればインターネットで簡単に検索できる時代です。
しかし、法律の勉強をする場合には、公的機関以外のサイトの内容をそのまま鵜呑みにしてはいけません。

税務関係の仕事は、健康やビジネス情報と違い、法律に基づいて業務行います。
法律違反をした場合には直接的な影響や被害が出ますので、ネットの情報を参考にする際は、必ず根拠となる法律を調べることをしましょう。
なお、法律の条文を検索する場合には『e-Gov(イーガブ)』が便利です。
参考:e-Gov(電子政府の総合窓口)
e-Govはネット上で法律を検索できるので、分厚い税法を毎回めくる必要がありません。
また、日本のすべての法律を検索できるので、検索慣れをしているだけでも勉強効率が向上します。

⑶税務の本格的な勉強は中古本を購入して始めること

本格的に税務の勉強をする場合でも、最初から新品を購入する必要はありません。
法律用語や法律に関する書籍は、非常に高額です。
元々の発行部数が少ないので、ビジネス書の2~3倍の値段で販売しているのが普通で、値段が3,000~5,000円くらいする本が多いです。
高額の本を何冊も購入するのは大変ですので、最初は中古本を購入して勉強しましょう

法律は毎年改正になりますが、大幅な法律の改正はあまりありませんので、中古本でも8割方は現行法と同じです。
また、最新の法律はe-Govで検索できますし、中古本と比較して変更点を確認できるのもポイントです。
なぜなら、過去と現在では適用条件が異なるケースもあるため、両方とも条件を把握していることも大切になるからです。

税務の国家資格である税理士になるためには

税務の勉強をする場合、最終的に取得できる国家資格は、税理士資格です。
税理士は、確定申告書の作成を独占業務として請け負っているため、資格を取得すれば転職などで極めて有利となります

⑴税理士試験の科目

税理士試験は、会計学と税法の2種類の勉強をすることになります。
会計学とは、簿記論と財務諸表論の2科目であり、税務の実務で必要な知識が対象です。
一方、税法に属する科目は、

所得税法
法人税法
相続税法
消費税法又は酒税法
国税徴収法
住民税又は事業税
固定資産税

これだけの税法が対象となります。
ただし、すべての税法を勉強する必要は無く、税理士試験ではこのうちの3科目を選択し、試験を受けます。
(所得税法と法人税法のいずれか1科目は必ず選択すること)
なお、税理士試験は会計学2科目と税務3科目、合計5科目を合格する必要があります。
ただ、税理士試験は科目合格制で、1度合格した科目は再度受験する必要はありません。
そのため、毎年受験する科目を絞って勉強することが合格するコツとなります。

⑵税理士試験の受験資格

税理士試験には、受験資格があります。
受験資格には大きく3種類あり、いずれかの条件を満たせば、税理士試験が受験できます。

<税理士試験の受験資格の要件>
学歴による受験資格
・大学で法律学を履修した者など

資格による受験資格
・日商簿記検定1級合格者
・全経簿記検定上級合格者

職歴による受験資格
・法人や事業行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者
・銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸付け・運用に関する事務に2年以上従事した者
・税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者
※詳細資格については、税理士試験受験資格の概要(国税庁)でご確認ください。

⑶税務資格取得のために必要な勉強時間

税理士の試験の必要勉強時間は1科目400~600時間と言われています。
予備知識や仕事上で覚えた知識を活用できれば短縮されますが、難関試験であることに変わりありません。

また、毎日2時間勉強しても730時間ですので、仕事をしながら税理士試験を受ける場合には、1年間で2科目分の勉強時間を確保することが精一杯。
ただ、前述の通り、税理士試験の科目は1度合格すれば、再度受験する必要はありません。
毎年勉強科目を2つに絞れば、3年間で合格できる計算です。
ですので、仕事をしならが税理士試験を目指す場合には、長期的に計画を立てることが必要です。
実務経験を経て税理士試験に合格すれば、転職にもプラスとなりますので、将来を見据えて勉強に取り組みましょう。

この記事を書いたライター

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