会社で事業を行う場合に納税義務が発生する税金は「法人税等」です。この法人税等とは、詳しくは「法人事業税」「法人税」「法人住民税」の3つを指します。これらは税金の性質や税金の算定方法、そして納付先がそれぞれ異なります。今回は、法人事業税について解説していきます。
法人事業税は、地方自治体に対して納税をする税金です。そして、この地方自治体とは都道府県のことを指しています。事業を行う会社や個人が負担をしなければならない税金であり、法人事業税の一部の税金は、地方法人特別税として国税となって地方の財源に充てられます。
法人事業税の納税額は、会社の黒字額に法人事業税率を乗じることにより算出することができます。つまり、会社の黒字額がない年の場合は、法人事業税は納める義務はないということになります。
ちなみに、この法人事業税率は一律ではありません。課税所得の大きさにより「所得が年間400万円以下の場合」「所得が年間400万円を超えて800万円以下の場合」「所得が年間800万円を超える場合」の3段階に分けられています。
また、法人事業税は、他の法人税や法人住民税とは異なり、納付時に損金に算入することが可能です。税金として地方自治体に納めるものの、必要な費用として損金算入が認められるものが、法人事業税の特徴といえます。
法人税は、会社の課税所得に応じて課税される税金のことをいいます。そして、この法人税は、会社により申告をして納付を行う「申告納税方式」がとられています。ちなみに、法人税は国に対して納める税金です。また、法人税は3つの税金の総称のことです。
事業年度の所得に応じた法人税
連結事業年度の所得に応じた法人税
退職年金などの積み立てに応じた法人税
法人住民税とは「法人市町村民税」と「法人都道府県民税」の総称です。会社が設立された自治体に課される税金であり、東京23区の会社においては「法人都民税」として課税が行われます。「法人市町村民税」と「法人都道府県民税」には、それぞれ「均等割」と「法人税割」が導入されています。それおれについて、ご紹介していきましょう。
均等割とは、法人と同県民税と法人市町村税によって仕組みがことなってきます。法人市民村税の場合は資本金額に応じて課税され、法人市民村民税の場合は会社の資本金額と従業員の人数に応じて課税されます。
後ほど解説しますが、法人税割は会社が得た所得に対して課税される仕組みであり、会社により納税額に差がでます。一方、均等割は会社の規模により公平に定額の税金が適用される仕組みです。そのため、前年度がたとえ赤字であったとしても、均等割りによって課税された法人都道府県民税と法人市町民税については必ず納税しなければなりません。なお、この均等割によって算出された住民税は、本社のみならず支社または支店、工場などが所在している場合も、それらが所在している都道府県や市町村においての納税が必要です。つまり、会社の支社や支店などの事業所が多くなれば、それだけ納税額が増えていくこととなります。
法人税割は、法人税額をもとに住民税が定められる仕組みであり、法人税額に対して住民税率を乗じることで求められます。前年度の経営が赤字であった場合は所得が発生しない状況といえるため、法人都道府県民税も法人市町村民税も納付する義務は発生しません。
会社が納税義務を負う税金は、これら3つの税金だけではありません。他の主な税金についても確認していきましょう。
国税として扱われる税金としては、主に以下のようなものがあります。
2008年10月1日以降に事業を開始して得た所得、またはこの日以後に会社を解散したことにより得た所得によって適用される税金のことを指します。ただ、2019年10月1日以後に開始される事業からは廃止されることが決まり、法人事業税に復元されることとなりました。
会社の役員または社員の給与、外部に対しての報酬に応じて課される税金のことを指します。
消費者は商品やサービスを得るために会社に対して消費税を含めた金額を払いますが、あくまでも会社は消費税を消費者から預かるかたちであり、最終的には会社が国に納税をすることになります。
契約書や領収書の文書の作成時に課される税金です。これらの文書に収入印紙を貼付し、割印をすることで納付するかたちとなります。
地方税として扱われる税金としては、主に以下のようなものがあります。
固定資産税とは、個人と同じく、会社が所有している土地や建物、機械などの資産に応じて課される税金のことをいいます。
償却資産税は、減価償却の対象とされる備品や器具などの償却資産に応じて課される税金です。償却資産税は固定資産税に含まれますが、土地や建物に対する税金と区別をするために、あえて償却資産税と呼ばれています。
都市計画税は、土地区画整理事業や都市計画事業に必要とされる費用に応じて課される税金です。原則としては、市街化区域内に所在している土地や家屋が対象とされます。
会社を設立すると、さまざまな税金の納税義務が課せられます。きちんと税金を管理し、納税をしなければ、ペナルティが課せられます。また、会社の信用を失うことにもつながりかねません。そのため、しっかりとした税金に対する理解が求められるのです。
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