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完全子会社とは?完全子会社で働くメリットやデメリットとは?

HUPRO 編集部
完全子会社とは?完全子会社で働くメリットやデメリットとは?

完全子会社や子会社という言葉はよく耳にするものの、詳しく説明を求められると困ってしまう人は多いのではないでしょうか。曖昧にしか理解できていないのです。会社法によって定められている完全子会社とはどういうものなのか、完全子会社で働くメリットやデメリットもあわせて解説していきます。

完全子会社とはどのような会社のことを指している?

完全子会社とは、親会社によって発行済株式の総数の100%を所有されている会社のことを指します。ただ、有限会社や相互会社、または個人所有の場合は、子会社には該当しません。

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完全子会社を設立することで得られるメリットとは?

親会社だけの経営ではなく、完全子会社を設立することで得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。完全子会社の設立で得られるメリットについて、ご紹介します。

リスクの分散が可能になる

複数の完全子会社は、それぞれ違う事業を行っており、そのなかの1つの子会社が業績赤字を出した場合を考えてみましょう。このような状況の際、親会社が完全子会社の区別がなければ、損失を抱えてしまった事業に関係がないところにまで業績赤字の影響が及びます。しかし、子会社を設立することで事業を区別していた場合は、リスクについても分散ができ、結果的に会社全体に影響するリスクを最小限にとどめることができるのです。

それぞれの完全子会社が責任をもつ範囲が明確化される

複数の完全子会社が、それぞれの完全子会社独自の事業を展開していくので、どの完全子会社がどれだけの利益を得ているのか、損失を出しているのかをはっきりと管理しやすくなります。そのため、全国規模で展開をしているような大企業は、エリアごとに完全子会社を設立し、それぞれの完全子会社における責任の範囲を区別しているのです。

意思決定を迅速に行うことができる

完全子会社は、その完全子会社が展開している事業に対しての経営だけを考えて物事を決断することができます。そして、自社については自社の役員などが最も詳しく把握できているので、意思決定も迅速に行うことが可能なのです。また、トラブルが発生した際にも素早く適切に対処することもできるので、早期に解決させることができる可能性も高まるというメリットがあります。

完全子会社に合った人事制度を決定することができる

親会社と子会社では事業展開の仕組みが違うため、人事制度は親会社が決めるのではなく、完全子会社が状況に合わせて設定することが最も効率が良いといえます。もし、親会社で活用されている人事制度をそのまま完全子会社に採用したとしても、完全子会社には不都合な点が多々でてくるからです。また、人事制度を適切に行えていないと、従業員に対する評価も適切に行うことができません。完全子会社が会社の環境にあった人事制度を採用することで、従業員の評価も正しく行うことができるようになるのです。

完全子会社を設立することで被るデメリットとは?

では、完全子会社を設立することで被ることとなるデメリットには、どのようなことがあるのでしょうか。完全子会社の設立によるデメリットについて解説します。

親会社と完全子会社の両方のコストが発生する

親会社と完全子会社は別の法人だとみなされます。そのため、親会社と完全子会社のそれぞれに管理部門を置く必要があり、それぞれに人件費や設備費用などのコストが発生します。親会社1社だけで経営を行うよりも、完全子会社を設置した方がコストはより多く必要となるのです。

親会社の方針を完全子会社に理解してもらうことが困難である

完全子会社は親会社の傘下にあるものの、別の法人とみなされており、実際に経営なども区別されています。そのため、親会社が決めている方針を完全子会社にまで徹底させることは、とても困難なことです。先ほどお話したような人事制度ですら統一させることは難しいのですから、親会社の経営方針を完全子会社の従業員全員にまで徹底させることは、困難なことであるといえます。

親会社と完全子会社の間での情報共有がうまくいかないこともある

完全子会社は独自に意思決定することができるようになります。そのため、完全子会社のなかで親会社に知られたくないようなことが起こった際、親会社にまでその状況を伝えないという状況が生まれます。このようになると親会社は完全子会社のコンプライアンス違反を見つけににくくなりますし、完全子会社の独断でどんどん事業が進められていくような状況も起こるでしょう。

まとめ

完全子会社を設置するメリットやデメリットを中心に解説をしました。完全子会社を設置することで、親会社にも完全子会社にもメリットがある一方で、デメリットが生じることもあります。完全子会社を設置する場合は、このようなデメリットを回避できる仕組みを考えて、設立を決定するべきでしょう。

この記事を書いたライター

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