多くの企業が監査を受けています。そうすることで、企業活動の正確性や信頼性を維持することができます。しかし、具体的にどういう目的で行われるものであり、どんなメリットがあるのかよくわからないという人も多いでしょう。今回は企業が実施する監査の目的について解説していきます。
そもそも監査とは何かあまりよく分かっていないという方は下記のコラムで詳しく解説しているのでご覧ください。
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企業はどうして監査をするのか、その目的について説明します。
監査とは、ある事象や対象について、さまざまな基準に照らし合わせて、業務などが基準に則っているのかどうか評価をすることです。さまざまな種類があり、法的に義務のあるものもあれば、任意に企業が実施するものもあります。
たとえば、上場会社などは会計監査を受けることが法律で義務付けられています。大きな会社では、株主や投資家などから多くのお金を集めています。そのため、大きな会社には大きなお金を扱うという責任があり、万が一、業務上のトラブルが発生すると大きな損害が発生します。
それを防ぐために義務付けられているのです。会社の経営が正しく行われていることを客観的に証明することを目的としています。会計や情報セキュリティなどあらゆる対象に対して実施されており、法律や社内規定などにしたがって業務が実行されているのか調べます。
外部監査の目的について紹介します。
投資家など社外の利害関係者を守ることを目的として、公認会計士など社外の担当者が実施する監査のことです。
投資家や株主など会社に多くのお金を出資している人たちを守ることが目的です。たとえば、会社が業務や会計処理において不正を行っていると、それによって会社に投資している人たちが不利益を被る可能性があります。そういう事態を避けるために実施されます。
そのため、その企業とは独立した第三者のプロフェッショナルが調査や報告をします。そうすることで、客観的や信頼性を確保できるのです。
内部監査の目的について説明します。
内部監査は、それぞれの会社が社内に任意に設置して監査を行うことです。たとえば、社内に専門の部門が設置されるケースがあります。社内の従業員が担当者となって実施することが多いです。
企業が健全に経営をしていることを保証することが目的です。法的な義務があるわけではなく、企業ごとに独自の内容となり、対象は幅広いです。
たとえば、社内規定や法令にしたがって業務が行われているのか調査されることが多いです。きちんとした規定やマニュアルが存在するか確認し、それがきちんと周知されているのか観察します。最終的には、社内の業務が規定通りに行われていることを経営者に報告してその結果を保証します。特定のテーマを設けて、その対象について重点的に調査などを実施するというケースもあります。
監査役監査について説明します。
監査役によって実施される監査のことです。監査役は法的には設置が任意とされています。ただし、取締役会設置会社と会計監査人設置会社の場合は、設置することが義務とされます。世界的に珍しい日本特有の制度とされています。
取締役や執行役による職務執行について不法な点がないのか監督・指導することが目的です。会社の出資者である株主を保護するために行われます。たとえば、取締役会に担当者が出席して、そこで意見を述べることが可能です。取締役が違法なことをすれば、差止め請求や調査をするなどの権限も与えられています。
実際にどのような監査が実施されるのか、内容について説明します。
企業の財務諸表や計算書類などの記載内容をチェックして適正かどうか判断することです。一部の会社において実施することが義務化されています。粉飾決算などを防ぐためにも重要です。
社内の情報システムやセキュリティシステムなどをチェックすることです。義務化されていないのですが、自主的に実施する会社は増えています。これによって、情報漏えいなどのリスクを下げることができます。企業の事業やサービスに情報システムが深く関わっているため、株主や顧客などに信頼性を与えるためにも重要です。
企業が環境保護のために取り組みを実施して、その状況を客観的にチェックするために行うものです。法律で義務化されているわけではないのですが、環境省は各企業が実施することを期待しています。
企業が環境保護のために環境マネジメントシステムや環境管理の仕組みを整えていて、この仕組みが上手く機能しているのかを確認します。上手くアピールすれば、環境にやさしい企業であるとPRできるため、企業のイメージアップにも寄与します。
監査とは企業などが法律や規定などに則って活動しているのか調べて報告することです。特に会計監査は重要なものです。いろいろな種類があって、会社の利害関係者の利益を守ることを目的としています。