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証券代行業務とは?目的や主な業務内容などをわかりやすく解説!

HUPRO 編集部
証券代行業務とは?目的や主な業務内容などをわかりやすく解説!

主に信託銀行が対応している業務として証券代行業務があります。証券代行業務は需要の高いサービスであり、多くの会社がこのサービスを利用しているのが特徴です。それでは、証券代行業務とは一体何なのでしょうか。具体的なことを知らないという人は多いでしょう。今回は証券代行業務について解説していきます。

証券代行業務とは?

株式会社はさまざまな事務を行う必要があります。この事務業務のことを株式事務といいます。これを自社のみで行うことはできません。必ず、代行機関に委託することが義務付けられているのです。そして、株式事務の委託を受けた会社が行っている業務のことを証券代行業務といいます

株式事務を委託できることは会社法第123条によって定められています。信託銀行と証券代行会社が、証券代行業務を請け負っています。それぞれの証券取引所によって指定されている銀行や会社のみが委託を受けることが可能です。委託したい会社は、銀行や代行会社と契約をします。

証券代行業務の目的

証券代行業務の主な目的は2つあります。1つは事務委託前のサポート機能です。これから株式を公開する際に事務を委託することになるのですが、その前に株式会社内の体制をきちんと整えておく必要があります。何も準備をしないまま委託してもよいというわけではありません。その準備のためのサポートをするのが証券代行業務の役割の1つです。

次に、事務受託後に代行事務があります。株式事務を進めるための体制を整えてから、代行機関が受託して、実際に代行事務を行うのです。これによって、委託した株式会社は大幅に事務作業を軽減することができるでしょう。ただし、すべての事務を委託できるわけではありません。株主総会の運営をしたり、株主への配布物を作成したりするといった部分については委託するのではなく自分たちで行う必要があります。

証券代行業務の業務内容

日常株式事務

日常的に発生する株式事務のことです。たとえば、株主名簿の管理を行います。会社は必ず株主名簿を作成しなければいけません。それぞれの株主について、氏名や住所、所有する株式の数、取得した日、番号などを正確に記載します。そして、株式の譲渡が行われれば、すぐに名簿の書き換えをしなければいけません。大きな会社になると株主はたくさんいるため、きちんと名簿を管理するにはたくさんの事務作業が発生します。それを請け負うのが証券代行業務の役割です。

ほかにも、株券の回収や再発行、予備株券の保管、信託財産表示、株券の不所持申出の受理などさまざまな日常業務が発生します。

配当金関係事務

株主の権利の1つとして配当金があります。株を持っているだけで一定の配当金を株主は受け取ることができるのです。この配当金に関係する事務作業はたくさんあります。それらを行うのも証券代行業務の重要な仕事です。

例えば、配当金の計算をします。それぞれの所有する株数に応じて正確な配当金を計算することが大切です。間違いがあると大変なことになります。少なく計算していた場合は追加で支払うことになるからです。誤りがあれば、多くの問い合わせが会社に寄せられることになるため、正確に計算することを委託先は心がけています。

証券代行業務の業務内容

株主総会関係事務

株主総会に関係する事務も行います。株主総会を開くにあたって、さまざまな書類を作成しなければいけません。そこで、統計資料や株主一覧表、委任状などの作成の業務が発生します。また、委任状の集計をしたり、株主総会に関係する書類の封入や発送といった手続きをしたりするのも代行業務に含まれます。

その他の業務

株券の送付などに関する事務があります。あるいは、増資や合併に関する株式の割当の事務をするケースもあります。新株予約権に関する事務もあるでしょう。

株式会社として株式事務の体制を整えるためのサポートに関する事務もあります。定款の整備や株式取扱規程の作成・整備、株券の整備といった事務です。

このように証券代行業務にはさまざまな業務が含まれています。中には専門性の高いものが多く含まれているため、委託することで株式会社の負担は大きく軽減されます。

証券代行業務のサービスの違い

証券代行業務を行っている会社はいくつか存在しています。それぞれの会社は差別化を図っていて、独自の強みを持っています。たとえば、費用が異なっています。委託をする際には当然報酬を支払う必要があるため、どのくらいの費用がかかるのかは重要です。

また、証券代行業務をより正確に素早く行うためのシステムを導入している会社はたくさんあります。高速で業務をこなせる独自のシステムを用意している会社であれば、質の高いサービスを期待できるでしょう。また、信託銀行の場合は証券代行以外のサービスも充実しているため、その点を重視して銀行を選ぶというケースもあります。

まとめ

株式会社は株式に関する事務を委託します。株式会社から受託して行われる業務のことを証券代行業務と呼びます。株式会社にとってとても重要なことです。信頼できる会社に委託をするとよいでしょう。

この記事を書いたライター

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