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税理士資格の難易度は?独学で合格するのは可能?

吉田武夫2019.08.28

税理士試験は、会計に関する資格ではトップレベルの難易度を誇る国家資格です。この記事では、税理士試験の難易度について解説するとともに、実際に税理士試験に挑戦する人たちがどのようなかたちで試験勉強に取り組んでいるのかを解説いたします。よく比較される公認会計士試験との違いについても解説しますので、将来的に会計分野でのキャリアを築いていこうと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

税理士資格の難易度

税理士試験は、会計学に関する科目2科目と、税法に関する科目3科目の合計5科目に合格する必要がある試験です。

最終的に5科目合格に至るまでは平均5年〜10年程度の勉強期間が必要とされていますので、難易度としては「最難関レベル」といえるでしょう。
各科目の合格率は毎年10%〜15%前後で推移していますが、人それぞれの経験によって感じる科目別の難易度にはかなり差がありますので、「どの試験科目を選択するか?」の戦略も重要な試験といえます。

例えば、会計事務所での実務を経験している人にとって、所得税や法人税、消費税といった科目は実務と直結した内容となりますので、取り組みやすい内容と言えます。会計学の2科目については、すでに簿記検定1級を取得しているような方であればその延長で取り組める内容となっていますから、2科目をクロスオーバーさせながら勉強すると理解が進みやすいと思います。ちなみに、大手資格スクールの講義でも、会計2科目は連携させて講義を進行するケースが多いです。

税理士試験には大学院修了による科目免除制度がある

なお、税理士試験には大学院修士課程の修了によって一部科目を合格とみなしてもらえる「科目免除」の制度があります。会計分野の修士論文を作成した場合には会計科目1科目、税法分野の論文を作成した場合には税法科目2科目の免除が認められます。

例えば、会計科目2科目と税法科目1科目を合格した上で、税法に関する研究で修士論文を作成し、科目免除に相当する内容であると国税審議会に認定してもらえれば、税理士資格を得ることができます。なお、正式に税理士として登録するためには、会計事務所等での2年間の実務経験が必要です。

公認会計士試験の難易度

税理士と同じく、会計分野で最難関の国家資格といわれるものとして、公認会計士試験があります。

公認会計士試験は短答式試験(1次試験)と論文式試験(2次試験)の2つに合格する必要がある試験です。公認会計士試験は、受験資格が特段必要なく、合格率で見ると短答式は10〜15%、論文式は30%〜35%前後となっています。受験資格がないので、学生の受験者も数多くいます。

また、近年ではいわゆる会計大学院(会計職の養成を目的としている大学院修士課程)を終了することによって、短答式試験4科目のうち、3科目の免除が認められるようになっている点も特筆に値します。

公認会計士試験の免除制度についてはこちらで詳しく解説しています。
参考記事:公認会計士試験には免除制度が存在?

しかし、公認会計士試験は出題内容そのものが非常に高度ですので、合格レベルに達するまでは、かなり腰を据えた勉強が必要であることに変わりはありません。最難関国家資格のうちの1つであることは間違いないです。

公認会計士試験についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
参考記事:公認会計士試験は難しいと聞くけど、具体的にどう難しいの?

税理士試験と公認会計士試験の比較

公認会計士試験と比較した場合の税理士試験の最大の特徴は「科目合格制度」が採用されている点です。科目合格制度というのは、簡単にいえば「1度合格した科目は一生涯有効な試験」のことです。

例えば、「1年1科目ずつ挑戦し、5年間かけて5科目合格する」といった形での受験の仕方も認められますから、仕事をしながら試験勉強に取り組む人が多いことも、税理士試験の特徴と言えます。そんなこともあり、税理士試験の年齢別の受験者数で、実際にもっとも多いのは41歳以上の人です。

一方で、公認会計士試験の受験生の多くは20歳以上25歳未満で、学生や受験専念者が多くなっています。

税理士試験は独学での合格は非常に難しいのが現実

税理士試験の受験生の多くが、TACや大原、LECといった大手資格スクールに通って勉強しています。独学での税理士試験合格者も過去にはいるのかもしれませんが、非常に難しく、よほど優秀な人でないと厳しいというのが現実でしょう。

税理士試験では、物理的に試験時間内で回答するのが不可能な分量の問題が出題されます。税法や会計の理論に関する問題と、実際に回答用紙に財務諸表を完成させるといった、計算に関する問題が出題されます。
必然的に、どのような順序で問題を解くか、満点を狙うのではなく、いかに合格に近づく形で取捨選択を行うのかといった、いわゆる「受験テクニック」が求められる試験でもあることを理解しておかなくてはなりません。

税法科目についても、理論を丸暗記して効率的に回答用紙に記述するといったトレーニングが求められる試験ですので、いかに効率的にインプットとアウトプットを行うかが重要になります。こうした受験戦略的な部分に時間をとられるのは合理的とは言えませんから、よほど学力に自信がある方でない限り、独学という選択は避けるのが賢明でしょう。

まとめ

今回は、税理士資格の難易度について解説いたしました。本文でも解説しましたが、税理士試験は仕事をしながら合格を目指す人が多いのが特徴の試験です。

科目合格制度を利用し、毎年計画的に学習を進めていけば、決して合格が不可能な試験ではないといえるでしょう。実際に、仕事をしながら5科目合格を達成する人はたくさんいます。税理士試験は、将来的に独立開業も目指せる魅力的な国家資格です。
会計や税務に関する専門家を目指す方は、ぜひ税理士試験に挑戦してみてください。

カテゴリ:資格試験

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