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税理士の独立は厳しい?タイミングはいつにすべき?

HUPRO 編集部
税理士の独立は厳しい?タイミングはいつにすべき?

税理士という仕事は、試験合格後に独立開業という道を選択する人が多い仕事です。この記事では、税理士を目指す人が独立に至るまでの道のりや、独立後にどのような課題をクリアする必要があるのかについて解説いたします。これから未経験で税理士を目指す人が、具体的にどのようにしてキャリアを築いていけばいいのかを解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

税理士独立までの道のり

税理士としての独立を目指す人のキャリア構築のあり方として、もっともポピュラーなものとしては、例えば以下のようなものです。

まず、未経験で会計事務所に入社する。その後、会計事務所で税理士補助として実務経験を積みながら、同時進行で税理士試験の勉強を進める。そして、科目合格制度を利用して3年〜5年ほどかけて税理士試験に合格し、その後実務経験10年程度で独立する。

税理士として独立するためには、当然ながら少しでも早いタイミングで税理士試験に合格できるかどうかがポイントとなります。その一方で、税理士としてお金を稼いでいけるだけの実務能力を身につけるという視点も重要です。

特に、税理士として独立していくことを考えている方は、単に会計や税務の知識が豊富であるだけではいけません。顧問先企業を開拓し、顧問料の単価をアップしてもらうためにより付加価値の高いサービスを提供するにはどうしたらいいのか?といったことを、経営者の目線で考えることが求められます。
税理士というと「安定した職業」というイメージがあるかもしれませんが、実際にはそう甘い世界ではないことを理解しておきましょう。

税理士が独立開業後にぶつかる壁

会計事務所で実務経験を積んだ後、税理士としての独立を果たす人は多いですが、その際には以下のようなことがハードルとなることが多いです。

・新規の顧客獲得をどのように行うか
・既存の顧客にいかに高いサービスを提供するか

以下、それぞれのケースについて順番に解説いたします。

新規の顧客獲得をどのように行うか

独立にあたって、従業員としてお世話になった会計事務所の顧問先企業を持っていくようなことは、法的トラブルにつながる可能性がありますから、避けるのが賢明です。そのため、あなたが税理士として独立して生計を立てていくためには、あなたを信頼して税務顧問契約を結んでくれる顧客を新規開拓していかなくてはなりません。

新規の顧問先を獲得することを考える場合には、あなたの顧客となる人たちが、どういうところにたくさんいるのか?を考えるのがヒントになるでしょう。税理士の顧客というのは中小企業経営者ですので、彼らが経営をしていく上でどのような問題を抱えているのかをイメージしてみてください。

例えば、多くの中小企業が金融機関から事業融資を受けたり、創業者向けの助成金の利用を検討したりしています。そのため、中小企業経営者向けの事業融資を行なっている金融機関担当者と懇意になったり、助成金利用の相談を受け付けている商工会議所などと関係値を築くということ実践している税理士が多いです。

また、近年ではWEB経由で税理士を探す経営者が増えていますから、自社のホームページを用意して、有益な情報を提供することで顧客獲得を目指している会計事務所も増えています。
もちろん、ホームページを作りさえすればたくさんの人が自分のことを知ってくれるかというとそう甘くはありません。WEB経由の集客に力を入れている税理士の中には、メルマガやSNSを駆使して見込み客の開拓を行なったり、YouTube(ユーチューブ)で経営者向けのチャンネルを開設したりしている人もいます。

既存の顧客にいかに高いサービスを提供するか

顧問先の新規開拓も重要ですが、既存の顧客に対していかに高付加価値のサービスを提供するかという視点も重要です。近年では、会計ソフトの普及によって個人の所得税申告や簡単な法人税申告などであれば、税理士に頼らなくても完結することが可能になっています。

さらに、格安の経理代行サービスなどがたくさん存在していることも経営者は知っていますから、従来のような税務申告の代理だけでは、税理士といえども価格競争に巻き込まれて利益を出すことが難しくなっているのです。顧問先企業から見て付加価値の高いサービスを提供できない税理士は淘汰されつつあるのが実情といえるでしょう。

こうした状況に対応するため、会計情報を活用した顧問先への経営アドバイス(MAS業務)や、資金調達の仲介など高付加価値のサービスを提供する努力をしている税理士が増えています。さらに、こうした業務はAIを活用したコンサルティングサービスと将来的に競合していくことが予想されますので、さらなる道を模索する必要が出てくるでしょう。
従来のように顧問先から「先生」と呼ばれながら、安定した顧問料収入を得るといった税理士のビジネスモデルは、今後ますます厳しくなっていくことは理解しておきましょう。

まとめ

まとめ

今回は、将来的に税理士として独立開業を目指すという方向けに、キャリアをスタートするためには具体的に何から始めたらいいのかを解説いたしました。税理士としての独立を目指すのであれば、税理士試験の勉強を少しでも早いタイミングで始めるのが有利です。また、税理士とは誰を顧客としてどういう仕事をしている人たちなのか?について正しく理解しておくことも大切と言えるでしょう。
本文でも見たように、税理士を目指す人の多くがまずは会計事務所で実務経験を積むことからスタートしています。これからキャリアをスタートするのであれば、年齢的には若ければ若いほど有利と言えますので、ぜひ具体的なアクションを起こしてみてください。

この記事を書いたライター

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