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経理部門のペーパーレス化したいけど具体的にどう進める?

HUPRO 編集部
経理部門のペーパーレス化したいけど具体的にどう進める?

IT化によってだいぶ改善されたとはいえ、経理部門のペーパーレス化に悩まれている方は多いかと思います。元々、経理部門は、請求書、領収書など“紙”を使って業務を行う部門。「ペーパーレス化したい」と考えてはいても、具体的にどのように進めればよいのか。この記事では、ペーパーレスのメリット・デメリットを確認すると同時に、具体的な取り組みについて紹介しています。

ペーパーレス化のメリット

紙やハンコの文化を止め、IT化・電子化を進めることで色々なメリットがあります。

印刷にかかるコストが削減

紙として保存する場合、当然、プリントアウトする必要があります。コピー機の前で出力を待っていたりする時間がとてももったいないです。もちろん紙代やコピー機の電気代・メンテナンス代などが必要になります。

保管するコストが削減

紙の場合は、ファイルなどで保管するコストが発生します。書類に穴を明け、ファイル毎に閉じる工数は馬鹿になりません。ファイルの仕方では、並べ直したりするなど実にばからしいコストが発生します。もちろん、ファイルやバインダー代、棚や箱など保管するスペースのコストが必要になります。

押印や持ち回りのコストが削減

複数のハンコが必要な書類の場合、紙を次の人に運んだり社内郵送したりするコストが発生します。上司の机の書類の量を見て持ち回るタイミングを計る工数など本当に無駄なコストが発生していることもあります。

整理整頓コストが削減

紙での管理だと、後から探しやすいように、棚やバインダーごとに分けて整理する必要があります。一定の期間が経つと、古い文書は倉庫に持って行き、棚の異動や並び替えなどの作業も発生します。
面倒な作業ですので、つい後回しにしがちであり、机の回りなどに書類がうずたかく積まれているなどはよく見る光景ですね。

ペーパーレス化を阻む三つのあるある

ペーパーレス化は良いこととみんなが感じていることですが、中々実現できないのは、おじさん・おばさんの原因が多いのではないでしょうか。
こういう組織文化が多い場合、ペーパーレス化など下からの経理業務効率化は難しくなります。社長や経理担当役員のトップダウンによる取り組みが必要です。

手書きの文章にこだわる

稟議など申請書の場合、やけに文章にうるさい人がいますよね。誤字脱字の指摘なら納得するのですが、言い回しが自分の好みに合わないと直ぐ差し戻す上司は良く見かけますよね。
手書きだと修正に時間がかかるので、修正の指摘を受けないよう考えて文章作成するから、社会人としての文章力が身につくなど精神論を振り回す人もよく見かけます。
こういう人は、定型文で効率化を図ると直ぐに反対に回ります。

ハンコを押すことが生きがい

ハンコを押すことは責任をとることと強く主張する人もペーパーレス化を阻む原因です。責任をとることはもちろんですが、些細な指摘をして自分の存在感をアピールするお局様的な人見かけませんか?こういう人は。ミスを指摘することが自分の仕事と考え、ミスを減らす仕組みを考えようとはしません。

紙を読まないと理解できない

これも年配の方に多いのですが、紙に打ち出したものでないと理解できない・腹落ちしないという人がいます。スマホやパソコンが当たり前の世代には理解できない感覚です。しかし、オフィスが世の中にでてまだ25年ですから、50代以上の人には紙で仕事をすることが、新人時代にたたき込まれていますので、しょうがないことではありますが。

ペーパーレス化の具体的方法

最近では、OCR機能の充実やAIによる自動仕訳など会計システムの高度化は進んでいます。ペーパーレスに貢献する具体的な取り組みには次のようなものがあります。

電子申請・承認システム

稟議や出張申請などでは、担当⇒上司⇒総務⇒経理などの流れで申請が進み最終的には最終責任者の決裁で物事が処理します。紙ベースで申請書などを回議すると今どこに紙があるのか分かりません。ハンコを押す人が社外にいると一旦帰社して押印処理をしなければなりませんので、事務処理滞りがちになります。
電子申請承認システムを導入すると、WEB上で申請・承認が進みますので、誰のところで処理が滞っているのか直ぐ分かります。又、スマホなどを使用できるシステムだと時間や場所を問わず申請・決裁ができますので、劇的な業務効率化に繋がります。

API連携

API連携とは、預金データやクレジットカードのデータを会計システムと連携して自動的に取り込む機能です。取引先、日付、金額などかなりの情報が自動転記されますので、入金伝票など紙の発行が殆ど不要となります。経理の仕事は、適切な勘定科目を選定することが基本となり、会計処理の効率化に繋がります。

経費精算システム

特に従業員の経費精算は経理の中でも面倒くさい業務の一つです。後精算・前精算、現金精算・振込精算、社員立替など様々です。
経費申請書、経費精算書、請求書、領収書など多くの紙が必要な業務です。最近の経費精算システムはとても充実しています。電子申請システム機能、経理システムとの連携機能そしてスマホで領収書の写真を撮るだけで経費精算データができるなどとても充実しています。

まとめ

経理業務のペーパーレス化は、経理業務改善の一つです。まず、現状の手続きやプロセスのどこに問題があるのかをはっきりさせる必要があります。往々にして現れるのが今のやり方を変えられない抵抗勢力が現れます。
経理回りのシステムはどんどん便利になっています。想像以上の効果が期待出来ます。抵抗勢力を地道に説得してペーパーレス化を進めましょう。

この記事を書いたライター

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