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株主総会のフレーズは耳にしたことはあると思います。この株主総会とは何を行っているのかご存知でしょうか。株主総会では、会社の経営陣たちが株主たちに対して説明などをする場です。しかしながら実際に参加していないとイメージしづらいと思うので、今回は株主総会の決議事項と報告事項の違いについて解説していきます。
株主総会とはどういったものであるのか説明していきます。会社法295条で株主総会は、会社法に規定している事項や会社の組織や運営管理といった会社に関する様々な事項について決議する機関となります。
つまり会社の最高意思決定機関が株主総会という理解で大丈夫です。簡単に言うと、株主は会社に対して出資しているため会社を所有している立場ということになります。そういった株主が集まって今後の会社の方針などを決めていく会議体が株主総会です。
上場企業ですと、個人投資家も会社の株式を購入することで会社の株主となるわけですから、株主総会に出席することが可能です。日本は3月決算の会社が多いですから6月ごろになるとニュースとかで企業の株主総会に出席する個人投資家のインタビューが報道されていますよね。この株主総会は定時株主総会と臨時株主総会といった2種類あります。この2つの株主総会について次に説明していきます。
定時株主総会は、会社法296条1項で定められており、毎事業年度の終了後一定の時期に開催するものと規定されています。日本の企業では12月決算に移行している企業は年々増えてはいますがまだまだ3月決算の会社が多いのが現状です。
3月決算の会社はだいたい6月に定時株主総会を開催する企業が多くその時期になると定時株主総会の看板を持っている人が駅や商業ビルの前で案内している姿を見たことがある方もいるかと思います。
一方で臨時株主総会は、会社法296条2項で定められており、必要がある場合には、いつでも開催することができるとされており、定時株主総会との違いは開催時期が自由に決められるという点です。
株主総会の報告事項は様々なものがありますが、基本的には、計算書類・事業報告及びその附属明細書に関する内容を報告します（連結計算書類を作成している会社は連結計算書類）。
計算書類はいわゆる会社の一年間の財政状態や経営成績を表す書類という位置づけであり、事業報告は会社が1年間を通じてどのような取り組みを行いその成果について説明するものです。
これらについて、会社の所有権を有する株主に対して説明することが、会社法438条3項及び444条7項にそれぞれ定められています。通常報告事項においては株主への質疑応答の時間も確保されており、ここで株主総会に出席している株主は会社の経営陣に質問をすることができます。
ここで留意していただきたいことが2点ございます。1点目は会計監査人を置いている場合には、監査役及び会計監査人（いわゆる監査法人）の監査を受け監査意見を付された計算書類が報告事項として提出されることとなります。もう1点は株主総会開催前において招集通知に会計監査済かつ取締役会で承認された計算書類・事業報告及びその附属明細書を添付することに留意してください。
一方で、株主総会の決議事項についても、会社法において規定されています。主要なものとしては役員の選解任（会社法329条１項、341条）や役員報酬（会社法361条）、剰余金の配当会（会社法454条１項）、並びに報告事項に上げている計算書類・事業報告及びその附属明細書の承認（会社法438条２項、441条４項）などが挙げられます。
決議事項について決議されるのに必要な定足数は株主総会の決議の種類によって異なってきます。どういうことかといいますと、会社にとって大きな影響を与えるような事項になればなるほど決議に要する定足数が厳しくなります。
決議の種類としては普通決議、特別決議、特殊決議の３種類あります。ひとつひとつ説明していくと膨大な量になりますのでここでは割愛しますが、先程も言ったように会社にとって重要な影響を与える事項ほど慎重に決議しなければならないため、決議に必要な定足数の要件が厳しくなるという理解で大丈夫です。
この記事では、株主総会とはどういったものであるのか、そのなかでの報告事項と決議事項について主要な例を挙げて説明いたしました。報告事項は会社が1年間を通じてどのような取り組みを行ったうえでどういう成果を上げたのかを説明する事項であり、決議事項は会社の運営を行う上で重要な事項について承認を伺う事項となりますので、しっかり区別して理解していただけると幸いです。
この報告事項と決議事項をもって株主総会は開催され、会社の経営方針や将来の動向について決定される重要なイベントですので会社側としても入念な準備が行われています。
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