ビジネス用語として「外部監査」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?あまり意味が分からず、「監査」というキーワードが難しいイメージがある方も多いことと思います。
今回は外部監査について、会計未経験の方でも簡単に理解できるように、詳しく解説していきます。
外部監査とは、企業・会社や一定の団体において、外部の組織形態が実施する監査のことをいいます。
一般的には、公認会計士が所属する監査法人が監査対象法人に対して行う会計監査が外部監査として位置づけられますが、今回は中小企業がメインとする監査について詳しく解説します。
日本では、法律で実施することが定められている外部監査が存在します。
公認会計士の資格を保有している者が実施することができます。すべての企業や団体に実施する義務はなく、監査を必要とする法人については要件があります。
・上場企業
・非上場企業の大企業(資本金額が5億円以上or負債金額が200億円以上である企業)
・その他一定の企業
上記の企業に該当すると、法定監査が必要となります。
公認会計士は、上記の企業が作成した決算書などの財務諸表が適正であるものかを確認し、その適正性を確保することを目的として様々な会計項目について監査していきます。
この監査については、法定監査ともよばれるぐらいなので、必ずしなければいけない監査となります。
日本の中小企業などは、監査法人が実施する法定外部監査を必須としないにも関わらず、任意の外部監査が実施されている企業が多くあります。この任意の外部監査は、監査法人が実施しているケースは少なく、代わって、国内の税理士法人や会計事務所が実施しています。
なぜ外部監査を必要条件としない企業でも外部監査を実施しているのでしょうか。
その理由は、**会計のプロである税理士や税務スタッフが外部からその企業の会計情報や経営状態を監査・チェックすることで、企業内部から発見できない情報を多く見つけることができるから**です。
中小企業では、経理が横領したり、不正したりする事件が報道されることは少なくはありません。このような不正が起こり得る企業では、おそらく外部監査が実施されていません。
外部監査の実施がない企業では、内部で恣意的な経理の操作や、預貯金などの資産の管理が実施されているため、横領や不正送金などの行為がされやすくなってしまいます。
税理士法人や会計事務所による外部監査は、クライアント企業の実態と会計データを監査・チェックするため、不正行為が行われた場合、見つけることができるようになっています。
また、外部監査役として存在することで、大胆な不正行為や粉飾決算などの発生も防ぐことができるようになるので、外部監査は大きなリスク回避に貢献できます。
会計の専門家による会計監査を実施することで、節税対策や経営上の意思決定について有利な選択することができるため、無駄な税金や経費など、損失リスクの回避につながります。
会計や税務上では、届出や申請について期限が存在するものが多く、専門的な知識を知らずに経営を行っていると、手遅れとなり、罰則を受けてしまう危険性もあります。外部監査の実施より企業の実態が把握されることで、様々な助言を受けることが可能となります。
外部監査が実施されることで、企業における会計情報についての適正性が確保され、さらに迅速な情報が提供されるため、経営の意思決定がより効果的なものとなります。
監査の実施がない企業や、内部監査のみ実施する企業では、会計情報が主観的なものになる傾向があります。また、情報把握のペースも年1回や半年に1回となるため、迅速な経営状況の把握ができないケースが多いです。
外部監査の実施により、プロである専門家より情報を得られることが経営において重要となってきます。
上記で説明したように、公認会計士や税理士などの資格をもった専門家が実施する会計監査が一般的ですが、弁護士が顧問となり、企業の法律や訴訟関係などを防ぐために行われる監査や、社会保険労務士が顧問となり、給与計算や従業員の労働状況などについて監査を行っているケースもあります。様々な専門家による外部監査により、企業を守ることが可能となります。
いかがでしたでしょうか?様々な専門家が実施する外部監査が存在しますが、最終的な目的は企業のリスクを回避し、企業を継続させることです。企業を継続し、繁栄させていくために、外部監査の重要性を把握し、実施することをオススメします!