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難易度比較!米国公認会計士(USCPA)と簿記1級の難易度に関して!

HUPRO 編集部
USCPAと簿記1級の難易度比較

経理系の資格は日商簿記、ビジネス会計検定試験、税理士、公認会計士、USCPAなど様々なものがあります。今回は人気のあるUSCPAと簿記1級の難易度を比較し、お勧めの勉強方法、必要な勉強時間、それぞれの資格の活かし方などを検討していきます。

USCPAと簿記1級の合格率

・USCPAは日本人だけでは30%
・簿記1級は10%

【USCPA】
科目合格制になっており、財務会計、監査論、企業経営環境・経営概念、商法・税法の4科目です。それぞれの科目で75点以上取れれば合格と定められており、科目合格の有効期間は18か月です。科目合格がある場合は18か月以内に4科目合格しておく必要があり、18か月経過後はその科目の合格は取り消されてしまいます。第1四半期~第4四半期まで試験日程が定められており、自由に受験することができます。USCPAの合格率は全受験者の平均で50%程度です。具体的には2019年第3四半期の合格率は財務会計50.29%、企業経営環境・経営概念63.04%、商法・税法58.41%、監査論51.94%です。日本人のだけの合格率は30%程度とも言われています。日本人は英語がネイティブではないため、その分、アメリカ人とはハンデがあるともいえ、合格率は低くなってしまうのも当然でしょう。

【簿記1級】
商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目に分かれており、合計70%以上の正答率が合格に必要です。ただし、それぞれの科目において40%以上の正答率がない場合は残念ながら足切りとなってしまいます。バランスよく勉強していく必要がある資格です。簿記1級は年に2回の試験日が定められており、簿記2級~3級の年3回とは1回少なくなっています。簿記1級の合格率は年によって大きく異なる傾向はありますが平均10%未満程度となっています。

USCPAと簿記1級はどちらが難しいのか

USCPAの合格率は50%程度、簿記1級の合格率は10%。数字だけ見ると圧倒的に簿記1級の方が難しい感じがします。しかし合格率だけでは難易度は測れません。それは受験者層のレベルが大きく異なっている点です。

USCPAの合格率はアメリカなど全世界の受験者含めての合格率です。また誰でも簡単に受験できるわけではなく、受験する州によっても異なりますが4年生の大学卒業といった受験資格が必要です。一方、簿記1級には受験資格は必要ありません。USCPAよりも受験者層が幅広い点で大きく異なっています。

また、USCPAと簿記1級で最大の違いは言語です。USCPAはすべて英語で実施されますので、英語が苦手な方は英語の勉強も同時にする必要があります。

USCPAと簿記1級の必要な勉強時間

USCPAは合計1,000時間程度の勉強時間が必要と言われています。

1年間、1日に2.7時間の勉強が必要な計算です。簿記1級については、初学者を前提とすると合計700時間程度と言われています。

簿記2,3級の勉強時間が200時間、簿記1級の勉強時間が500時間という内訳です。簿記1級の勉強時間の内訳を見ると、簿記1級と2級に大きな差があることが分かります。

簿記1級の試験範囲は、税理士の簿記・財務諸表論や公認会計士の会計学に及ぶものもあり、勉強する範囲も膨大です。

USCPAと簿記1級、難易度を比較してみてどちらがお勧めか

合格までにUSCPAは1,000時間程度の勉強時間、簿記1級は700時間程度の勉強時間が必要とするとわずか300時間の差しかありません。一方、試験取得に必要な予備校代はUSCPA約50万円、簿記1級は約20万円です。

資格取得のメリットについてUSCPAは監査法人や大手企業の財務部門などへの就職・転職の可能性が高まります簿記1級は税理士受験の資格を得ることができる、経理業種への就職・転職の可能性が高まる、海外で働けるチャンスが高まるといったことが考えられます。

会社によっては簿記を取得することによるボーナスが支給されることもあります。簿記1級よりもUSCPAの方がより幅広いフィールドで活躍できる可能性があり、アメリカの資格でもあるので魅力的です。

USCPAと簿記1級を取得した後の転職活動

USCPAを取得した場合は前述のとおり、様々な選択肢があります。監査法人に入所し国際監査部門にて外資系企業の監査補助業務を行う、外資系企業のファイナンス部門に転職する、海外の会計事務所に転職する、などが考えられます。USCPAを取得していれば英語はビジネスで使う分には問題ない水準となっていると思いますので、同時にTOEICなども勉強して高得点を取っておくとより有利に転職活動を進めることができます。

簿記1級を取得できた場合は、大手企業の財務・経理部門への転職が一般的です。スモールビジネスレベルだと、簿記1級の知識を生かすには不十分です。

簿記1級の知識をフル活用したい場合はなるべく大手の企業を選ぶようにしましょう。また、会計事務所、税理士事務所へ転職し、そのまま会計のプロフェッショナルを目指すという道もあります。事務所に勤務しながら、

簿記1級の次の資格として公認会計士や税理士の資格にチャレンジする人も多いです。簿記1級に合格できる実力があるなら、会計科目は合格に近いレベルですので自身をもって勉強を始めることができます。

この記事を書いたライター

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カテゴリ:資格試験
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