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簿記を学ぶ理由と意義とは?

HUPRO 編集部2020.01.14

いま、経理の仕事についているわけではないし、簿記の勉強は不要なのでは?と思う方もいるかもしれません。しかし仕事をするにあたって、そのお金の流れをつかむことができる「簿記」の知識は、子どもから大人まで等しく有益なものです。本記事では、簿記を学ぶ理由とその意義について解説します。

簿記は何のためにあるの?

何のために簿記を学ぶのかその意味が見いだせない人は、簿記のことを「帳簿を付ける作業」、「経理担当に転職したい人が身につけるスキル」と思っているのではないでしょうか。
確かにそれも簿記の持つ一面ではあります。しかし、簿記は貨幣経済の中に生きる私たちにとって必要不可欠なもの。
簿記は先人たちが積み重ねてきた「金銭の出し入れを記録する技術」です。

簿記を学ぶことによって得られる事は多くあります。次の項から1つずつ解説していきましょう。

簿記を学ぶ理由①金銭感覚を身につけられる

簿記を学ぶ理由で最も身近なものは「金銭感覚を身につけられるから」です。
誰しも日常的にお金を使って生活しています。
子どものころは「お小遣い帳」、大人になってからは「家計簿」を使ってお金の管理をすることが重要と言われているにもかかわらず「面倒だから」と何もしていない人も多いのではないでしょうか。

しかし、簿記を学ぶことによって「なぜお金の出し入れを記録することが重要なのか」を理解することができます。

それだけではありません。自分が得たお金から何の支出をセーブすれば良いのか、あるいは逆に何にもっとお金をかけるべきなのかというバランスを計ることができるようになります。健全な家計の運営に役立てるためにも、簿記は等しく学んでおきたい知識です。

簿記を学ぶ理由②勤務先・取引先の財政状況がわかる

企業は毎年決算を行い、決算書を作成して税務署に提出しています。損益計算書や貸借対照表といった財務諸表は、日々の簿記の積み重ねであり、企業の財政状況を示すものです。
簿記を学ぶことにより、それぞれが意味する数字の意味や、企業の経営のコンディションがわかるようになります。
例えば文房具の購入や仕入れといった日常業務が、いかに経営に影響を及ぼしているかが見えてくるのです。

最近、企業の不正会計や横領などがニュースをにぎわせていますが、その端緒を発見することにもつながります。

転職を考えている人は、転職先の決算状況を確認してみて、財務状況の健全性をチェックすることも可能です。見た目の業務は華やかでも、実態は赤字経営で資金繰りが厳しい企業というのはいくらでもあります。

簿記を学ぶ理由③マーケティングに生かせる

簿記を学ぶことで、売上と利益の関係が見えてくるようになります。つまり、自社の中でどの商品の利益率が高いのかがわかるのです。
そう考えると、重点的に売るべき商品はどれかというのが見えてきます。

営業部門にいたことがある人は「売上高」で目標が決められていることが多いですが、実はその内訳については利益を加味して決められているはずです。
利益率の低い商品をいくら打っても、売上はプラスだけれども、営業利益はマイナスという事が起こってしまいます。

そうならないように、いかに利益率の高い商品を売るかに注力するのが大事ですし、見た目の売上高よりも、その構成に応じた評価にするという評価体系も必要でしょう。

簿記を学ぶ理由④マネージメントに生かせる

企業において、経理職を事務の仕事と軽んじがちな管理職こそ、簿記を勉強してほしい人たちです。
簿記の知識を知っていることで、マネージメントに活用することができます。

例えばこの図では、売上高という一面だけ見ていると、A支社が一番成績が良いように見えます。しかし、生産効率という面から見るとC支社が一番なのです。
例えばB支社では、営業経費を抑えることに注力しすぎて、システム化できるような事を手動でやっているような事が起こっているとも考えられます。

これから働き方改革が実施された時に、C支社はこのままでも同じ利益を出すことができますが、A支社とB支社は経費がかさんでマイナスになってしまうか、部署の社員の持ち帰り残業が発生することは必至です。

ここでやみくもに「経費を減らせ」「残業するな」でも「売上を上げろ」と檄を飛ばすような管理職はマネージャーの資格はありません。

本来の管理職は、目先の売上の数字だけでなく、その裏で動いている経費も確認し、包括的に業務改善を行っていくのがそのミッションです。

C支社ではどのように営業を行っているのかを改めて確認する必要があります。
そもそも支社ごとの担当エリアが違いすぎるようであれば、エリアの見直しを行ったり、スター営業社員がいるようであれば、そのノウハウを社内共有するといった手段も使えるでしょう。

逆に考えると、自分が管理職を目指すのであれば、簿記を勉強したうえで、部内の問題点を把握し、改善提案をそれとなく行うことで、昇進に一歩近づくことも可能です。

まとめ

簿記はとっつき辛いイメージもありますが、その概念や基本的な内容については、ぜひ身につけておきたい知識です。
経営については経験も必要となりますので、簿記だけでどうにかはなりません。しかし簿記の知識がベースにある人は、その力を発揮しやすいことは事実です。
まずは、決算書の数字を見た時に会社の経営が良いのか、悪いのかだけでも、判断できるようになるところからはじめてみませんか?

カテゴリ:コラム・学び

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