厚生労働省の調査によると、社労士の登録者数は2010年が35,298人だったのが、2018年時点には41,780 人まで伸びています。年々増加傾向にある社労士ですが、今回は「勤務社労士」を中心に企業から社労士に対しての需要について解説していきます。
近年、国家資格の受験者数が減る傾向にある中で、社労士の人数は増加をたどっていますが、実際に企業からの社労士に対する需要はどうなのでしょうか。
社労士というのは大きく2つに分けて、「開業型」と「勤務型」があります。そして現在、全社労士のうちの約4割弱が企業に勤めている「勤務社労士」です。
昨今、労働環境がひどい会社はブラック企業と叩かれ、「働き方改革」や「ワーク・ライフ・バランス」といった言葉が頻繁にニュースでも聞かれます。そして、企業にとって、法律に基づき過度な労働時間を避け、コンプライアンスを遵守することが今まで以上に求められるようになりました。社会保険をきちんと完備し、人事評価制度や就業規則などを適切に整備することで、社員に快適な労働環境を提供し、皆が安心して働くことができます。
社会全体において従業員の労働環境というのが非常に重要となっており、そんなときにきちんと法律を熟知した社労士の存在が求められます。
また、企業によって労働環境について問題が起きる原因は様々で、中には社外の社労士では対応が不十分になるケースもあります。例えば、パワハラやセクハラなど、社内にいて周りの人間関係を理解しているからこそ、正しく正確に把握できる問題もあります。
昨今の社会的な風潮で従業員側の主張が強くなってきているというのもあり、今までは外部の社労士が整備することで対応できていた問題が、それだけでは解決できないケースも起きるようになりました。
このように、社内の勤務社労士への需要というのは今後もますます増加していくと見込まれます。
前述したように社労士の半分以上は独立開業している社労士ですが、勤務社労士のメリットは多々あります。
まず、当然ですが、サラリーマンとしての恩恵を受けることができることです。給料や賞与がきちんともらえて年収が安定し、一般に定年まで働けば退職金制度があります。また、社労士という資格を活かして、その会社内で替えの利かない存在となりやすく、リストラ対象となるリスクが減ります。
また、会社の人からは保険手続きや社内規定、給与体系、なかには社内トラブル等で相談される機会が多く、自然と信頼関係を築くことができ、貴重で頼りにされる存在となります。
そして、社労士が扱う業務というのは景気に左右されずに一定の安定した需要があります。むしろ景気が悪くなってきたときほど、解雇問題などで労働契約上のトラブルが起こりやすくなり社労士へのニーズは増えるでしょう。
年々需要が増えてきている社労士ですが、ではどのようなキャリアを歩めば、勤務社労士としてキャリアアップができるのでしょうか。
社労士業務というのは、1〜3号業務に分けることができ、1・2号業務は社労士の独占業務であり、労働保険・社会保険に関する必要書類の手続き代行、就業規則や帳簿書類作成などが挙げられ、3号業務は独占業務ではなく、人事・労務関連のコンサルティング業務です。
保険手続きや給与計算などについてはわざわざ社内で対応する必要もなく、大手企業などはアウトソーシングしているケースも多いです。また、将来的には一部AIに取って代わられる可能性が高いと言われています。
そのため、勤務社労士としてキャリアアップしていくには、3号の人事労務コンサルティング業務が大事になってきます。人事労務に関するアドバイスができるようになると自然と経営層とも関わることが増えたり、社内のポジションも上がる可能性があります。
また、事業会社での経験を活かして、人事労務コンサルティングファームへの転職という選択もできるようになるでしょう。社労士と聞くと、一般に給与がそこまで高くないイメージがあるかもしれませんが、コンサルティング業務ができると一気に年収アップものぞめます。
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