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経理としてIPO準備を経験することのメリットやその後のキャリアとは?

HUPRO 編集部
経理としてIPO準備を経験することのメリットやその後のキャリアとは?

経理担当としてIPO準備を目指す企業での経験はその後のキャリアにとって大きくプラスになります。そこで今回は、経理担当がIPO準備で得られる経験とその強みを中心に解説していきます。

IPO準備とは

そもそも、会社が上場するとは、正確には証券取引所が運営する株式市場に上場して不特定多数の方に自社の株式を売り出すことを言います。
そして、上場するにあたり、定められた要件を満たしているかどうか証券取引所から審査を受ける必要があり、簡単に言ってしまえば、この審査を通過するために様々書類を準備したりすることを「IPO準備」と言います。

近年はIPOを目指す企業は増えており、昨年2018年に国内で上場を果たした企業数は90社に及び、2019年はそれを上回る予想がされています。IPOに向かうフェーズにいる企業で働く魅力とは、一般的には「経営者視点で働くことができる」「早いうちから責任あるポジションを任せてもらい、組織形成が同時に学べる」「ストックオプションが付与される」など多々あります、

一方で同時に「とても忙しく、残業が多い」「人手が足りず、単純業務も全て自分で行わないといけない」「安定がないため将来不安」など苦労する一面もよく聞きます。

それは経理担当者も同じで、IPO準備に入るとどこの企業も特に経理部は大変忙しくなります。それでも、経理としてIPOを経験できるとその後の自身のキャリアにとって大きく影響を与えてくれます。

IPO準備中の企業に経理として働くことで得られるもの

上場企業の経理は激務というイメージがよく抱かれており、たしかにIPO準備では忙しさを極めますが、その分その後のキャリアに活きる非常に濃い経験が短期間のうちにできます。

経理担当として行う業務は、財務諸表の作成や開示業務、監査法人対応、証券会社の審査対応など本当に多岐に渡ります。それも大変な作業であり、貴重な経験となりますが、IPO準備中の企業はベンチャー企業でマンパワーも足りなく、組織体制も不十分なことがあることから、経理担当であっても、財務や経営企画、ときには総務や法務、人事の仕事まで関わらなければならないケースもあります。また、マネージャー層であっても大手企業と違い、現場で自ら手を動かすことも求められます。

このようにたしかに忙しく、苦労も多い業務内容ではありますが、それを経験することによって自らの成長を実感でき、また経理担当として一通りの上場手続きを経験したということで、これから上場を目指そうという企業からの需要は一気に高まります。

IPO準備を経験した後のキャリア

経理担当としてIPOの手続きを経験していると、IPO準備に入った企業にとってみるとすでにそれを経験しているということで大変貴重な人材となり、IPO準備の経験が直接その人の市場価値を上げます。

当初、IPOを目指す企業に就職した際には一時的に年収が下がってしまったかもしれませんが、その分、他ではできない経験をすることで、自分の市場価値を上げ、長期的な目線で考えるとプラスになることも多々あります。最近では、自己成長のために大手企業からあえて年収を下げてまでIPOを目指す会社に入り過酷な業務を経験する人もいます。

IPO準備中のベンチャー企業に入るメリットとして、よくストックオプションが挙げられますが、上場準備中と言っていて、実際に上場できるのはほんの一握りで、もちろん上場しないとストックオプションは何の価値も持ちません。それでもIPO準備中の企業に入る魅力は他にもたくさんあり、その際たるものが、いま説明してきたような経験が積めることであると言えるでしょう。

特に最近ではIT業界を中心にIPOを目指す企業は本当に増えてきているので、一度でも経理担当としてIPO準備を経験していると、そのような企業からは引く手数多となります。

IPO準備中の企業への転職の失敗例

ただし、IPO準備中の企業への転職でも失敗するケースはあります。まず、IPOに対しての意識が経営者と他社員の間で明らかに違っていたという場合です。

例えば、会社の社長、経営幹部と面接を通して話をして、経営層の上場を目指す熱意に共感して管理部門の責任者として入社を決意したものの、いざ入社して現場に行ってみると、周りの社員たちは全員、上場準備は余計な作業も増えるし大変だから歓迎しないという雰囲気です。それでも上場を目指して、管理部門を変えていこうと思っても、現場がどうしてもついて行かず、結局社長もIPOを諦めてしまったというケースは多々あります。

他にも様々な要因で、上場準備に入り結局数ヶ月で頓挫してしまうという話はよく聞きます。

そうならないためにも、IPOを目指す企業に入社して自分の経験値を上げたい、市場価値を上げたいと考えている方は、きちんと入社前にその会社のことを調べる必要があります。
IPO準備などの情報は一般にはあまり外に出していないことも多いので、その際はぜひ転職エージェントを活用してみてください。

この記事を書いたライター

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