私達が日常的に買い物をする際に支払っている消費税。消費税の納税については、受け取った消費税について、自身が支払った消費税との差分を計算してから国に納付する必要があります。今回は消費税の確定申告と、消費税の納付時期・支払方法について解説します。
消費税の確定申告期限は原則として以下の通りとなっています。
・法人…事業年度終了から2ヶ月後
・個人事業主…翌年3月31日
確定申告の期限の日が土日祝日の場合はその次の平日が期限です。
法事は事業年度終了の計算日から2ヵ月後ですので、例えば3月決算の企業であれば5月の末日までに申告・納付する必要があります。
消費税を支払うには申告が必要です。
申告については確定申告と中間申告の2種類がありますが、個人の場合は前年、法人の場合は前事業年度(以下「前課税期間」といいます。)の消費税の年税額(地方消費税含まず)が48万円を超える者は中間申告が必要となります。
なお、中間申告は任意で行うことも可能です。個人の場合は前年、法人の場合は前事業年度の消費税の地方消費税を除く年度税額が48万円以下であっても、自主的に年1回の中間申告書を提出することができます。
例えば3月決算の法人が、消費税を年4回支払う場合は、8月末、11月末、2月末、5月末に支払うことになります。
中間申告は、あくまで前年の消費税額を元にした仮の数字です。年に1度の確定申告で最終的な金額を精査し、納めた消費税の還付又は追納を行うことになります。
消費税の納付方法には次の5種類があり、いずれかの方法で、期限内に納付する必要があります。
納付は申告と期限が一緒なので遅れないようにしましょう。
なお、税務署から申告書の提出後に、納付書の送付や請求書などによるお知らせはありませんので注意してください
消費税及び地方消費税については、指定した金融機関の預貯金口座からの振替納税が利用できます。振替納税を利用される場合は、納税の期限までにあらかじめ口座振替の依頼書を提出していただく必要があります
(詳しくは以下のリンク「振替納税手続」をご覧ください。)。
※転居等により所轄税務署が変わった場合や既に振替納税で指定している金融機関や口座を変更する場合には、新たに振替納税(変更)の手続が必要となります。
※インターネット専用銀行等の一部金融機関及びインターネット支店等の一部店舗では振替納税が利用できません。利用の可否については取引先の金融機関にご確認ください。
参考:振替納税手続|国税庁
電子納税利用に当たっては、事前に「開始届出書」の提出など手続が必要となります。手続の詳しい内容は、e-Taxホームページをご覧ください。
参考:個人の確定申告書作成|e-Tax
インターネットを利用して「国税クレジットカードお支払いサイト」から納付できます。手続の詳しい内容は、クレジットカード納付の手続き|国税庁をご覧ください。
金額が30万円以下の場合、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーや、コンビニ納付用QRコード作成専用画面から納付に必要な情報をQRコードとして作成(印刷)し、コンビニエンスストアで納付できます。
※利用可能なコンビニエンスストア(平成31年(2019年)1月4日時点)
・ローソン、ナチュラルローソン、ミニストップ(いずれも「Loppi」端末設置店舗のみ)
・ファミリーマート(「Famiポート」端末設置店舗のみ)
現金に納付書を添えて、納税の期限までに金融機関(日本銀行歳入代理店)又は所轄税務署で納付します。
納付書をお持ちでない方は、税務署又は所轄税務署管内の金融機関に用意してある納付書を使用してください。金融機関に納付書がない場合には、所轄税務署にご連絡ください。
出典: 税金の納付|国税庁
法人税・法人住民税・法人事業税・消費税については、 決算日から2か月以内に税務申告する必要があります。
このうち、法人税・法人住民税・法人事業税については、事前に申告すれば申告期限が一か月延長出来るのに対し、消費税は 申告期限の延長はできず、当然納付期限の延長もできないというのが原則です。
例えば3月期決算企業の場合は、5月末までに消費税の申告を済ませなくてはなりません。 そのため経理担当者は、ゴールデンウィークについては基本的に返上で事務処理にあたるケースも多く見られました。
消費税の計算は、受け取った消費税と支払った消費税の差額を計算した上で申告・納付する必要があり非常に手間がかかります。
そのため、消費税の申告期限に内容の精査が間に合わず、とりあえずの金額で申告し、後で修正申告するというケースも少なくありません。
しかし、この方法だと修正申告の前に税務調査が入った場合に、納付すべき税額の5%を過少申告加算税として納めなくてはならず、正確な税金の額を計算するのに必要な時間がほしいという意見が多くあったのです。
この時期に多くの時間の残業が発生することから、働き方改革の観点からも、消費税の申告期限については見直しが必要だと言われてきました。
2020年の税制改正大綱に掲載される見通しで、今後の動きに注目です。
出典:消費税申告の期限を延長|産経新聞、消費税申告、1ヶ月延長可能に|日本経済新聞
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